ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 一部無効 発明同一 訂正を認める。無効とする(申立て一部成立) H04N |
---|---|
管理番号 | 1134998 |
審判番号 | 無効2004-80010 |
総通号数 | 78 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2004-02-12 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2004-04-09 |
確定日 | 2006-02-10 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第3479067号発明「画像撮影装置および方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3479067号の請求項1ないし3、5、8、20に係る発明についての特許を無効とする。 特許第3479067号の請求項4に係る発明についての審判請求は、成り立たない。 審判費用は、その七分の一を請求人の負担とし、七分の六を被請求人の負担とする。 |
理由 |
1.手続の経緯 出願日 平成15年1月30日 (優先権主張平成14年5月17日) 設定登録 平成15年10月3日 (特許第3479067号) 本件無効審判請求 平成16年4月9日 答弁書 平成16年7月23日 訂正請求書 平成16年7月23日 弁駁書 平成16年9月1日 口頭審理陳述要領書(被請求人) 平成16年10月26日 口頭審理 平成16年10月26日 訂正拒絶理由通知 平成16年12月15日 意見書 平成17年1月14日 手続補正書 平成17年1月14日 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 平成17年1月14日付の訂正請求書の手続補正書において、被請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。 [訂正事項b] 特許請求の範囲の請求項5を 「【請求項5】 画像合成のための仕切スクリーンに形成された開口部は、丸型であり、 カメラによる撮影時に被写体を照明する照明手段が、上記仕切スクリーンよりもカメラ側に配置されている請求項1~4のいずれか一項に記載の画像撮影装置。」と訂正する。 [訂正事項c] 特許請求の範囲の請求項8を 「【請求項8】 上記仕切スクリーンが、カメラの撮影範囲をカバーする大きさであり、カメラの撮影範囲に余分なものが写り込まないように設定されている請求項1~7のいずれか一項に記載の画像撮影装置。」と訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張、変更の存否 上記訂正事項bは、画像撮影装置が備える「画像合成のための仕切スクリーンに形成された開口部が、丸型である」点を限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 上記訂正事項cは、画像撮影装置が備える「仕切スクリーンが、カメラの撮影範囲に余分なものが写り込まないように設定されている」点を限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)独立特許要件 訂正明細書の請求項6、7、9ないし19は、前記訂正事項b、cの請求項5、8の訂正に伴い、該請求項を引用している部分が訂正されたものであり、当該訂正は特許無効審判が請求されていない請求項についての訂正であって、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当するから、訂正明細書の請求項6、7、9ないし19に係る発明の独立特許要件について検討する。 訂正明細書の請求項6、7、9ないし19に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項6、7、9ないし19に記載された事項により特定されたとおりのものであって、請求人が提出した甲第1号証に記載された発明と同一であると認めることができない。 したがって、訂正明細書の請求項6、7、9ないし19に係る発明は、出願の際、独立して特許を受けることができるものである。 (4)むすび したがって、上記訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、及び特許法第134条の2第5項において準用する特許法第126条第3項から第5項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.本件特許発明 被請求人が請求した訂正は認められるので、平成17年1月14日付け訂正請求書の手続補正書による訂正後の請求項1ないし5、8、20に係る発明(以下「本件特許発明1ないし5、8、20」という。)は、訂正明細書に記載された、次のとおりのものである。 「【請求項1】撮影領域に存在する被写体を撮影して撮影画像を生成するカメラと、撮影画像を被写体に対して表示するディスプレイと、撮影画像をプリント出力するプリンタとを備え、使用者を含む被写体を撮影してその撮影画像等をプリントする画像撮影装置であって、 上記撮影領域に存在する被写体とカメラとの間に、カメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された画像合成のための仕切スクリーンが設けられ、 上記仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段とをさらに備えたことを特徴とする画像撮影装置。 【請求項2】上記撮影画像を表示して、使用者の操作による上記第2画像の入力を受け付ける第2画像受付手段を備える請求項1記載の画像撮影装置。 【請求項3】上記仕切スクリーンよりも被写体側の被写体のバックとなる領域にバックスクリーンが設けられている請求項1または2記載の画像撮影装置。 【請求項4】上記バックスクリーンに、仕切スクリーンのカメラ側面に施された着色とは異なる着色が施されている請求項3記載の画像撮影装置。 【請求項5】画像合成のための仕切スクリーンに形成された開口部は、丸型であり、カメラによる撮影時に被写体を照明する照明手段が、上記仕切スクリーンよりもカメラ側に配置されている請求項1~4のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項8】上記仕切スクリーンが、カメラの撮影範囲をカバーする大きさであり、カメラの撮影範囲に余分なものが写り込まないように設定されている請求項1~7のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項20】使用者を含む被写体を撮影してその撮影画像をプリントする画像プリント作成方法であって、撮影領域に存在する被写体に撮影させて撮影画像を生成する撮影ステップと、撮影画像を被写体に対して表示する画像表示ステップと、上記撮影画像をプリント出力するプリントステップとを備え、上記撮影ステップを、撮影領域に存在する被写体とカメラとの間にカメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された仕切スクリーンを設けた状態で実行し、上記仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成することを特徴とする画像撮影方法。」 4.請求人の主張 請求人は、証拠方法として、下記の甲第1号証を提出し、本件特許発明1ないし5、8、20は、甲第1号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許発明1ないし5、8、20は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきであると主張している。 甲第1号証:特願2002-142763号(特開2003-280084号)の国内優先の基礎となる出願(特願2002-10486号)の願書に最初に添付された明細書及び図面 5.被請求人の主張 一方、被請求人は、以下の理由により、請求人の主張する無効の理由はない旨主張している。 (1)第1の理由 本件の特許査定時には、特願2002-10486号の願書に最初に添付された明細書及び図面(甲第1号証)は公開されていないため、本件の請求項1ないし5、8、20に係る発明の特許は、特許法第123条第1項第2号に該当しない。 (2)第2の理由 本件の請求項1ないし5、8、20に係る発明の特許は、甲第1号証に記載された発明とは同一ではなく、請求人の主張する無効理由はない。 6.被請求人の主張する第1の理由について 被請求人は、平成16年7月23日付答弁書において、概略次のように主張している。 本件特許の特許査定日は、平成15年9月3日であるのに対し、甲第1号証が特許法第41条第3項の規定によりみなし公開されたのは、本件特許の特許査定日の後である平成15年10月2日である。特許法第29条の2は、その適用要件として、(a)先願に記載の発明と後願発明とが同一であること、および、(b)先願が公開されていること、(c)発明者、出願人が先願と後願とで異なること、を要求している。しかしながら、本件の特許査定時には、甲第1号証は公開されてはいないから、本件特許の特許査定は何ら違法性を有さず、本件の請求項1ないし5、8、20に係る各特許発明は、特許法第123条第1項第2号(「その特許が・・・第29条の2、・・・の規定に違反してされたとき。」)に該当しない。すなわち、本件特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものではない。 したがって、本件特許は何ら特許法第123条第1項第2号に該当するものではなく、審判請求人の「本件の請求項1ないし5、8、20に係る各特許発明は、特許法第123条第1項第2号に該当し、」との主張は妥当性を欠く。 そこで、上記被請求人の主張について検討する。 (イ)本件特許は、平成15年9月3日に、審査官が特許をすべき旨の査定(特許法第51条「審査官は、特許出願について、拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の査定をしなければならない。」との規定による査定)をし、平成15年10月3日に設定の登録がされたものである。 (ロ)一方、審判請求人が提出した甲第1号証が、特許法第41条第3項の規定により出願公開されたものとみなされるのは、平成15年10月2日である。 (ハ)被請求人は、『本件の特許査定時には、甲第1号証は公開されてはいないから、本件特許の特許査定は何ら違法性を有さず、本件の請求項1ないし5、8、20に係る各特許発明は、特許法第123条第1項第2号(「その特許が・・・第29条の2、・・・の規定に違反してされたとき。」)に該当しない。』(上記答弁書第3頁11行ないし14行)と主張するが、前記(イ)、(ロ)によれば、本件特許の設定の登録がされ、特許権が発生した平成15年10月3日には、審判請求人が提出した甲第1号証は、すでに特許法第41条第3項の規定により出願公開されたものとみなされるのであるから、上記「本件の請求項1ないし5、8、20に係る各特許発明は、特許法第123条第1項第2号(「その特許が・・・第29条の2、・・・の規定に違反してされたとき。」)に該当しない」との被請求人の主張は失当である。 (ニ)また、被請求人は、『特許法第123条第1項第2号は、査定時に、「その特許が・・・第29条の2、・・・の規定に違反してされたとき。」に無効審判を請求することができることを規定するのみであり、』(上記答弁書第4頁1行ないし3行)と主張しているが、特許法第123条第1項第2号には、「査定時に」との規定はなく、被請求人の前記主張は失当である。 7.甲第1号証に記載された発明 甲第1号証:特願2002-142763号(特開2003-280084号)の国内優先の基礎となる出願(特願2002-10486号)の願書に最初に添付された明細書及び図面(以下「先願明細書」という。)には、以下の事項が記載されている。 (a)この発明は、照明手段で撮像空間内の1以上の被写体を照明し撮像手段で撮像して撮像画像を作成する撮像処理を許容し、編集対象の画像に対して編集手段で編集して編集画像を作成する編集処理を許容し、所定の画像を出力手段で出力する写真シール自動販売方法またはその装置であって、撮像手段で撮像する撮像範囲から周景演出手段で被写体の一部の遮断を許容して被写体の周景の演出を可能にする写真シール自動販売方法またはその装置であることを特徴とする。 これにより、利用者は例えば足や手を隠した状態、体を隠して顔だけを出した状態、又は体を星型に刳り貫いたような状態など様々な状態で撮像することができ、隠した部分を含めた周景にクロマキー合成を行うことが可能になる。また、編集処理で利用するペンやスタンプ等の落書き用アイテムや、撮像画像に対して合成する合成用画像(周景画像)などを、工夫して選択・利用して編集処理を行う事により、バリエーション豊かな編集画像を作成することができるため、アミューズメント性が飛躍的に向上する。(第4頁段落【0008】、【0009】)。 (b)周景演出手段は、透明、半透明、及び/又は不透明の布材又は樹脂材等の部材で形成したカーテン等の幕体、星型等適宜の形状に形成した板材、及び/又は、撮像時にデジタル合成して仮想的(バーチャル)に特定部分で被写体を隠して表示しないようにするハートマークや着物等の絵柄を表示する前景合成用画像であることを含む。前記周景は、一般的に被写体を取り巻く風景を指し、撮像画像で被写体以外のものが写っている部分、すなわち、被写体の背景や、被写体を隠す前記幕体や前記板材等の周景演出手段であることを含む。 好ましい実施の形態として、前記周景演出手段に、1以上の切り込み部を備えた幕体を利用することができる。前記切り込み部は、スリット状の縦方向又は横方向の切り込み、ハート型や星型等の形に刳り貫いて形成した切り込み、短冊状の細長い布を幅方向に複数並べて前記幕体を形成した際に発生する各布間の分かれ目であることを含む。 前記構成により、例えば横方向に切り込みが複数入っている幕体を利用し、前記切り込みから顔と足だけを撮像手段側に出して撮像するといったことができ、・・・(第5頁段落【0012】ないし【0014】)。 (c)写真シール自動販売機1は枠3でボックス状に囲繞し、中央に撮像空間4を有してその奥側(背面側)に筐体2を備え、前記撮像空間4の手前側(正面側)に特殊カーテン18で囲繞した隠蔽空間5を備える。 前記構成のうちまず筐体2について説明すると、該筐体2は、正面上部に正面視四角形の縦長のスクリーン16pを備えており、その中央少し上方に被写体を撮像するデジタルカメラ14を備えている。前記スクリーン16pの周囲には、上部に上照明ボックス15a、左部に左照明ボックス15b、右部に右照明ボックス15c、下部に下照明ボックス15dをそれぞれ備えており、各照明ボックスで撮像空間4内の被写体を略均一に照明する。 前記各照明ボックスは、図2の筐体2の斜視図に示すように、ストロボ発光するストロボ照明装置24(24a,24b,24c,24d)、半透明部材で形成して透過する光を拡散する拡散板25(25a,25b,25c,25d)、及び、白色塗装によって光を反射する反射板26(26a,26b,26c,26d)で構成する(第8頁段落【0029】、【0031】ないし【0033】)。 (d)撮像空間4の天井面正面側には、映像を投射するプロジェクタ16を備えており、該プロジェクタ16は、筐体2に備えたスクリーン16pに撮像前のプレビュー表示や撮像画像を投影し、利用者が大画面で撮像画像等を細部まで確認できるように構成している。撮像空間4の右側面には、画像を表示すると共にタッチペンによるペンタッチ入力が可能な撮像用タッチモニタ13gを備え、利用者に対して撮像時にアップ撮像と全身撮像の切り替え操作や、シャッタのカウントダウン開始といった入力を可能にしている。 次に、隠蔽空間5について説明すると、該隠蔽空間5の上部には平面視略四角形で角を丸めた形状のカーテンレール17を備え、該カーテンレール17に前記隠蔽空間5を囲繞するループ状の特殊カーテン18を吊下げる。該特殊カーテン18は、前記カーテンレール17に沿って回転移動可能であり、幅方向に連結した4枚のカーテンで形成する4つの面、すなわち通常面18h,縦スリット面18i,透明一部模様面18j,横スリット面18kで構成する。前記通常面18hは、白色の不透明なカーテンで形成し、上部に穴19を複数並列して設ける。前記縦スリット面18iは、白色の不透明なカーテンで形成し、縦方向の切れ目を幅方向に複数設けると共に、上部に穴19を複数並列して設ける。前記透明一部模様面18jは、透明なカーテンで形成し、星型の白色不透明部分を3箇所設ける。前記横スリット面18kは、白色の不透明なカーテンで形成し、幅方向の切れ目を上下方向に複数設けると共に、上部に穴19を複数並列して設ける(第11頁段落【0044】ないし第12頁段落【0049】)。 (e)利用者は照明ボックス15の照明を受けてデジタルカメラ14で撮像することができ、撮像時に特殊カーテン18を回転移動させることにより、利用者は周景として利用する面を選択することができる。このときの特殊カーテン18の利用方法として、隠蔽空間5内に居て縦スリット面18i又は横スリット面18kの切れ目から顔や手など体の一部を出して撮像する、隠蔽空間5内に居て透明一部模様面18jの星型の不透明部分で体の一部を隠して撮像する、あるいは、撮像空間4に居て通常面18hで普通に全身又は上半身を撮像するといったことができ、利用者は従来存在しなかった斬新な遊び感覚での撮像を行うことができる。 次に、図4に示す回路ブロック図と共に、写真シール自動販売機1の構造について説明する。写真シール自動販売機1は、CPU,ROM,RAMを備えて各装置の制御動作を実行する制御装置10と、該制御装置10に接続した以下に説明する各装置を備えている。なお、前記制御装置10は、被写体の周景として合成するための合成用画像と、後述のデジタルカメラ14で撮影している撮像前の動画影像をリアルタイムにクロマキー合成して合成画像データを作成する処理も実行する。このときのクロマキー合成は、撮影している撮影画像に対して一定レベル以上の明るさ(明度)の部分を合成用画像に置き換える処理を指し、これによって特殊カーテン18等で形成される被写体以外の白色部分(周景)のみに対して合成用画像を合成する処理が容易に行える(第12頁段落【0052】ないし第13頁段落【0054】)。 (f)編集用タッチモニタ13fは、前記制御装置10よりRGB信号を受信し、該信号に従って落書き編集画像等の画像を表示する。また、利用者によってタッチペンでタッチされた座標を、入力信号として制御装置10に送信する。これにより、撮像画像に対して利用者が落書き編集することを許容している。 撮像用タッチモニタ13gは、前記制御装置10よりRGB信号を受信し、該RGB信号に従って前記デジタルカメラ14で撮影している撮像前の動画像(プレビュー表示)や撮像した静止画像(撮像画像)を表示する。また、利用者によってタッチペンでタッチされた座標を、入力信号として制御装置10に送信する。これにより、全身撮像とアップ撮像の切り替えや、シャッタのカウントダウン開始等の利用者の操作を許容している。 デジタルカメラ14は、前記制御装置10より受取るシャッタ信号で撮像を実行し、撮像前のポーズ考え中の撮像動画データや、撮像した撮像静止画データといった画像データを、制御装置10に送信する。また、ズームの倍率を変更することで、全身撮像とアップ撮像を切替えて撮像することができるように構成している。 プロジェクタ16は、制御装置10からのRGB信号に従って動画映像又は静止画影像をスクリーン16p(図1)に投射し、利用者に対して撮像前のポーズ確認と撮像した撮像画像の確認を許容している。なお、前述したように制御装置10からリアルタイムに合成した合成動画データを受信したときには、その合成画像の動画映像又は静止画影像を投射し、利用者が合成後のイメージを確認しつつポーズを決定すること、及び撮像結果の合成画像を確認することを可能にする。 プリンタ20は、前記制御装置10よりプリント画像データを受信し、受信したプリント画像をシール紙ユニット31(図3)のシール紙31mに印刷し、作成した写真シールシート31oを排出する(第14頁段落【0057】ないし【0060】)。 (g)ステップn2の撮像処理について、図6に示す撮像処理の処理フロー図と共に説明する。 制御装置10は、プロジェクタ16(図4)にRGB信号を送信し、スクリーン16p(図1)に被写体を映し出してモニタ表示を開始する(ステップp1)。このとき、撮像用タッチモニタ13g(図4)にも同様にモニタ表示を行う。制御装置10は、前記プロジェクタ16及び撮像用タッチモニタ13gにRGB信号を送信し、前記被写体と共に周景となる合成用画像を表示すると共に、スピーカ23(図4)に音声信号を送信して前記合成用画像を選択するようにアナウンスする(ステップp3)。 制御装置10は、制限時間となるまで利用者による合成用画像の選択を待ち(ステップp4)、合成用画像が選択された時点でスクリーン16p及び撮像用タッチモニタ13gに被写体と前記合成用画像を合成した表示を行う(ステップp6)。ここで、利用者が隠蔽空間5に入っているとすると、図8の撮像方法説明図の(A)に示すように、スクリーン16pに合成用画像(例えば着物の画像)を投影し、利用者が特殊カーテン18の縦スリット面18i(図1)を利用して、(B)に示すように顔と手を出したとすると、(C)に示すように特殊カーテン18の部分に合成用画像である着物の画像を合成した合成画像を投影する。これにより、利用者は合成用画像である着物との位置関係を確認して顔と手の位置を決定し、精度の高い合成用画像を作成することができる(第16頁段落【0070】ないし【0072】)。 (h)ステップn3の編集処理について、図7に示す編集処理の処理フロー図と共に説明する。該編集処理開始と共に、図9の編集画面イメージ図に示すように、制御装置10は編集用タッチモニタ13fに編集画面を表示する(ステップq1)。利用者によって画像切り替えボタン13sがタッチされて、編集対象の画像(撮像画像又は該撮像画像に落書きした編集画像)が選択されると、制御装置10は次のステップへ処理を進め(ステップq2)、選択された画像を画像編集枠13tに表示する(ステップq3)。 前記ステップq2で編集対象の画像が選択されない場合は、制御装置10は制限時間まで待ち(ステップq4)、制限時間が経過するとデフォルトの選択画像(例えば1番最初に撮像した撮像画像)が選択されたと設定する(ステップq5)。 利用者によって合成用画像選択ボタン13uがタッチされて選択され、画像変更ボタン13vがタッチされると(ステップq6)、制御装置10は、撮像画像はそのままで合成用画像を一括して変更する(ステップq7)。なお、このときペン13yやスタンプ13y等による落書きがあれば、その落書きもそのまま残した状態で合成用画像のみを一括して変更する。前記ステップq6で合成用画像が選択されないまま制限時間が経過すると、そのままステップq9に処理を進める(ステップq8)(第18頁段落【0080】ないし【0083】)。 8.本件各特許発明と甲第1号証に記載された発明との対比、判断 (1)本件特許発明1について 本件特許発明1と先願明細書に記載された発明(以下「先願発明」という。)とを対比すると次のことが認められる。 (ア)先願明細書の前記記載(c)、(f)によれば、先願発明の「デジタルカメラ14」、「プリンタ20」は、それぞれ、本件特許発明1の「カメラ」、「プリンタ」に相当し、また、先願発明の「スクリーン16p」、「撮像用タッチモニタ13g」は、被写体に対して撮像した静止画(撮像画像)を表示するものであり、本件特許発明1の「ディスプレイ」に相当するから、両者は、いずれも「撮影領域に存在する被写体を撮影して撮影画像を生成するカメラと、撮影画像を被写体に対して表示するディスプレイと、撮影画像をプリント出力するプリンタとを備え、使用者を含む被写体を撮影してその撮影画像等をプリントする画像撮影装置」であることは明らかである。 (イ)また、先願明細書の前記記載(b)、(d)、(e)によれば、先願発明の周景演出手段である「特殊カーテン18」は、被写体とデジタルカメラ14との間に設けられ、撮影範囲内に被写体を露出させることができるスリット状の縦方向又は横方向の切り込み、ハート型や星型等の形に刳り貫いて形成した切り込みが形成されており、利用者は前記切り込みから顔や手など体の一部を出して撮像するのであるから、前記特殊カーテンに形成されたスリット状の縦方向又は横方向の切り込み、ハート型や星型等の形に刳り貫いて形成した切り込みは、開口部といえ、また、先願明細書の前記記載(g)、(h)によれば、「特殊カーテン18」は、画像合成のために用いられるのであるから、先願発明は、本件特許発明1と同様「撮影領域に存在する被写体とカメラとの間に、カメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された画像合成のための仕切スクリーンが設けられ」ているといえる。 (ウ)先願明細書の前記記載(g)、(h)によれば、先願発明では、利用者が特殊カーテン18(本件特許発明1でいう「仕切スクリーン」)のスリット面を利用して身体の一部である顔や手を出して特殊カーテン18とともに撮像した撮像画像(本件特許発明1でいう「撮影画像」)又は該撮像画像に落書きした編集画像を編集用タッチモニタ13fに表示し、使用者により、合成用画像選択ボタン13uで周景となる合成用画像が選択され、前記撮像画像との合成画像が生成されるのであるから、先願発明が、「仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段」を備えていることは明らかである。 そうすると、本件特許発明1と先願発明とは、いずれも、「撮影領域に存在する被写体を撮影して撮影画像を生成するカメラと、撮影画像を被写体に対して表示するディスプレイと、撮影画像をプリント出力するプリンタとを備え、使用者を含む被写体を撮影してその撮影画像等をプリントする画像撮影装置であって、 上記撮影領域に存在する被写体とカメラとの間に、カメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された画像合成のための仕切スクリーンが設けられ、 上記仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段とをさらに備えたことを特徴とする画像撮影装置。」である点で違いはないと認められる。 以上のとおり、本件特許発明1は先願発明と同一であると認められる。 (2)本件特許発明2について 本件特許発明2は、本件特許発明1を引用して、さらに、「上記撮影画像を表示して、使用者の操作による上記第2画像の入力を受け付ける第2画像受付手段を備える」としたものである。 しかしながら、先願明細書の前記記載(h)によれば、先願発明では、撮像画像又は該撮像画像に落書きした編集画像を編集用タッチモニタ13fに表示し、使用者によって合成用画像選択ボタン13uがタッチされて合成用画像が選択され、前記撮像画像との合成画像が生成されるのであるから、先願発明が、「撮影画像を表示して、使用者の操作による上記第2画像の入力を受け付ける第2画像受付手段」を備えていることは明らかであり、そうすると、本件特許発明2は先願発明と同一であると認められる。 (3)本件特許発明3について 本件特許発明3は、本件特許発明1、2を引用して、さらに、「上記仕切スクリーンよりも被写体側の被写体のバックとなる領域にバックスクリーンが設けられている」としたものである。 しかしながら、先願明細書の前記記載(d)、(e)には、隠蔽空間5を囲繞するループ状の特殊カーテン18が回転移動可能に設けられ、該特殊カーテン18は、幅方向に連結した通常面18h、縦スリット面18i、透明一部模様面18j、横スリット面18kを形成する4枚のカーテンで構成されていること、また、被写体である利用者が特殊カーテン18の縦スリット面18i、横スリット面18kの切れ目から顔や手など体の一部を出して撮像することが記載されていることからすると、被写体である利用者が、前記縦スリット面18iの切れ目から顔や手などを出した状態にあるとき、該切れ目を通して、被写体のバックとなる側に特殊カーテン18の一面(横スリット面18k)がバックスクリーンとして見られることは明らかである。したがって、先願発明は、「仕切スクリーンよりも被写体側の被写体のバックとなる領域にバックスクリーンが設けられている」といえるものであり、当該構成において、本件特許発明3が先願発明と異なるものであるとすることはできない。 (4)本件特許発明4について 本件特許発明4は、本件特許発明3を引用して、さらに、「上記バックスクリーンに、仕切スクリーンのカメラ側面に施された着色とは異なる着色が施されている」としたものである。 先願明細書には、特殊カーテン18の縦スリット面18i、横スリット面18kの色に関して、白色の不透明なカーテンで形成すること、白色に限らず青色や緑色等の他の色で構成してもよい旨の記載はあるものの、特殊カーテン18の縦スリット面18i、横スリット面18kの色を異ならせることについては記載も示唆もない。 上記点に関し、請求人は、先願明細書の段落番号【0089】には、「透明一部模様面18jの星マーク(青色部分)を前景とし、通常面18hを含む透明一部模様面18jの透明部分と被写体以外の部分(白色部分)を背景とする点」が記載されており、先願明細書には、バックスクリーンに仕切スクリーンのカメラ側面に施された着色とは異なる着色が施された点が記載されていると主張している。 しかしながら、先願明細書に記載された上記透明一部模様面18jは、カメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成されたものとはいえず、そうすると、先願明細書に記載された透明一部模様面18jが、本件特許発明4でいう「仕切スクリーン」と対応したものとはいえない。したがって、先願明細書の上記段落番号【0089】の記載をもって、先願明細書には、バックスクリーンに仕切スクリーンのカメラ側面に施された着色とは異なる着色が施された点が記載されているとすることはできない。 したがって、本件特許発明4は先願発明と同一であるとは認められない。 (5)本件特許発明5について 本件特許発明5が本件特許発明1を引用している場合について検討する。 本件特許発明5は、本件特許発明1を引用して、さらに、「画像合成のための仕切スクリーンに形成された開口部は、丸型であり、カメラによる撮影時に被写体を照明する照明手段が、上記仕切スクリーンよりもカメラ側に配置されている」という構成を付加したものである。 しかしながら、前記8.(1)で記載したとおり、特殊カーテン等の風景演出手段に形成されたスリット状の縦方向又は横方向の切り込み、ハート型や星型等の形に刳り貫いて形成した切り込みは、開口部といえ、さらに、先願明細書の前記記載(b)には、カーテン等の周景演出手段は、1以上の切り込み部を備えた幕体を利用することができ、前記切り込み部は、スリット状の縦方向又は横方向の切り込み、ハート型や星型等の形に刳り貫いて形成した切り込みであることを含むとの記載があることからすると、上記ハート型や星型等の形に刳り貫いて形成した切り込みを、丸型という単純な形に刳り貫いて形成した切り込みとすることは、設計上の微差にすぎず、新たな効果を奏するものでもない。 また、先願明細書の前記記載(c)及び図1、図2には、ストロボ照明装置24、拡散板25が、デジタルカメラ14を備えた筐体2に設けられ、筐体2の正面には、特殊スクリーン18が正対している点が記載されており、そうすると、先願発明は、「カメラによる撮影時に被写体を照明する照明手段が、上記仕切スクリーンよりもカメラ側に配置されている」といえる。 したがって、本件特許発明5は先願発明と実質的に同一であると認められる。 (6)本件特許発明8について 本件特許発明8が本件特許発明1を引用している場合について検討する。 本件特許発明8は、本件特許発明1を引用して、さらに、「上記仕切スクリーンが、カメラの撮影範囲をカバーする大きさであり、カメラの撮影範囲に余分なものが写り込まないように設定されている」と限定したものである。 しかしながら、先願明細書の前記記載(c)及び図1には、写真シール自動販売機1は、中央に撮像空間4を有してその奥側(背面側)に筐体2を備え、撮像空間4の手前側(正面側)に特殊カーテン18で囲繞した隠蔽空間5を備え、前記筐体2が備えるスクリーン16pの中央少し上方に被写体を撮像するデジタルカメラ14を備えていること、また、先願明細書の前記記載(a)、(e)、(g)には、特殊カーテン18で形成される被写体以外の白色部分(周景)に対して合成用画像をクロマキー合成し合成画像を作成することが記載されていることからすると、前記特殊カーテン18はカメラの撮影範囲をカバーする大きさであることは明らかであり、また、カメラの撮影範囲に余分なものが写り込まないように設定することは、当業者が設計に当たって普通に採用し得る程度の事項であると認められる。そうすると、前記仕切スクリーンが「カメラの撮影範囲をカバーする大きさであり、カメラの撮影範囲に余分なものが写り込まないように設定されている」とした点は実質的な相違点ではなく、本件特許発明8と先願発明とは実質的に同一といえる。 (7)本件特許発明20について 本件特許発明20と先願発明とを対比すると次のことが認められる。 (ア)先願明細書の前記記載(c)、(f)によれば、先願発明はデジタルカメラ14で使用者を含む被写体を撮像し、その撮像画像をプリンタ20でプリントするのであるから、先願発明は本件特許発明20と同様「使用者を含む被写体を撮影してその撮影画像をプリントする画像プリント作成方法」といえる。 (イ)先願明細書の前記記載(e)、(f)によれば、先願発明では、撮影領域に存在する被写体(利用者)がデジタルカメラ14で撮像し、また、スクリーン16p、撮像用タッチモニタ13gは、被写体に対して撮像した静止画(撮像画像)を表示し、プリンタ20は、その撮像した撮像画像をプリント出力していることからすると、先願発明は、「撮影領域に存在する被写体に撮影させて撮影画像を生成する撮影ステップと、撮影画像を被写体に対して表示する画像表示ステップと、上記撮影画像をプリント出力するプリントステップ」を備えていることは明らかである。 (ウ)先願明細書の前記記載(b)、(d)、(e)によれば、先願発明の特殊カーテン18は、被写体とデジタルカメラ14との間に設けられ、撮影範囲内に被写体を露出させることができるスリット面の切れ目、ハート型や星型等の形に刳り貫いて形成した切り込み(本件特許発明20でいう「開口部」)が形成されており、また、先願明細書の前記記載(g)、(h)によれば、利用者が前記特殊カーテン18のスリット面を利用して身体の一部である顔や手を出して前記特殊カーテン18とともに撮像しているのであるから、先願発明では、「撮影ステップを、撮影領域に存在する被写体とカメラとの間にカメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された仕切スクリーンを設けた状態で実行し」ていることは明らかである。 (エ)先願明細書の前記記載(g)、(h)によれば、先願発明では、利用者が特殊カーテン18のスリット面を利用して身体の一部である顔や手を出して特殊カーテン18とともに撮像した撮像画像又は該撮像画像に落書きした編集画像を編集用タッチモニタ13fに表示し、使用者により、合成用画像選択ボタン13uで周景となる合成用画像が選択され、前記撮像画像との合成画像が生成されるのであるから、先願発明は、「仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成」していることは明らかである。 そうすると、本件特許発明20と先願発明とは、いずれも、「使用者を含む被写体を撮影してその撮影画像をプリントする画像プリント作成方法であって、撮影領域に存在する被写体に撮影させて撮影画像を生成する撮影ステップと、撮影画像を被写体に対して表示する画像表示ステップと、上記撮影画像をプリント出力するプリントステップとを備え、上記撮影ステップを、撮影領域に存在する被写体とカメラとの間にカメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された仕切スクリーンを設けた状態で実行し、上記仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成することを特徴とする画像撮影方法」である点で違いはなく、本件特許発明20は先願発明と同一であると認められる。 9.むすび 以上のとおり、本件特許発明1ないし3、5、8、20は先願発明と同一であると認められ、しかも、本件特許発明の発明者が上記先願明細書に記載された発明者と同一でなく、また本件特許発明の出願の時に、その出願人が上記先願明細書に記載された出願人と同一でもないので、本件特許発明1ないし3、5、8、20は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであり、同法第123条第1項第2号の規定に該当するから、その特許は無効とすべきものである。 また、本件特許発明4の特許については、無効とすべき理由を発見しない。 よって結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 画像撮影装置および方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 撮影領域に存在する被写体を撮影して撮影画像を生成するカメラと、撮影画像を被写体に対して表示するディスプレイと、撮影画像をプリント出力するプリンタとを備え、使用者を含む接写体を撮影してその撮影画像等をプリントする画像撮影装置であって、 上記撮影領域に存在する被写体とカメラとの間に、カメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された画像合成のための仕切スクリーンが設けられ、 上記仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段とをさらに備えたことを特徴とする画像撮影装置。 【請求項2】 上記撮影画像を表示して、使用者の操作による上記第2画像の入力を受け付ける第2画像受付手段を備える請求項1記載の画像撮影装置。 【請求項3】 上記仕切スクリーンよりも被写体側の被写体のバックとなる領域にバックスクリーンが設けられている請求項1または2記載の画像撮影装置。 【請求項4】 上記バックスクリーンに、仕切スクリーンのカメラ側面に施された着色とは異なる着色が施されている請求項3記載の画像撮影装置。 【請求項5】 画像合成のための仕切スクリーンに形成された開口部は、丸型であり、 カメラによる撮影時に被写体を照明する照明手段が、上記仕切スクリーンよりもカメラ側に配置されている請求項1~4のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項6】 上記カメラによる撮影動作の操作入力を行うコントローラーが、上記仕切スクリーンよりも被写体側に配置されている請求項1~5のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項7】 撮影操作等の案内情報を音声出力する音声出力装置が、上記仕切スクリーンよりも被写体側に配置されている請求項1~6のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項8】 上記仕切スクリーンが、カメラの撮影範囲をカバーする大きさであり、カメラの撮影範囲に余分なものが写り込まないように設定されている請求項1~7のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項9】 上記仕切スクリーンが複数種類備えられて使用者により変更可能になっている請求項1~8のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項10】 上記仕切スクリーンに開口部が複数設けられている請求項1~8のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項11】 カメラによる撮影範囲の切り替えにより撮影する開口部を変更可能になっている請求項10記載の画像撮影装置。 【請求項12】 上記仕切スクリーンの開口部を覆うカバー部材を備えている請求項1~11のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項13】 上記仕切スクリーンの前での撮影と後での撮影とが可能となっている請求項12記載の画像撮影装置。 【請求項14】 第2画像受付手段が、仕切スクリーンの前で撮影した撮影画像に対する第2画像の入力を受け付けるものと、仕切スクリーンの後で撮影した撮影画像に対する第2画像の入力を受け付けるものとの2つ設けられている請求項13記載の画像撮影装置。 【請求項15】 仕切スクリーンより被写体側の開口部近傍に、撮影の際に被写体が姿勢を支持するための姿勢支持部材が設けられている請求項1~14のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項16】 上記仕切スクリーンが伸縮可能な幕状部材から形成され、開口部が拡大縮小可能に構成されている請求項1~15のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項17】 上記仕切スクリーンは幕状部材から形成され、上記開口部が幕状部材の下端から上方に向かって延びる切れ込み状に形成されている請求項1~16のいずれか一項に記載の画像撮影装置。 【請求項18】 上記切れ込み状の開口部の下側寄り部分を着脱可能に係止する係止部材が設けられている請求項17記載の画像撮影装置。 【請求項19】 上記切れ込み状の開口部は、隣り合う幕状部材が重なる領域を有している請求項17または18記載の画像撮影装置。 【請求項20】 使用者を含む被写体を撮影してその撮影画像をプリントする画像プリント作成方法であって、撮影領域に存在する被写体に撮影させて撮影画像を生成する撮影ステップと、撮影画像を被写体に対して表示する画像表示ステップと、上記撮影画像をプリント出力するプリントステップとを備え、上記撮影ステップを、撮影領域に存在する被写体とカメラとの間にカメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された仕切スクリーンを設けた状態で実行し、上記仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成することを特徴とする画像撮影方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ゲームセンター等に設置され、硬貨等の投入により使用者を撮影し、撮影画像をプリントして販売する写真自販機等に代表される画像撮影装置および方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、ゲームセンター等において、写真を撮影してシールプリント等にする写真自販機が数多く設置されている。このような写真自販機としては、一般に、図29に示すようなものが用いられている。このものは、内部および前面に各種の装置が設けられた筐体1と、上記筐体1の上下から使用者である被写体2の背後まで達するように突き出された支柱3とを備えている。 【0003】そして、上記両支柱3の先端部分に、撮影の際の背景となるカーテン5が吊設され、上記筐体1,支柱3,カーテン5で囲まれた空間が、被写体2の撮影用ブースを形成している。上側の支柱3には、撮影用ブース内の被写体2を照射する2つのライト4が取り付けられている。 【0004】上記筐体1の内部には、被写体2を撮影するカメラ6が設けられている。上記筐体1のカメラ6の被写体2側に位置する面には、透明板10が嵌め込まれている。また、上記筐体1の内部には、上記カメラ6から画像データを受信して画像合成等の処理を行うコンピュータ装置7が設けられている。また、上記筐体1の被写体2側には、上記コンピュータ装置7から送信された合成画像等の画像信号を受信して画像を表示するディスプレイ8が設けられている。 【0005】さらに、上記筐体1の内部には、コンピュータ装置7から送信された画像データを受信し、この画像をプリント媒体14に印刷するプリンタ9が設けられている。このプリンタ9で印刷されたプリント媒体14は、筐体1に形成された送出口13から送出されるようになっている。 【0006】さらに、上記筐体1の前面には操作パネルが設けられ、この操作パネルにコントローラ11が設けられている。上記コントローラ11は、タッチペン12を備え、使用者2が上記タッチペン12の先端をディスプレイ8の表面に接触させて文字や図形等を描いて入力しうるようになっており、手書き入力された文字・図形等の画像データやスタンプ画像等が、カメラ6で撮影された被写体2の撮影画像と合成されてディスプレイ8に表示され、プリント媒体14に印刷されるようになっている。 【0007】このような写真自販機として出願人が把握している先行技術文献としては、下記のようなものが存在する。 【特許文献1】実用新案登録第3047910号 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上記写真自販機では、単に撮影用ブース内に入った被写体2を撮影するだけであるため、撮影画像には、バックに吊設されたカーテン5と被写体2が写り込むにすぎず、得られる撮影画像は極めて画一的で変化に乏しい。近年のように、写真自販機が多くのユーザに利用されている現状では、画一的な撮影画像しか得られないようでは、ユーザの多様なニーズに十分応えられない。 【0009】本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、被写体とカメラの間に開口部が形成された仕切スクリーンを設け、上記開口部から露出した被写体を撮影することにより特殊な撮影効果を得ることができる画像撮影装置および方法の提供を目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の画像撮影装置は、撮影領域に存在する被写体を撮影して撮影画像を生成するカメラと、撮影画像を被写体に対して表示するディスプレイと、撮影画像をプリント出力するプリンタとを備え、使用者を含む被写体を撮影してその撮影画像等をプリントする画像撮影装置であって、上記撮影領域に存在する被写体とカメラとの間に、カメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された画像合成のための仕切スクリーンが設けられ、上記仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段とをさらに備えたことを要旨とする。 【0011】すなわち、本発明の画像撮影装置は、上記撮影領域に存在する被写体とカメラとの間に、カメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された仕切スクリーンが設けられている。このため、上記仕切スクリーンの開口部から被写体の身体の一部等を露出させた状態で、被写体の開口部から露出した部分を開口部や仕切スクリーンとともに撮影することにより、被写体の前景として仕切スクリーンや開口部が写り込む。そして、例えば開口部を窓のような形状にすることにより、窓から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような画像を撮影でき、従来では不可能であった特殊な撮影結果を得ることができる。 【0012】また、上記画像撮影装置は、上記撮影画像と第2画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段とをさらに備えるため、被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成することが容易にできるようになる。そして、例えば開口部を窓のような形状にすることにより、窓から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような画像を撮影でき、前景として写り込んだ窓の周辺部分に中世の宮殿のような装飾画像を合成する等、従来では不可能であった特殊な画像を得ることができる。 【0013】本発明の画像撮影装置において、上記撮影画像を表示して、使用者の操作による上記第2画像の入力を受け付ける第2画像受付手段を備える場合には、被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に、利用者所望の第2画像を入力できる。 【0014】本発明の画像撮影装置において、上記仕切スクリーンよりも被写体側の被写体のバックとなる領域にバックスクリーンが設けられている場合や、上記バックスクリーンに、仕切スクリーンのカメラ側面に施された着色とは異なる着色が施されている場合には、仕切スクリーンの開口部に写り込むバックスクリーンが区別されて開口部の形状がはっきりわかるように写るため、開口部が形成された仕切スクリーンを使用した撮影効果が顕著に表れた撮影結果が得られる。 【0015】この場合において、例えば、上述したような第2画像受付手段と画像合成手段とを備え、上記仕切スクリーンのカメラ側面に画像合成のために適当な着色を施すとともに、バックスクリーンにはそれ以外の着色を施すことができる。このようにすることにより、例えば、開口部を窓のような形状にして窓から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような画像を撮影でき、前景として写り込んだ仕切スクリーンに中世の宮殿のような装飾画像を合成する等、従来では不可能であった特殊な画像を得ることができる。 【0016】また、反対に、例えば、上述したような第2画像受付手段と画像合成手段とを備え、上記バックスクリーンのカメラ側面に画像合成のために適当な着色を施すとともに、仕切スクリーンにはそれ以外の着色を施すことができる。このようにすることにより、例えば、開口部を窓のような形状にすることにより、窓から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような画像を撮影でき、背景として写り込んだバックスクリーンに宮殿の内部のような装飾画像を合成する等、従来では不可能であった特殊な画像を得ることができる。 【0017】本発明の画像撮影装置において、カメラによる撮影時に被写体を照明する照明手段が、上記仕切スクリーンよりもカメラ側に配置されている場合には、仕切スクリーンの開口部から露出した被写体を照明すると同時に、仕切スクリーンのカメラ側の面も照明することができる。したがって、被写体だけでなく仕切スクリーンもまんべんなく照明されてきれいに撮影できる。 【0018】この場合において、例えば、上述したような第2画像受付手段と画像合成手段とを備え、上記仕切スクリーンのカメラ側面に画像合成のために適当な着色を施すとともに、バックスクリーンにはそれ以外の着色を施すことができる。このようにすることにより、例えば、仕切スクリーンに装飾画像を合成する際に、仕切スクリーンが均一に照明されているため、きれいな合成画像を得られる。 【0019】本発明の画像撮影装置において、上記カメラによる撮影動作の操作入力を行うコントローラーが、上記仕切スクリーンよりも被写体側に配置されている場合には、使用者は撮影操作を仕切スクリーンの手前で行うことができ、仕切スクリーンが操作のじゃまにならず、操作性がよくなるとともに自由度の高いポーズをきめることができる。 【0020】本発明の画像撮影装置において、撮影操作等の案内情報を音声出力する音声出力装置が、上記仕切スクリーンよりも被写体側に配置されている場合には、案内情報の音声が仕切スクリーンに邪魔されずに使用者に届く。このため、使用者は案内情報をはっきりと聞き取れて操作に戸惑うことが少なくなる。また、音声出力も比較的低出力ですむことから、低出力用の機器が使用できて装置コストを抑えるとともにエネルギーも節約できる。 【0021】本発明の画像撮影装置において、上記仕切スクリーンが、カメラの撮影範囲をカバーする大きさに設定されている場合には、撮影範囲に余分なものが写り込まずすっきりとした撮影画像が得られ、装飾画像を合成する際にも合成をきれいに行うことができる。 【0022】本発明の画像撮影装置において、上記仕切スクリーンが複数種類備えられて使用者により変更可能になっている場合には、例えば、開口部の開口形状が異なる仕切スクリーンや色彩・模様等が異なる仕切スクリーンを複数種類準備し、それらを変更して撮影することにより、使用者の好みにあった異なる趣の撮影画像を容易に提供できるようになる。 【0023】本発明の画像撮影装置において、上記仕切スクリーンに開口部が複数設けられている場合や、それとともに、カメラによる撮影範囲の切り替えにより撮影する開口部を変更可能になっている場合には、例えば、開口形状が異なる開口部や、開口部周辺の色彩・模様等が異なる開口部を複数種類準備し、撮影する開口部を変更することにより、使用者の好みにあった異なる趣の撮影画像を容易に提供できるようになる。 【0024】本発明の画像撮影装置において、上記仕切スクリーンに開口部が複数設けられている場合や、それとともに、使用しない開口部を覆うカバー部材を備えている場合には、例えば複数人で利用する際、各利用者(被写体)がそれぞれ開口部から顔を出して撮影を行うことができる。そして、使用しない開口部をカバー部材で覆うことにより不要な開口部を隠し、すっきりしたきれいな撮影画像を得ることができる。 【0025】この場合において、例えば、上述したような第2画像受付手段と画像合成手段とを備え、上記仕切スクリーンおよびカバー部材の双方のカメラ側面に画像合成のために適当な着色を施すことができる。このようにすることにより、例えば、仕切スクリーンに装飾画像を合成する際に、使用していない開口部がきれいに消えた合成画像が生成される。 【0026】本発明の画像撮影装置において、上記仕切スクリーンの開口部を覆うカバー部材を備えている場合や、上記仕切スクリーンの前での撮影と後での撮影とが可能となっている場合には、開口部を利用した撮影を希望しないユーザのニーズにも応えることができる。この場合において、仕切スクリーンとカバー部材の両方に合成用着色を施すことにより、撮影画像上で消せるため、仕切スクリーンとカメラの間のカメラ側空間に被写体が入って仕切スクリーンをバックスクリーンのようにして撮影を行うことも可能になる。 【0027】本発明の画像撮影装置において、第2画像受付手段が、仕切スクリーンの前で撮影した撮影画像に対する第2画像の入力を受け付けるものと、仕切スクリーンの後で撮影した撮影画像に対する第2画像の入力を受け付けるものとの2つ設けられている場合には、仕切スクリーンを背景とした撮影と、仕切スクリーンから身を乗り出した撮影の両方を1台の装置で実現することができる。この場合において、同時に2組の使用者2がプレイを行えるように構成することにより、顧客の回転率を高めることができる。 【0028】本発明の画像撮影装置において、仕切スクリーンより被写体側の開口部近傍に、撮影の際に被写体が姿勢を支持するための姿勢支持部材が設けられている場合には、開口部から被写体が乗り出して撮影するときに姿勢を支持しやすくなり、安全性も高くなる。また、この場合において、仕切スクリーンを幕状とすることにより、幕状の仕切スクリーンが破れやすいことから、仕切スクリーンにかかる負荷が少なくなって仕切スクリーンの破損を防止する効果が顕著となる。 【0029】本発明の画像撮影装置において、上記仕切スクリーンが伸縮可能な幕状部材から形成され、開口部が拡大縮小可能に構成されている場合には、例えば開口部を広げて被写体の半身をカメラ側に挿入し、幕から半身が飛び出したような状態で撮影を行うことにより、特殊な撮影効果を得ることができる。 【0030】この場合において、例えば、上述したような第2画像受付手段と画像合成手段とを備え、上記幕状の仕切スクリーンのカメラ側面に画像合成のために適当な着色を施すことができる。このようにすることにより、合成する装飾画像から半身が飛び出したような特殊な画像を得ることができる。 【0031】本発明の画像撮影装置において、上記仕切スクリーンは幕状部材から形成され、上記開口部が幕状部材の下端から上方に向かって延びる切れ込み状に形成されている場合には、利用者(被写体)が開口部から顔等の身体の一部を露出させる際に、切れ込み状の開口部を左右に開いて露出させた顔等の下の部分で引寄せることで容易に撮影に臨むことができる。また、被写体が縦に並んで顔等を露出させてトーテムポールのような画像を撮影することも容易に行なえ、撮影プレイの楽しみが増加する。しかも、開口部が下端から上方に向かう切れ込み状であるため、誤って首が絞まってしまうような事故を未然に防止でき、安全性が高くなる。 【0032】本発明の画像撮影装置において、上記切れ込み状の開口部の下側寄り部分を着脱可能に係止する係止部材が設けられている場合には、利用者(被写体)が開口部から顔等の身体の一部を露出させる際に、切れ込み状の開口部を左右に開いて露出させた顔等の下の部分で幕状部材を引寄せたときに、上記係止部材で引寄せた部分を係止することにより、顔等を露出させた状態を維持でき、撮影カットが複数となって、顔等を露出する状態を長時間維持する場合でも、利用者の疲れが少なくなる。また、係止部材は着脱可能で容易に離れるため、誤って首が絞まってしまうような事故を未然に防止でき、安全性が高くなる。 【0033】本発明の画像撮影装置において、上記切れ込み状の開口部は、隣り合う幕状部材が重なる領域を有している場合には、利用者(被写体)が開口部から顔等の身体の一部を露出させた際に、切れ込み状の開口部を左右に開いて露出させた顔等の下の部分で幕状部材を引寄せたときに、上記重なる領域の存在により、幕状部材の後に隠れている部分が見えにくくなり、合成する場合の合成むら等の発生を防止し、見映えのよい美麗な画像を得ることができる。 【0034】本発明の画像撮影方法は、使用者を含む被写体を撮影してその撮影画像をプリントする画像プリント作成方法であって、撮影領域に存在する被写体に撮影させて撮影画像を生成する撮影ステップと、撮影画像を被写体に対して表示する画像表示ステップと、上記撮影画像をプリント出力するプリントステップとを備え、上記撮影ステップを、撮影領域に存在する被写体とカメラとの間にカメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された仕切スクリーンを設けた状態で実行し、上記仕切スクリーンの開口部から露出された被写体の身体の一部を開口部や仕切スクリーンとともに撮影した撮影画像に被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成して合成画像を生成することを要旨とする。 【0035】すなわち、上記撮影領域に存在する被写体とカメラとの間に、カメラの撮影範囲内に被写体を露出させることができる開口部が形成された仕切スクリーンが設けられている。このため、上記仕切スクリーンの開口部から被写体の身体の一部等を露出させた状態で、被写体の開口部から露出した部分を開口部や仕切スクリーンとともに撮影することにより、被写体の前景として仕切スクリーンや開口部が写り込む。そして、例えば開口部を窓のような形状にすることにより、窓から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような画像を撮影でき、従来では不可能であった特殊な撮影結果を得ることができる。 【0036】また、上記画像撮影装置は、上記撮影画像と第2画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段とをさらに備えているため、被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成することが容易にできるようになる。 【0037】そして、例えば開口部を窓のような形状にすることにより、窓から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような画像を撮影でき、前景として写り込んだ窓の周辺部分に中世の宮殿のような装飾画像を合成する等、従来では不可能であった特殊な画像を得ることができる。 【0038】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。 【0039】図1は、本発明の画像撮影装置の一実施の形態を示す図である。この画像撮影装置は、内部および表面に各種の装置が設けられた筐体1と、上記筐体1の上下から被写体2の背後まで達するように突き出された支柱3とを備えている。 【0040】上記両支柱3の先端部分すなわち被写体2の背後に、撮影の際の背景となるバックスクリーン21が設けられている。また、上側の支柱3には天井幕が張設され(図示せず)、左右には側壁が設けられている(手前側の側壁は図示していない)。そして、上記筐体1,支柱3(天井幕),バックスクリーン21,側壁で囲まれた空間がプレイ用のブースを形成している。 【0041】上記筐体1の前面には、対価としての硬貨を投入する硬貨投入口(図示せず)が設けられ、硬貨の投入を検出することによりプレイ動作が開始されるようになっている。 【0042】上記筐体1の内部には、プレイ動作の開始により被写体2を撮影するカメラ6が設けられている。上記筐体1のカメラ6の被写体2側に位置する面には、透明板10が嵌め込まれるとともに、上記カメラ6で撮像された画像を被写体2に対してリアルタイム表示するディスプレイ17が設けられている。 【0043】また、上記筐体1の内部には、上記カメラ6を制御して撮影動作を行わせたり、上記カメラ6から撮影画像の画像データを受信して画像合成等の処理を行ったりするコンピュータ装置7が設けられている。 【0044】また、上記筐体1の被写体2側には、上記コンピュータ装置7から送信された画像信号を受信して表示するとともに、タッチペン12による操作信号を受け付ける液晶タブレット16が設けられている。 【0045】上記液晶タブレット16は、液晶表示装置等の表示装置を備え、使用者2に対する操作案内や操作指示等の情報が表示される。また、上記液晶タブレット16は、タッチパネル等の入力装置を備え、上記操作指示に従って使用者2が液晶タブレット16の表面にタッチペン12の先端を接触させることにより、プレイ制御のための各種の操作信号を受け付けてコンピュータ装置7に送るようになっている。これにより、後述する各種の操作が行われる。 【0046】また、上記液晶タブレット16には、撮影画像が表示されるとともに、タッチペン12の先端を表面に接触させて手書き入力された文字や図形等の画像データやスタンプ画像等(本発明の第2画像である)を受け付けるようになっている。すなわち、上記液晶タブレット16は本発明の第2画像受付手段として機能する。ここで入力された手書き画像等は、コンピュータ装置7により撮影画像と合成されて液晶タブレット16に表示される。すなわち、上記コンピュータ装置7は本発明の画像合成手段として機能する。 【0047】さらに、上記筐体1の内部には、コンピュータ装置7から送信された撮影画像や合成画像等の画像データを受信し、この画像を本発明のプリント媒体14に印刷するプリンタ9が設けられている。このプリンタ9で印刷されたプリント媒体14は、本発明の画像プリントとして筐体1前面に形成された送出口13から送出されるようになっている。 【0048】上記ブースはカメラ6による撮影領域を含み、上記ブースの天井部の支柱3には、その撮影領域に存在する被写体2とカメラ6との間の位置に、ブースをカメラ側空間Aとバック側空間Bとに仕切る幕状の仕切スクリーン22が吊設されている。上記仕切スクリーン22は、この例では巻上ケース24に巻上げ収納することができるロールスクリーンであり、図2に示すように、カメラ6による撮影範囲25内に被写体2を露出させることができる開口部23が形成されている。図において26は仕切スクリーン22の下端部に取り付けられた重錘である。 【0049】上記仕切スクリーン22は、カメラ6と仕切スクリーン22との距離やカメラ6で使用されるレンズの画角等に応じ、カメラ6の撮影範囲25をカバーする大きさに設定されている。このようにすることにより、撮影範囲25に余分なものが写り込まずすっきりとした撮影画像が得られ、手書き画像等の装飾画像を合成する際にも合成をきれいに行うことができる。 【0050】上記開口部23は、この例では、上部が円弧状で下部が方形状の窓状を呈しており、被写体2は上記窓状の開口部23から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしてカメラ6に向かってポーズをとり、写真撮影できるようになっている。なお、図2は仕切スクリーン22をカメラ側空間Aから見た状態を示している。上記仕切スクリーン22の開口部23の開口縁部には、開口部23の開口形状を保持する開口形状保持部材27が取りつけられている。この開口形状保持部材27は、樹脂やフェルト等の破損しにくい素材から形成するのが好ましい。また、上記開口形状保持部材27を仕切スクリーン22から着脱可能に取り付けて破損した場合に交換できるようにすることもできる。このようにすることにより、破損したときに、仕切スクリーン22と開口形状保持部材27との双方を交換するのではなく、いずれか破損した方だけを交換することが可能となり、経済的である。 【0051】この例では、上記仕切スクリーン22(巻上ケース24)は、開口部23の開口形状が異なるものが複数種類(図では3種類)取り付けられており、使用者2が自分の好みに応じて使用する仕切スクリーン22を選択することにより変更して撮影できるようになっている。図3には、開口部23の開口形状が丸型である仕切スクリーン22の第2例を示したが、開口部23の形状はこれらに限定されるものではなく、例えば三角形や四角形,卵型,切れ目状等、各種の形状・態様を採ることができる。 【0052】また、この装置では、上記仕切スクリーン22より被写体2側の部分に、撮影の際に被写体2がつかまる等して姿勢を支持するための姿勢支持部材15が設けられている。この例では、上記姿勢支持部材15は、H型に形成されてH型の上部のコ字状を呈する部分が開口部23の下側と左右両側とに位置するようになっている。このように、姿勢支持部材15を開口部23の左右と下側とに存在させたことにより、開口部23から被写体2が乗り出して撮影するときに姿勢を支持しやすくなり、安全性も高くなる。 【0053】また、この例では、仕切スクリーン22が幕状であることから、姿勢支持部材15を存在させることにより、開口部23から被写体2が乗り出して撮影する際に、仕切スクリーン22にかかる負荷がほとんどなくなり、仕切スクリーン22の破損を防止できる。また、開口部23の上側には姿勢支持部材15を存在させていないことから、撮影時に被写体2が頭を打ち付ける危険が減少して安全性がより高くなる。 【0054】上記画像撮影装置では、カメラ6による撮影動作の操作入力を行うコントローラー18が、仕切スクリーン22よりも被写体2側のバック側空間Bに配置されている。このコントローラ18で行う撮影操作としては、例えば、カメラ6の移動,切り換え,ズーミング等の構図を決める操作や、シャッター操作、仕切スクリーン22の選択操作等があげられる。このようにすることにより、使用者2は撮影操作を仕切スクリーン22の手前で行うことができ、仕切スクリーン22が操作のじゃまにならず、操作性がよくなるとともに自由度の高いポーズをきめることができる。 【0055】また、上記画像撮影装置では、撮影操作等の案内情報を音声出力する音声出力装置であるスピーカ29が、仕切スクリーン22よりも被写体2側のバック側空間Bに配置されている。このようにすることにより、案内情報の音声が仕切スクリーン22に邪魔されずに使用者2に届き、使用者2は案内情報をはっきりと聞き取れて操作に戸惑うことが少なくなる。また、音声出力も比較的低出力ですむことから、低出力用の機器が使用できて装置コストを抑えるとともに、エネルギーも節約できる。 【0056】この例において、上記仕切スクリーン22のカメラ6側の面に、画像合成のために適当な着色(例えばブルー)を施すことができる。このようにすることにより、被写体2の前景として写り込んだ仕切スクリーン22の部分に、手書き画像等の装飾画像を容易かつきれいに合成することができる(図2参照)。そして、例えば、前景として写り込んだ窓状の周辺部分に中世の宮殿のような装飾画像を合成する等、従来では不可能であった特殊な画像を得ることができる。 【0057】この場合において、上記バックスクリーン21に、仕切スクリーン22のカメラ側面に施されたブルー等の合成用着色と異なる着色を施すことにより、仕切スクリーン22の開口部23内に写り込むバックスクリーン21が明瞭に区別され、開口部23の形状がはっきりわかるように写るため、この仕切スクリーン22を使用した撮影効果が顕著に表れる。すなわち、上記バックスクリーン21は、少なくとも開口部23のカメラ6から撮影される範囲をカバーする大きさに設定する必要がある。 【0058】また、反対に、バックスクリーン21のカメラ6側の面に画像合成のために適当なブルー等の着色を施すとともに、仕切スクリーン22にはそれ以外の着色を施すこともできる。このようにすることにより、例えば、窓状の開口部23から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような撮影画像において、背景として写り込んだバックスクリーン21に宮殿の内部のような装飾画像を合成するような特殊な画像を得ることができる。 【0059】さらに、上記仕切スクリーン22やバックスクリーン21には、開口部23の形状を利用した装飾的な画像をあらかじめ描いておくこともできる。このようにすることにより、開口部23と、この開口部23の形状を利用した装飾的な画像とが被写体2とともに写り込むため、装飾効果に優れた写真を提供できる。 【0060】また、上記画像撮影装置には、カメラ側空間Aの天井部の支柱3に、仕切スクリーン22のカメラ6側の面に向かって照明光を照射する前側照明19が設けられている。このように、仕切スクリーン22よりもカメラ6側に配置された前側照明19で撮影時に被写体2を照明することにより、仕切スクリーン22の開口部23から露出した被写体2を照明すると同時に、仕切スクリーン22のカメラ6側の面もまんべんなく照明されてきれいに撮影でき、仕切スクリーン22に装飾画像を合成する際にもきれいな合成画像を得られる。 【0061】また、上記画像撮影装置には、バック側空間Bの天井部の支柱3に、バックスクリーン21の被写体2側の面を照明するバック側照明20が設けられている。このようにすることにより、バックスクリーン21も均一に照明できて、バックスクリーンに合成用着色を施した場合に、バックスクリーン21への合成がきれいにできる。また、仕切スクリーン22に合成用着色を施し、バックスクリーン21にそれ以外の着色を行う場合でも、バックスクリーン21の着色がきれいに写り込んで良質の撮影画像を得ることができる。 【0062】上記画像撮影装置を用い、例えばつぎのようにして本発明の画像撮影方法が実行される。 【0063】まず、使用者2が最初の硬貨を投入すると、カメラ6による被写体2の撮像が開始され、ディスプレイ17に撮像映像が動画としてリアルタイムで表示される。ついで、使用者2は、天井部に取り付けられたロールスクリーンのうち所望の形状の開口部23を有する仕切スクリーン22を引き出し、開口部23から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしてポーズをきめる。 【0064】つぎに、使用者2がディスプレイ17の表示画像を見ながら被写体2の位置調整を完了した後に、コントローラ18を用いて画面の指示に従ってシャッタ操作の操作信号を入力すると、使用者2にポーズをとるよう指示し、それから所定時間のカウントダウン後に、所定の瞬間の撮像映像が静止画像として固定され、コンピュータ装置7に送られる。このとき、ディスプレイ17には、そのときの撮影画像が静止画像として表示される。 【0065】ここで得られた撮影画像が気にいらなければ、コントローラ18の操作によりキャンセルして所定回数まで取り直しを行うことができる。取り直しを行うかわりに、複数ショットの撮影を連続して行い、そのなかから使用者2が気に入った撮影画像を1枚または複数枚選択するようにしてもよい。これら一連の撮影プレイの音声ガイドは、仕切スクリーン22より被写体2側のスピーカ29から流される。 【0066】撮影プレイが終了すると、撮影画像が液晶タブレット16に表示され、ペン入力画像を入力するお絵描きプレイが開始される。お絵描きプレイとしては、例えば、タッチペン12による手書き画像の入力やスタンプ画像の入力等が行われる。 【0067】そして、手書き画像等の入力は、タイマによる制限時間が管理されており、あらかじめ設定された所定の入力可能時間(例えば90秒等)に達するまで続けられる。このとき、撮影画像は、図2に示す撮影範囲25の枠内の映像であり、主として、被写体2と開口部23の周辺に写り込んだ仕切スクリーン22の部分に手書き画像の入力を行うことができる。 【0068】そして、お絵描きプレイが終了すると、印刷の際のシートレイアウトの選択が行われ、合成画像の画像データがプリンタ9に送られ、印刷が開始される。そして、被写体2の撮影画像とペン入力画像等が合成された合成画像が印刷されたプリント媒体14が送出される。 【0069】このように、上記画像撮影装置および方法によれば、仕切スクリーン22の開口部23から被写体2の身体の一部等を露出させた状態で、被写体2の開口部23から露出した部分を開口部23や仕切スクリーン22とともに撮影することにより、被写体2の前景として仕切スクリーン22や開口部23が写り込む。そして、例えば開口部23を窓のような形状にすることにより、窓から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような画像を撮影でき、従来では不可能であった特殊な撮影結果を得ることができる。 【0070】そして、上記画像撮影方法は、コンピュータ装置7で実行されるプログラムによって実現され、上記プログラムは、CD-ROM等の記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されて提供されたり、あるいは通信回線等を介して提供される。 【0071】図4は、上記画像撮影装置および方法に用いる仕切スクリーン22の第3例を示す。この仕切スクリーン22は、窓状の開口部23の部分に、被写体2側(すなわち図では仕切スクリーン22の裏側)から開口部23を覆うカバー部材32が取り付けられている。上記カバー部材32は、中央に上下に延びる切れ目31が設けられ、被写体2は切れ目31に身体をくぐらせてカメラ6に臨み撮影を行う。このとき、繰り返し使用によりカバー部材32が傷みやすいため、上記カバー部材32は、マジックテープ(登録商標)のような着脱テープ33により着脱および交換が可能になっている。なお、着脱テープ33ではなくファスナー等の他の方法で取り付けるようにしてもよい。 【0072】上記カバー部材32は、仕切スクリーン22と同様に合成用の着色を施すことができる。このようにすることにより、切れ目31からカメラ6側に露出した被写体2の部分以外は、合成用着色がされた仕切スクリーン22とカバー部材32であり、撮影画像上で消せるため、特殊な撮影効果を得ることができる。 【0073】また、仕切スクリーン22とカバー部材32の両方に合成用着色を施すことにより、撮影画像上で消せるため、仕切スクリーン22とカメラの間のカメラ側空間Aに被写体2が入って仕切スクリーン22をバックスクリーンのようにして撮影を行うことも可能になる。このように、被写体2の選択により仕切スクリーン22の前後での撮影を可能にすることにより、開口部23を利用した撮影を希望しないユーザのニーズにも応えることができる。なお、上記カバー部材32は、仕切スクリーン22と異なる着色としてもよいし、透明フィルムを用いることもできる。それ以外は、図2に示すものと同様であり、同様の作用効果を奏する。 【0074】図5は、上記画像撮影装置および方法に用いる仕切スクリーン22の第4例を示す。この仕切スクリーン22は、撮影範囲25内に複数の開口部23が設けられている。上記各開口部23の部分には、被写体2側(すなわち図では仕切スクリーン22の裏側)からそれぞれの開口部23を覆うカバー部材32が取り付けられている。上記カバー部材32は、マジックテープ(登録商標)のような着脱テープ33(図示せず)により着脱および交換が可能になっている。この例では、バックスクリーン21は、すべての開口部23のカメラ6から撮影される範囲をカバーする必要がある。 【0075】上記カバー部材32は、仕切スクリーン22と同様に合成用の着色を施すことができる。そして、撮影に必要な開口部23だけカバー部材32を外して被写体2が顔等を覗かせ、使用しない開口部23はカバー部材32で閉じておくことができる。このようにすることにより、使用しない開口部23は、合成用着色のカバー部材32により隠れて撮影画像上で消せるため、すっきりしたきれいな撮影画像を得ることができる。 【0076】なお、使用しない開口部23は、上述したようにカバー部材32で隠すことができるが、それ以外またはカバー部材32の使用と併用し、カメラ6のズーミングや撮影後のトリミング処理等により画像のフレームから外すようにすることもできる。これは、以下に説明する例でも同様であるので説明は省略する。また、上記カバー部材32は、仕切スクリーン22と異なる着色としてもよい。それ以外は、図2に示すものと同様であり、同様の作用効果を奏する。 【0077】図6は、上記画像撮影装置および方法に用いる仕切スクリーン22の第5例を示す。この仕切スクリーン22は、ニット地等の伸縮性を有する幕状部材から形成され、撮影範囲25内に複数の開口部23が設けられている。そして、各開口部23の開口縁部には、伸縮紐部材であるゴム34が縫い付けられ、開口部23を拡大縮小しうるようになっている。このようにすることにより、例えば開口部23を広げて被写体2の半身をカメラ6側に挿入し、幕から半身が飛び出したような状態で撮影を行うことにより、特殊な撮影効果を得ることができる。 【0078】さらに、仕切スクリーン22が伸縮性を有する幕状部材から形成されているため、被写体2が開口部23から半身を飛び出させた場合に、開口部23の開口縁部が被写体2の身体にぴったりとフィットし、バックスクリーン21等のよけいなものが開口部23から写らなくなる。このため、仕切スクリーン22の部分への装飾画像の合成が行いやすくなる。この場合バックスクリーン21を省略してもよい。 【0079】また、この例では、使用しない開口部23を隠すためのカバースクリーン35およびそれを巻上収納する巻上ケース36が取り付けられている。図において37は引き手である。このカバースクリーン35は、仕切スクリーン22と同様に合成用の着色が施される。このようにすることにより、使用しない開口部23は、合成用着色のカバースクリーン35により隠れて撮影画像上で消せるため、すっきりしたきれいな撮影画像を得ることができる。 【0080】この例において、カバースクリーン35は、操作性を考慮すると仕切スクリーン22よりも被写体2側に取り付けるのが好ましいが、必ずしもそうする必要はなく、仕切スクリーン22よりもカメラ6側に取り付けても良い。それ以外は、図2に示すものと同様であり、同様の作用効果を奏する。 【0081】図7は、本発明の第2の実施の形態の画像撮影装置および仕切スクリーン22の第6例を示す。この例では、液晶タブレット16,タッチペン12,プリント媒体14の送出口13が、筐体1の被写体2側の面ではなく側面に設けられている。そして、仕切スクリーン22は、幕状のロールスクリーンではなく、体重をかけても変形しない板状体から形成され、被写体2が撮影の際にもたれかかっても倒れないよう支持部材28でしっかりと支持されている。なお、この板状体からなる仕切スクリーン22において、開口部23に透明板を嵌め込むこともできる。 【0082】また、被写体2の背後には、バックスクリーン21の代わりにカーテン5が吊設され、撮影領域に図1に示すもののようなブースが形成されていない。このような構造をとることにより、装置全体をコンパクトにすることができる。なお、カーテン5の大きさは、カメラ6から撮影される開口部23の開口部分をカバーするように設定される必要がある。加えて、カーテン5の大きさを使用者2の半身が隠れるように設定することにより、誰かが装置を利用していることが外から見て容易にわかるため、顧客は利用しやすくなり、顧客回転率の向上にも効果的である。 【0083】この画像撮影装置でも、撮影操作を行うコントローラ18やスピーカ29が仕切スクリーン22よりも被写体2側に配置されているのは、図1に示すものと同様である。それに加えて、この画像撮影装置では、硬貨投入口30を仕切スクリーン22よりも被写体2側に配置することにより、撮影プレイ等の操作をすべて仕切スクリーン22の外側で行えるようになっている。そして、お絵描きプレイも筐体1の側面で行い、使用者2は仕切スクリーン22と筐体1の間の空間に入らなくても良いようになっている。それ以外は、図2に示すものと同様であり、同様の作用効果を奏する。 【0084】図8は、本発明の第3の実施の形態の画像撮影装置を示す。この例では、筐体1とバックスクリーン21との間に形成されたブースが、体重をかけても変形しない板状体から形成された仕切スクリーン22によりカメラ側空間Aとバック側空間Bとに仕切られている。また、液晶タブレット16,タッチペン12,プリント媒体14の送出口13等のお絵描きプレイ操作部が、筐体1の側面に設けられているとともに、バック側空間Bの壁面にも設けられている。 【0085】この画像撮影装置でも、撮影操作を行うコントローラ18やスピーカ29が仕切スクリーン22よりも被写体2側に配置されているのは、図1に示すものと同様であるのに加えて、この画像撮影装置では、硬貨投入口30を仕切スクリーン22よりも被写体2側に配置している。このようにすることにより、使用者2は撮影プレイとお絵描きプレイの双方をバック側空間B内で行えるようになっている。 【0086】また、上記仕切スクリーン22のカメラ側には、開口部23や仕切スクリーン22を隠すロールスクリーンであるカバースクリーン35が設けられている。そして、バック側空間B内で他の使用者2がお絵描きプレイを行ってる間、撮影と印刷だけでよい使用者2は、必要に応じてカバースクリーン35を下ろして、カメラ側空間A内で撮影プレイとお絵描きプレイおよび印刷を行うことができるようになっている。また、硬貨投入口30,撮影操作のコントローラ18,撮影プレイのガイド音声を発するスピーカ29が、カメラ側空間Aにも設けられている。 【0087】このように、液晶タブレット16およびタッチペン12が、仕切スクリーン22の前で撮影した撮影画像に対してお絵描きプレイをするものと、仕切スクリーン22の後で撮影した撮影画像に対してお絵描きプレイをするものとの2つ設けられていることにより、仕切スクリーン22を背景とした撮影と、仕切スクリーン22から身を乗り出した撮影の両方を1台の装置で実現することができる。さらに、カメラ側空間Aで利用している利用者2が筐体1の側面に移動してお絵描きプレイに移行した段階で、バック側空間Bの利用者2が撮影を開始でき、同時に2組の使用者2がプレイを行うことができ、顧客の回転率を高めることができる。それ以外は、図2や図7に示すものと同様であり、同様の作用効果を奏する。 【0088】図9は、図7や図8に示した画像撮影装置に用いられる仕切スクリーン22の第7例を示す。この図では、仕切スクリーン22を被写体2側から見ている。この仕切スクリーン22は、板状部材から形成され、カメラ6の撮影範囲25内に形状が異なる複数種類の開口部23が形成されている。上記各開口部23は、それぞれ開口形状と同じ形状の蓋部材38で蓋できるようになっている。39は蓋部材38を着脱する際の把手である。 【0089】この仕切スクリーン22は、カメラ6側の面に合成用着色が施されるとともに、各蓋部材38のカメラ6側の面にも合成用着色を施すことができる。このようにすることにより、撮影に必要な開口部23だけ蓋部材38を外して被写体2が顔等を覗かせ、使用しない開口部23は蓋部材38で閉じておくことができる。このようにすることにより、使用しない開口部23は、合成用着色の蓋部材38により撮影画像上で消せるため、特殊な撮影効果を得ることができる。この例では、バックスクリーン21やカーテン5は、すべての開口部23のカメラ6から撮影される範囲をカバーする必要がある。 【0090】また、複数種類の開口部23の形状を活かす意味で、仕切スクリーン22と蓋部材38とを異なる着色としてもよいし、それぞれの蓋部材38に異なる着色を施してカラフルにすることもできる。それ以外は、上述したものと同様であり、同様の作用効果を奏する。 【0091】図10は、図7や図8に示した画像撮影装置に用いられる仕切スクリーン22の第8例を示す。この図では、仕切スクリーン22を被写体2側から見ている。この仕切スクリーン22は、板状部材から形成され、カメラ6の撮影範囲25いっぱいに広がるくらい大きな1つの開口部23が形成されている。そして、上記開口部23は、複数(この例では12個)の蓋部材38を組み合わせて閉じることができるようになっている。この例では、上記複数の蓋部材38がそれぞれパズルの1ピースのような形状を呈している。 【0092】そして、使用者2は、所望の蓋部材38を取り除いてそこにできた開口に顔等を覗かせて撮影を行うことができる。この仕切スクリーン22および各蓋部材38は、それぞれ合成用着色を施してもよいし、それぞれ異なる着色を施してカラフルにすることもできる。それ以外は、上述したものと同様であり、同様の作用効果を奏する。 【0093】図11は、本発明の画像撮影装置の第4の実施の形態および仕切スクリーンの第9例を示す図である。この仕切スクリーン22は、撮影範囲25a,25b,25cが複数(この例では3つ)設定されている。各撮影範囲25a,25b,25cは、使用するカメラ6の変更またはカメラ6の移動や揺動あるいはズーミングにより切り替えることができるようになっている。 【0094】そして、各撮影範囲25a,25b,25cに対応させてそれぞれ1つずつの開口部23が形成され、カメラによる撮影範囲の切り替えにより撮影する開口部23を変更しうるようになっている。このようにすることにより、開口形状が異なる開口部23や、開口部周辺の色彩・模様等が異なる開口部23を、使用者2の好みにあわせて変更し、趣の異なる撮影画像を容易に提供できるようになる。なお、1つの撮影範囲25a,25b,25cに対応させてそれぞれ複数の開口部23を形成してもよい。それ以外は、上述したものと同様であり、同様の作用効果を奏する。 【0095】図12は、本発明の画像撮影装置の第5の実施の形態および仕切スクリーンの第10例を示す図である。この仕切スクリーン22は、板状部材から形成され、図13に示すように、撮影範囲25の下半分だけに設けられて上半分が開口部23になっている。上記仕切スクリーン22の上端部すなわち開口縁は、この例では波型にカットされてシンクロナイズドスイミングをしているような撮影画像を得られるようになっている。それ以外は、上述したものと同様であり、同様の作用効果を奏する。 【0096】この例では、仕切スクリーン22を撮影範囲25の下半分だけに設けるようにしたが、これに限定するものではなく、上半分だけに設けてもよいし、左右だけあるいは中央部だけに立設してもよい。このとき用いる仕切スクリーン22は、板状体から形成したものだけでなく、幕状部材から形成したものを用いることもできる。これらの場合、撮影範囲25の仕切スクリーン22の無い部分が開口部23であり、バックスクリーン21やカーテン5はこの領域をカバーするような大きさ形状に設定される。本発明は、これらの態様も含む趣旨である。 【0097】図14は、本発明の第6の実施の形態の画像撮影装置を示す。図15は、この実施の形態に用いるものであり、仕切スクリーンの第11例を示している。 【0098】この例では、仕切スクリーン22は、カーテンのような幕状部材から形成され、カーテンレール41に取り付けられて吊設されている。この仕切スクリーン22には、図15に示すように、幕状部材の下端から上方に向かって延びる切れ込み状に形成された開口部23が2つ形成されている。 【0099】この例において、上記仕切スクリーン22は、ブルー等のクロマキー合成に適した色彩に着色されており、バックスクリーン21の被写体2側も同様に、ブルー等のクロマキー合成に適した色彩に着色されている。なお、この例では、仕切スクリーン22の下端に重錘26は取り付けられておらず、姿勢支持部材15も設けられていない。また、バック側空間のコントローラ18およびスピーカ29も設けられておらず、コントローラやスピーカは、筐体1に設けられている。 【0100】上記撮影画像と合成される第2画像の選択または入力の方法として、本実施の形態では、お絵描きプレイ中に上記撮影画像を液晶タブレット16に表示して、表示された撮影画像に対して第2画像受付手段により入力するとしているが、その他の方法であってもよい。たとえば、撮影プレイ前、撮影プレイ中または撮影プレイ後お絵描きプレイの前に、選択可能な複数の第2画像を液晶タブレット16またはディスプレイ17に表示し、使用者の操作により第2画像を選択する方法があげられる。また、お絵描きプレイ中の第2画像受付手段による第2画像の入力は、選択可能に表示された複数の第2画像から、入力したい第2画像をタッチペン12で選択し、液晶タブレット16に表示された撮影画像上でタッチペン12を走らせて行う入力方法や、選択可能に表示された複数の第2画像から、入力したい第2画像をタッチペン12で選択し、液晶タブレット16に表示された撮影画像上の合成したい箇所をタッチペン12で指定して行う入力方法などがある。 【0101】また、1の撮影画像に対して、複数種類の第2画像を選択または入力して、複数種類の合成画像を生成するようにしてもよい。1枚の撮影画像でも、合成する第2画像の種類によっては、たとえば2人で鬼ごっこする表現、棒を持っている人とスイカになっている人でスイカ割りをしている表現、1人が植木で1人がその植木に水をやっている表現など、さまざまな表現が1枚の撮影画像から可能となり、短時間の1回の撮影からバリエーションのある合成画像またはそれらの合成画像が1枚に印刷されたプリント媒体を提供することができる。 【0102】上記仕切スクリーン22は、縦に細長い短冊形状の幕a,b,cを所定の幅領域を重ねしろ(重なる領域)42とし、上部約3分の1程度の部分を縫い付けたものである。図において43は縫い目ラインである。そして、上記切れ込み状の開口部23の下側寄り部分には、上記重ねしろ42の領域を着脱可能に係止する複数(この例では4つ)の係止部材44が設けられている。上記係止部材44としては、この例では、マジックテープ(登録商標)等の着脱テープが使用されているが、これに限定するものではなく、ある程度の力で幕を引っ張ることにより容易に外れるものであれば、スナップ(押ホック)や磁石等各種のものを用いることができる。 【0103】この装置で撮影を行なう場合には、図16に示すように、切れ込み状の開口部23を左右に開いてそこから利用者(被写体)2が顔等を露出させ、露出させた顔等の下の部分の幕を引寄せた状態で、下部の係止部材44を係止させる。すると、ブルーの仕切スクリーン22から顔だけを覗かせた状態となり、この状態でカメラ6のシャッタ操作を行なって撮影画像を得る(図16の状態)。 【0104】このとき、切れ込み状の下方部に偏って係止部材44を設けているため、仕切スクリーン22の中央部から顔を出しやすく、下方部からは手や足を出したりして撮影することができる。また、切れ込み状の開口部23を2つ有しているため、2人並んでの撮影が容易になり、2人もしくはそれ以上の人数で撮影する際に便利である。 【0105】ついで、図17に示すように、上記撮影画像のブルーの部分(仕切スクリーン22が写り込んだ領域であり、被写体2の顔等露出した部分以外の領域である)に、背景画像(この例ではレンガ積み模様である)をクロマキー等で合成して合成画像を得る(図17の状態)。この合成画像に、好みに応じてタッチペン12等による落書き処理やスタンプ画像の貼り付け等を行う編集処理をさらに加え、プリンタによって写真プリントとして出力することが行なわれる。 【0106】この装置では、利用者(被写体)2が開口部23から顔等の身体の一部を露出させる際に、切れ込み状の開口部23を左右に開いて露出させた顔等の下の部分で引寄せることで容易に撮影に臨むことができる。また、被写体2が縦に並んで顔等を露出させてトーテムポールのような画像を撮影することも容易に行なえ、撮影プレイの楽しみが増加する。 【0107】また、利用者(被写体)2が開口部23から顔等の身体の一部を露出させる際に、切れ込み状の開口部23を左右に開いて露出させた顔等の下の部分で幕状部材を引寄せたときに、上記係止部材44で引寄せた部分を係止することにより、顔等を露出させた状態を維持でき、撮影カットが複数となって、顔等を露出する状態を長時間維持する場合でも、利用者2の疲れが少なくなる。しかも、開口部23が下端から上方に向かう切れ込み状であり、係止部材44は着脱可能で容易に離れるため、誤って首が絞まってしまうような事故を未然に防止でき、安全性が高くなる。 【0108】さらに、上記切れ込み状の開口部23は、隣り合う幕状部材が重なる領域42を有しているため、利用者(被写体)2が開口部23から顔等の身体の一部を露出させた際に、切れ込み状の開口部23を左右に開いて露出させた顔等の下の部分で幕状部材を引寄せたときに、上記重なる領域42の存在により、幕状部材の後に隠れている部分が見えにくくなり、合成する場合の合成むら等の発生を防止し、見映えのよい美麗な画像を得ることができる。 【0109】さらに、バックスクリーン21が仕切スクリーン22と同様の画像合成のために適当な着色が施されている場合には、図18(a)のように、仕切スクリーン22の両端を抱えるように撮影した場合に、仕切スクリーン22が撮影された撮影画像部分とバックスクリーン21が撮影された撮影画像部分に、それぞれ同じ画像を合成することが可能となり、図18(b)のように被写体2の顔以外の一部が被写体2からは隔離したような面白みのある画像を得ることができる。またさらに、このような場合、バックスクリーン21の色彩が仕切スクリーン22の色彩と略同一色で構成されている方が、クロマキー処理を一回行うだけでよく、なおよい。 【0110】さらに、上記開口部23とは別に、被写体2の一部を露出しやすい位置に、切り込み部45を設けた場合が図19(a)および19(b)である。図19(a)では、手または腕を出しやすい位置に切り込み部45が設けられた場合の例であり、図19(b)は手を上げた場合に手または腕を出しやすい位置に切り込み部45が設けられた場合の例である。切り込み部45の位置は特に位置を限定するものではない。図中点線部分は被写体2の仕切スクリーン22で見えない輪郭を表している。 【0111】図20および図21は、上記画像撮影装置に用いる仕切スクリーン22の変形例である。図20の例では、2枚の短冊形状幕を縫い合わせたもので、切れ込み状の開口部23が1つ形成されている。図21の例では、4枚の短冊形状幕を縫い合わせたもので、切れ込み状の開口部23が3つ形成されている。 【0112】ここで、図22は、この装置を上側から見た配置図であるが、被写体2の立ち位置すなわち仕切スクリーン22の配置によりカメラ6による撮影範囲が変化する。図22のカメラ6から近いdの位置では被写体2は大きく写るが撮影範囲が狭く、カメラ6から遠いeの位置では被写体2は小さくなるが撮影範囲は広くなる。 【0113】そこで、図20の仕切スクリーン22のように開口部23が1つの場合は、図のd位置よりも前方に仕切スクリーン22を配置し、図21の仕切スクリーン22のように開口部23が3つの場合は、図のe位置のように後方に仕切スクリーン22を配置して撮影範囲25(図示の斜線の領域)を広くするのが望ましい。このように、開口部23の数が多くなるほど仕切スクリーン22をカメラ6から遠くなるように配置するのが好適である。 【0114】また、短冊形状の幕1枚の幅をあまり小さくしすぎると、頭がぶつかって、うまく横に並んで撮影できないため、短冊形状の幕1枚の幅すなわち、開口部23同士の間隔は、おおむね人の頭の幅寸法以上に設定するのが好適である。 【0115】図23は、上記画像撮影装置に用いる仕切スクリーン22の変形例である。いずれも、開口部23は2つの例であるが、図23(a)は、左右両端の短冊形状幕a,cの幅と、中央の短冊形状幕bの幅とが等しくなるよう設定されている。図23(b)は、左右両端の短冊形状幕a,cの幅よりも、中央の短冊形状幕bの幅が少し小さくなるように設定されている。 【0116】図23(b)のように、3枚の短冊形状のうちa,b,cのうち真ん中短冊形状幕bの幅が他より小さくすることにより、2人並んで撮影する場合、クロマキーの精度を高めるためには、仕切スクリーン22をピンと張って、カーテンにしわがないほうがよいが、図23(a)のように同じ幅であると、左の被写体と右の被写体の間が広く開きすぎて友人やカップルで撮影する場合に親近感がないような撮影画像になってしまう。そこで、図23(b)のように、開口部23と開口部23の間隔を少し小さくすることにより、並んで撮影した場合も、2人の間隔がそれほど広くなく、くっついて撮影でき、仕切スクリーン22のしわも少なくなって、合成精度が向上する。 【0117】ここで、上記仕切スクリーン22において、複数(以下の例示では3枚)の短冊形状幕の幅が同じサイズである方が、生産効率がよくなる。図24は、3枚の短冊形状幕が同じ幅の場合、図25は3枚の短冊形状幕が同じ幅でない場合の製造工程の状態を模式的に表した図である。 【0118】上記仕切りスクリーン22は、3枚の短冊形状幕の布地の上部を縫い合わせて作成している。複数枚の布地を同じ色に染める場合に、若干色ムラ(ばらつき)が発生してしまい、まったく同じ色に染めることが困難な場合がある。特に、クロマキーのような合成処理を行う場合に、色ムラは合成精度を低下させるものであり、できるだけ排除するのが望ましい。 【0119】たとえば、図24のように9枚の短冊形状幕を、A2色に染めたくても、染めむらが生じると、すべてがA2色にならず、なかにはA1色やA3色に染まってしまうものも生じる。しかし、図24のように3枚とも同じ幅サイズの短冊形状幕を組み合わせて1枚の仕切スクリーン22を作る場合に、3枚のうちのどの位置(左、中、右)にどの短冊形状幕を縫い合わせてもよい。したがって、図示の例では、上段のA1色の短冊形状幕と中段のA1色の短冊形状幕と下段のA1色の短冊形状幕で1枚の仕切スクリーン22を仕上げることが可能となる。このように、多少染色むらが生じても、できるだけ近似した色の短冊形状幕を3枚組み合わせることにより1枚の仕切スクリーン22ができるのであり、布地が余ったり、さらに新しい布地を必要とすることがなく、効率がよい。 【0120】他方、図25のように3枚の短冊形状幕の幅が異なり(図では幅をX,Y,Zは幅の異なる短冊形状幕である)、図24と同様の染めむらが生じた場合に、A2色に染まった短冊形状幕はA2YとA2Zしかなく、A2Xがないので1枚の仕切りスクリーン22を仕上げることができない、このため新たにA2Xという短冊形状幕を用意する必要がある。また、短冊形状幕を新たに用意する時に、X幅の布地がA2色で染まるという保証もない。この例ではA3の場合も同様にA3Yが不足し、新たにA3Yの短冊形状幕を用意する必要がある。つまり、9枚の布地からA1色に染まった1枚の仕切スクリーン22しか仕上げることができず、A3X1枚とA2Y1枚が余ってしまい、新たにA2XとA3Yの2枚の布地が必要となってしまい、きわめて無駄が多い。 【0121】以上のように、複数枚(この場合3枚)の短冊形状幕から1枚の仕切スクリーン22を仕上げる場合に、短冊形状幕の幅が略同じであれば、無駄なく1枚の仕切スクリーン22を仕上げることが可能になり、染色工程においても、それほど精度を求める必要もなく、コスト、製造時間的にも生産効率が高まるものである。上記仕切スクリーン22は、短冊形状幕を複数枚縫い付けて作成する方法に限らず、1枚の素材に下端から切り込みをいれ、切り込み部分に重なる領域と略同一の形状の素材を縫い付けて作成する方法などであってもよく、特に限定しない。 【0122】図26~図28は、本発明に用いるプリント用紙ユニットの実施の形態を示す。以下に説明する各プリント用紙ユニットは、図1~図25等に記載された画像撮影装置に供給され、プリンタ9で用いられて写真プリントを生成するためのプリント用紙ユニットである。 【0123】図26に示すプリント用紙ユニットは、ICチップやICカード等の記憶手段92と、写真プリント供給装置のプリンタ9で使用されるプリント用紙90とがセットとして写真プリント供給装置に供給されるものである。この例では、上記プリント用紙90としてロール状のものを示している。上記記憶手段92には、この記憶手段92とセット供給されるプリント用紙90における、供給対象である装置で印刷出力可能な写真プリントの枚数すなわちプリント供給可能枚数が記録されている。一方、写真プリント供給装置には、上記記憶手段92に記憶された情報を読み取る読取手段91が設けられている。 【0124】そして、上記プリント用紙ユニットを写真プリント供給装置に使用する場合には、記憶手段92を読取手段91にセットするとともに、プリント用紙90をプリンタ9に装填する。そして、上記読取手段91で記憶手段92のプリント供給可能枚数が読み取られ、プリンタ9ではセットで供給されたプリント用紙90に印刷が行なわれて写真プリントの供給が行なわれるのであるが、このとき、上記読取手段91でセット供給された記憶手段92から読み取られたプリント供給可能枚数だけ印刷を行なって写真プリントを供給し、その後は次の記憶手段92とプリント用紙90が供給されるまではプリントの供給を停止するようになっている。 【0125】上述のような動作を実現するためのシステム構成としては、図示していないが、読取手段91からの読取データを、上記コンピュータ装置に設けた出力枚数制限部に供給し、出力枚数制限部では読み取られたプリント供給可能枚数だけ写真プリントを印刷すると、その後は次の記憶手段92が供給されるまでプリントの出力を制限することにより行なわれる。なお、プリント供給可能枚数の残り枚数が所定枚数に達したら、つぎのプリント用紙を準備するようアラームを発することも可能である。こうすることにより、顧客を待たせることなく回転率の高い写真撮影装置の運営ができる。上記読取手段91がプリンタ9内部に備わる場合は、プリンタ9内部で検出された情報を上記コンピュータ装置に送信し、制御し、プリンタ9外部に備わる場合は、コンピュータ装置で読取られ制御される。 【0126】図27に示すプリント用紙ユニットは、ICチップやICカード等の記憶手段92を備えておらず、写真プリント供給装置のプリンタ9で使用されるプリント用紙90が写真プリント供給装置に供給されるものである。この例では、上記プリント用紙90としてロール状のものを示している。上記プリント用紙90には、当該プリント用紙90の真偽を識別する識別情報がバーコード等により付されている(図示せず)。そして、写真プリント供給装置には、プリンタ9に装填されたプリント用紙90の識別情報を読み取る読取手段91が設けられている。 【0127】そして、上記プリント用紙ユニットを写真プリント供給装置に使用する場合には、プリント用紙90をプリンタ9に装填する。そして、上記読取手段91でプリント用紙90の識別情報が読み取られ、その識別情報を、上記コンピュータ装置に設けた判定手段に供給し、判定手段では読み取られた識別情報が正しい場合にだけ写真プリントを印刷し、真正なものでない場合にはプリントの出力を行なわないようになっている。 【0128】図28に示すプリント用紙ユニットは、写真プリント供給装置のプリンタ9で使用されるプリント用紙90と、上記プリント用紙90に画像をプリントするインクリボン等の記録材料93がセットの状態となって写真プリント供給装置に供給されるものである。この例では、上記プリント用紙90としてロール状のものを示している。図において94は印刷ヘッドである。上記記録材料93には、当該記録材料93の真偽を識別する識別情報がバーコード等により付されている(図示せず)。そして、写真プリント供給装置には、プリンタ9に装填された記録材料93の識別情報を読み取る読取手段91が設けられている。 【0129】そして、上記プリント用紙ユニットを写真プリント供給装置に使用する場合には、プリント用紙90および記録材料93をプリンタ9に装填する。そして、上記読取手段91で記録材料93の識別情報が読み取られ、その識別情報を、上記コンピュータ装置に設けた判定手段に供給し、判定手段では読み取られた識別情報が正しい場合にだけ写真プリントを印刷し、真正なものでない場合にはプリントの出力を行なわないようになっている。 【0130】この例において、バーコード等の識別情報を記録材料93ではなくプリント用紙90に付し、読取手段91は、プリンタ9に装填されたプリント用紙90の識別情報を読み取るようにしてもよい。また、図示した例は、プリンタ9が、記録材料としてインクリボンを使用する昇華型プリンタ等の例であるが、記録材料としてカートリッジ式のインクを使用したインクジェット方式等のプリンタに適用することもできる。 【0131】これらのプリント用紙ユニットによれば、上記写真プリント供給装置固有の性能やよりすぐれた写真プリントの仕上り品質等にとって最適のプリント用紙90であるか否かが、識別情報等によって判別することができるので、識別情報等の読み取り結果に応じて画像撮影装置を動作させないようにすることができ、利用者に対してよりすぐれた品質の写真プリントの提供ができる。また、用紙等の偽造品が市場に流出することを防ぐことができる。 【0132】なお、上記各実施の形態では、1つの画像撮影装置にカメラ6,液晶タブレット(第2画像受付手段)16,プリンタ9を備えたものを例示したが、このような形態に限定するものではなく、例えば、撮影用としてカメラ6と仕切スクリーン22等を備えた筐体を準備し、この撮影用の筐体と別体につくられた筐体に液晶タブレット(第2画像受付手段)16やプリンタ9を設け、複数の筐体で本発明を実現するような態様の装置とすることも可能であり、本発明はこのようなものも含む趣旨である。 【0133】また、上記各実施の形態において、仕切スクリーン22を光透過性を有する部材から形成することも可能である。このようにすることにより、仕切スクリーン22の開口部23以外の領域に覆われた被写体2の部分が、完全に仕切スクリーン22に隠れるのではなく、透過して見えたり、おぼろげに見えたりして特殊な撮影効果を得ることができる。 【0134】また、上記各実施の形態では、硬貨の投入により撮影を開始するようにしたが、これに限定するものではなく、紙幣,プリペイドカード,メダル,クレジットカード,キャッシュカード等、撮影の対価として支払いうるものであれば、各種の態様を含む趣旨である。また、これらは、単独で用いる場合だけでなく、組み合わせて用いる場合も含む趣旨である。さらに、硬貨等の対価を要求することなく撮影を行う場合も含む趣旨である。 【0135】また、上記各実施の形態において、カメラ6としては、デジタルカメラを用いることもできるし、ビデオカメラを用いることもでき、撮影画像を電気信号に変換しうるものであれば特に限定するものではなく、各種のものを用いることができる。さらに、上記実施の形態では、1台のカメラ6を備えた例を示したが、これに限定するものではなく、複数台のカメラ6を備えるようにしても差し支えない。 【0136】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、仕切スクリーンの開口部から被写体の身体の一部等を露出させた状態で、被写体の開口部から露出した部分を開口部や仕切スクリーンとともに撮影することにより、被写体の前景として仕切スクリーンや開口部が写り込む。そして、例えば開口部を窓のような形状にすることにより、窓から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような画像を撮影でき、従来では不可能であった特殊な撮影結果を得ることができる。また、上記画像撮影装置は、上記撮影画像と第2画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段とをさらに備えているため、被写体の前景として写り込んだ仕切スクリーンの部分に第2画像を合成することが容易にできるようになる。そして、例えば開口部を窓のような形状にすることにより、窓から顔を覗かせたり半身を乗り出したりしたような画像を撮影でき、前景として写り込んだ窓の周辺部分に中世の宮殿のような装飾画像を合成する等、従来では不可能であった特殊な画像を得ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の画像撮影装置の一実施の形態を示す断面図である。 【図2】仕切スクリーンの第1例を示す図である。 【図3】仕切スクリーンの第2例を示す図である。 【図4】仕切スクリーンの第3例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。 【図5】仕切スクリーンの第4例を示す図である。 【図6】仕切スクリーンの第5例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。 【図7】本発明の画像撮影装置の第2の実施の形態および仕切スクリーンの第6例を示す図である。 【図8】本発明の画像撮影装置の第3の実施の形態を示す断面図である。 【図9】仕切スクリーンの第7例を示す図である。 【図10】仕切スクリーンの第8例を示す図である。 【図11】本発明の画像撮影装置の第4の実施の形態および仕切スクリーンの第9例を示す図である。 【図12】本発明の画像撮影装置の第5の実施の形態および仕切スクリーンの第10例を示す図である。 【図13】上記第10例の仕切スクリーンを示す図である。 【図14】本発明の画像撮影装置の第6の実施の形態を示す図である。 【図15】仕切スクリーンの第11例を示す図である。 【図16】上記画像撮影装置による撮影画像の一例を示す図である。 【図17】上記撮影画像を用いた合成画像の一例を示す図である。 【図18】上記画像撮影装置による撮影画像の一例を示す図である。 【図19】上記画像撮影装置による撮影画像の一例を示す図である。 【図20】仕切スクリーンの第12例を示す図である。 【図21】仕切スクリーンの第13例を示す図である。 【図22】上記画像撮影装置を上側から見た配置説明図である。 【図23】仕切スクリーンの第14例を示す図である。 【図24】仕切スクリーンとしてのカーテンの製造方法を説明する図である。 【図25】仕切スクリーンとしてのカーテンの製造方法を説明する図である。 【図26】本発明に用いるプリント用紙ユニットを説明する図である。 【図27】本発明に用いるプリント用紙ユニットを説明する図である。 【図28】本発明に用いるプリント用紙ユニットを説明する図である。 【図29】従来例を示す断面図である。 【符号の説明】 A カメラ側空間 B バック側空間 1 筐体 2 被写体(使用者) 3 支柱 4 ライト 5 カーテン 6 カメラ 7 コンピュータ装置 8 ディスプレイ 9 プリンタ 10 透明板 11 コントローラ 12 タッチペン 13 送出口 14 プリント媒体 15 姿勢支持部材 16 液晶タブレット 17 ディスプレイ 18 コントローラ 18a コントローラ 19 前側照明 20 バック側照明 21 バックスクリーン 22 仕切スクリーン 23 開口部 24 巻上ケース 25 撮影範囲 25a 撮影範囲 25b 撮影範囲 25c 撮影範囲 26 重錘 27 開口形状保持部材 28 支持部材 29 スピーカ 30 硬貨投入口 31 切れ目 32 カバー部材 33 着脱テープ 34 ゴム 35 カバースクリーン 36 巻上ケース 37 引き手 38 蓋部材 39 把手 41 カーテンレール 42 重ねしろ 43 縫い目ライン 44 係止部材 45 切り込み部 90 プリント用紙 91 読取手段 92 記憶手段 93 記録材料 94 印刷ヘッド |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2005-02-28 |
結審通知日 | 2005-03-03 |
審決日 | 2005-03-18 |
出願番号 | 特願2003-21897(P2003-21897) |
審決分類 |
P
1
122・
161-
ZD
(H04N)
|
最終処分 | 一部成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 明 |
特許庁審判長 |
藤内 光武 |
特許庁審判官 |
橋本 恵一 原 光明 |
登録日 | 2003-10-03 |
登録番号 | 特許第3479067号(P3479067) |
発明の名称 | 画像撮影装置および方法 |
代理人 | 椿 豊 |
代理人 | 酒井 將行 |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 椿 豊 |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 酒井 將行 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 武 顕次郎 |
代理人 | 深見 久郎 |