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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A41B
管理番号 1182128
審判番号 不服2005-3508  
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-28 
確定日 2008-08-06 
事件の表示 特願2001-271002「使い捨て着用物品」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 6月 4日出願公開、特開2002-159525〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 本願発明
本願は、平成6年7月18日に出願した特願平6-165317号の一部を平成13年9月6日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1ないし4に係る発明は、平成19年3月26日にした手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1は次のとおり記載されている。
「【請求項1】トップシートと、バックシートと、これら両シートの間に介在する吸液性コアと、これら両シートの前後区域間に位置する股下区域の両側に円弧状に凹欠する脚周り部と、前記脚周り部を囲むための、両側部及びこれら間の中央部を有する各々一連の第1及び第2弾性部材と第3及び第4弾性部材とを含む使い捨て着用物品において、
前記第1弾性部材の前記中央部が前記股下区域を横切るとともに該第1弾性部材の前記両側部が前記脚周り部の各々のほぼ前半分における該脚周り部の縁近傍に沿い弧状に延びて伸縮可能に位置し、前記第2弾性部材の前記中央部が前記第1弾性部材の前記中央部と並列し前記物品の縦方向に離間して前記股下区域を横切るとともに該第2弾性部材の前記両側部が前記脚周り部の各々のほぼ後半分における該脚周り部の縁近傍に沿い弧状に延びて伸縮可能に位置し、前記第3及び第4弾性部材が前記股下区域の両側部において前記物品の縦方向に直状に延び伸縮可能に位置して前記第1及び第2弾性部材の前記両側部と交差しており、
前記交差によって前記股下区域の両側部に生じた前記第1及び第2弾性部材の前記両側部と前記第3及び第4弾性部材との交点の間における前記第1及び第2弾性部材の前記中央部が切断されていることを特徴とする前記物品。」
(以下、請求項1に係る発明を「本願発明1」という。)

2 引用例の記載事項
当審で通知した平成19年1月19日付け拒絶理由通知書の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開昭57-117602号公報(以下、「引用例1」という。)には、以下の記載がある。
a「本発明の製造方法により得られた使い捨ておしめブリーフは湿気を通さない外側のシーツ材と湿気を通す内側の表面布と吸湿性の当て布とを備え、当て布はシーツ材と表面布との間に付設され、足を挿通する足開口部の周縁部には弾性部材が弧状に付設せしめられている。また本発明の製造方法により得られるおしめブリーフにおいては、足開口部の少なくとも一部の湾曲した外周部分に沿つて弾性部材が接着され得る。」(3頁左下欄5ないし13行)
b「第5図および第6図は本発明の他の実施例を示すものであり……足開口部の縁部に沿つて位置するようにゴムひも(……)が付設される。……ゴムひも(21)は開口部となるべき部分の直近に位置せしめられる弧状部(21a)と直線状部(21b)を持つようにシーツ材(2)に装着される。弧状部(21a)は対称線(18)に対し対称をなしてシーツ材(2)に接着され、……一方直線状部(21b)には接着剤が塗布されずかつ単に長手軸線X-Xと平行に位置せしめられる。ゴムひも22は接着剤が塗布されている2弧状部(22a)と接着剤が塗布されていない直線状部分(22b)、(22c)とを持つようにシーツ材(2)に接着される。即ち弧状部(22a)には全長にわたつて接着剤が塗布され対称線(18)の両側において対称に、足開口部近傍で凸状をなすように付設される。直線状部(22b)は対称線(18)と直角に交鎖しかつ長手軸線X-Xに対し平行をなしている。」(4頁右下欄20行ないし5頁右上欄13行)
c「次いで接着剤が塗布されていない直線状部(21b)、(22c)が切断により除去又は単に収縮せしめられ、このゴムひもを切除した領域に矩形の当て布(15)が本実施例の場合2対称線(18)間において長手軸線X-Xに対し直角にすなわちシーツ材(2)の巾方向に付設される。……更に表面布(16)がシーツ材並びに当て布上に接着された後、足開口部23が適宜切除することにより設けられ、…足開口部23の外周部には、ゴムひも(21)の弧状部(21a)と近接して平行に延びる凹状の弧状部(23a)とゴムひも22の弧状部(22a)と近接して平行に延びる凸状の2弧状部(23b)が包有される。2弧状部(23b)の交点は対称線(18)上で位置するように設けられ、これによりゴムひも22の接着剤を有しない直線状部(22b)が足開口部の形成と同時に切断可能に設けられている。次に長手軸線X-Xに沿つて折り重ねると第6図の左側部のようなブリーフ材が得られる。更に対称線(18)に沿つてブリーフ材を分断し同時にその側縁部(25)を溶着すれば、第6図の右側部に示すようなおしめブリーフ(24)が得られる。本発明のおしめブリーフの製造方法によれば足開口部の外周部に沿い延伸状態でゴムひもが接着されているので、使用者の大腿部に緊密に被着せしめることができる。」(5頁右上欄15行ないし右下欄1行)
そして、第5図及び第6図には、おしめブリーフの前後区域間に位置する股下区域の両側に足開口部23が形成され、股下区域の前区域にゴムひも(21)が、後区域にゴムひも(22)が設けられ、ゴムひも(22)の直線状部(22c)がゴムひも(21)の直線状部(21b)と並列し該おしめブリーフの縦方向に離間して股下区域を横切る態様が図示されている。
以上の記載並びに第5図及び第6図によれば、刊行物1には次の発明が記載されているものと認められる。
「湿気を通す内側の表面布と、外側のシーツ材と、それらの間に介在する吸湿性の当て布と、表面布とシーツ材の前後区域間に位置する股下区域の両側に凹状の弧状部(23a)と凸状の弧状部(23b)とからなる足開口部(23)と、足開口部23を囲むための、弧状部(21a、22a)及びこれらの間の直線状部(21b、22c)を有する各々一連のゴムひも(21、22)を含む使い捨ておしめブリーフにおいて、
ゴムひも(21)の直線状部(21b)が股下区域を横切るとともにゴムひも(21)の弧状部(21a)が足開口部(23)のほぼ前半分における足開口部23の縁近傍に沿って伸縮可能に位置し、ゴムひも(22)の直線状部(22c)が股下区域を横切るとともにゴムひも(22)の弧状部(22a)が足開口部(23)のほぼ後半分における足開口部(23)の縁近傍に沿って伸縮可能に位置し、両ゴムひも(21、22)の直線状部(21b、22c)が切断されている使い捨ておしめブリーフ。」

同じく上記拒絶理由通知書の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平4-166150号公報(以下、「引用例2」という。)には、以下の記載がある。
d「本発明の目的は、漏れを確実に防止でき、且つコストの低減を図ることができる使い捨ておむつを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両シート間に配置される吸収体とを有する本体を備え、……前記腹側部と背側部との夫々の両側縁部を接合固定してウェスト開口部と一対のレッグ開口部を形成したパンツ型の使い捨ておむつにおいて、…一対のレッグ開口部には、夫々その周縁部全周に亘って実質的に連続したギヤザーを形成する弾性部材が設けられていることを特徴とする使い捨ておむつを提供することにより、上記目的を達成したものである。
〔作用〕 本発明の使い捨ておむつの着用時には、本体に一体的に形成された連続したギヤザーが、…一対のレッグ開口部に連続的に作用し、おむつと着用者との間に隙間が形成されることなく、おむつからの排泄物の漏れを確実に防止する。」(3頁左上欄3行ないし右上欄6行)
e「サイドフラップの弾性部材11a、11bは円弧状の弾性部材11aと直線状の弾性部材11bとから構成されており、円弧状の弾性部材11aは、サイドフラップ9a、9bにおいて、レッグ部10a、10bの馬蹄形に沿って円弧状に形成されている。更に、サイドフラップにおける馬蹄形の凹部には、直線状の弾性部材11bがサイドフラップ9a、9bから直線状に延出され、円弧状の弾性部材11aと交差して設けられている。このサイドフラップの弾性部材11a、11bは上記一対のレッグ部の縁に隣接して、即ち、股下区域のサイドフラップ9a、9bの側縁に隣接して配置され、該側縁からサイドフラップの弾性部材11a、llbの最外縁までの距離は好ましくは0?50mm、より好ましくは0?20mmであり、吸収体の外縁から弾性部材11a、llbの最内縁までの距離は好ましくは0?50mm、より好ましくは0?20mmである」(3頁右下欄20行ないし4頁左上欄17行)
f「サイドフラップの弾性部材11a、llbは一般に伸長した状態でパンツ型使い捨ておむつ1の本体5に超音波溶着、熱溶着、接着剤などの業界公知の手段を用いて接合される。糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプのゴムあるいはテープ状の発泡ポリウレタンなど、業界公知のものであれば、何でも用いることができ」(4頁左上欄18行ないし右上欄4行)
そして、第2図には、円弧状の弾性部材11aがおむつの縦方向に設けられた態様が図示されている。
以上の記載並びに第1図及び第2図によれば、刊行物2には次の発明が記載されているものと認められる。
「トップシートとバックシートと、両シート間に配置される吸収体と、両シートの前後区域間に位置する股下区域の両側に円弧状に形成されたレッグ部と、レッグ部により構成されるレッグ開口部の周縁部全周に亘って、実質的に連続したギヤザーを形成する弾性部材とを含む使い捨ておむつにおいて、円弧状の弾性部材11aがレッグ部の縁近傍に沿って縦方向に伸縮可能に設けられ、レッグ部のほぼ前半分及び後半分の縁近傍に沿って直線状の弾性部材11bが伸縮可能に設けられ、円弧状の弾性部材11aと交差している、使い捨ておむつ。」

同じく上記拒絶理由通知書の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開昭62-231005号公報(以下、「引用例3」という。)には、以下の記載がある。
g「本発明は、…着用者の肌に接する透水性トップシートと、該トップシートと反対側に位置する不透水性バックシートと、該両シートの間に介在する吸収性コアとからなるパンツ本体と;ウエストバンドと、一対のレッグホールとにそれぞれ伸縮ギヤザーを作る伸縮部材とを含む使い捨て吸収性パンツであって;前記一対のレッグホールは、前記パンツ本体の展開状態において、股下領域の横方向対向側に有する凹欠部により形成され;……前記レッグホールの前記伸縮部材は、前記パンツ本体の展開状態において、前記凹欠部の縦方向対向端にあって横方向へ延びる第1部材と、前記凹欠部の横方向内側にあって縦方向へ延び前記対向第1部材と接続する第2部材とからなり、よって、前記凹欠部は、前記パンツ本体の展開状態において、前記伸縮部材により該凹欠部の外側を除いて囲まれている」(2頁左下欄6行ないし右下欄5行)
h「第1図、第2図において、……パンツ本体は……レッグホールにギャザーを作る伸縮部材6a、6b、6cとを有する。……伸縮部材6a、6bには糸状ゴムなど、伸縮部材6cには熱処理で伸縮性を発現する比較的広幅(たとえば10?45mm)のプラスチックフィルムなどが使用される。ただし、伸縮部材5、6a、6b、6cの材質・幅は、それらが取り付られるパンツ本体1の部位によって必ずしも限定されず、適宜選択されうる。」(2頁右下欄20行ないし3頁左上欄20行)
i「トップシート7とバックシート8の凹欠部12の縦方向対向端間には、伸縮部材5と平行に横方向へ延びる伸縮部材6a、6bが介在し接着されている。トップシート7とバッグシート8の凹欠部12の縦方向対向内側間には、互いに平行に縦方向へ延び伸縮部材6a、6bと接続する伸縮部材6cが介在し接着されている。」(3頁右上欄11ないし17行)
j「凹欠部には、該レッグホールが完全に形成された状態において、該レッグホールが囲まれるように伸縮部材を設けられているので、該レッグホールが脚回りに完全に密着し、そこから排泄物が漏れるおそれがない。」(4頁左上欄4?9行)
そして、第2図には、縦方向に直状に延びる伸縮部材の第2部材6cが図示されている。
以上の記載並びに第1図及び第2図によれば、刊行物3には次の発明が記載されているものと認められる。
「トップシートとバックシートと、両シートの間に介在する吸収性コアと、前記両シートの前後の区域の間に位置する股下区域の両側の円弧状の凹欠部からなるレッグホールと、レッグホールを囲むように取り付けられた伸縮部材とを含む使い捨て吸収性パンツにおいて、
伸縮部材は、凹欠部のほぼ前半分及び後半分における凹欠部の縁近傍に沿って伸縮可能に取り付けられた横方向へ延びる第1部材と、凹欠部の横方向内側に縦方向に直状に延び伸縮可能に取り付けられて、横方向へ延びる第1部材と接続する第2部材とからなる、使い捨て吸収性パンツ。」

3 対比
本願発明1と刊行物1記載の発明とを対比すると、引用例1記載の発明の「表面布」、「シーツ材」、「吸収性の当て布」、「足開口部(23)」、「弧状部(21a、22a)」、「直線状部(21b、22c)」、「ゴムひも(21)」、「ゴムひも(22)」及び「使い捨ておしめブリーフ」は、それぞれ本願発明1の「トップシート」、「バックシート」、「吸液性コア」、「脚周り部」、「両側部」、「中央部」、「第1弾性部材」、「第2弾性部材」及び「使い捨て着用物品」に相当するから、両者は、
「トップシートと、バックシートと、これら両シートの間に介在する吸液性コアと、これら両シートの前後区域間に位置する股下区域の両側に円弧状をなす脚周り部と、前記脚周り部を囲むための、両側部及びこれら間の中央部を有する各々一連の第1及び第2弾性部材とを含む使い捨て着用物品において、
前記第1弾性部材の前記中央部が前記股下区域を横切るとともに該第1弾性部材の前記両側部が前記脚周り部の各々のほぼ前半分における該脚周り部の縁近傍に沿い弧状に延びて伸縮可能に位置し、前記第2弾性部材の前記中央部が前記第1弾性部材の前記中央部と並列し前記物品の縦方向に離間して前記股下区域を横切るとともに該第2弾性部材の前記両側部が前記脚周り部の各々のほぼ後半分における該脚周り部の縁近傍に沿い弧状に延びて伸縮可能に位置し、前記第1及び第2弾性部材の前記中央部が切断されている前記物品」
である点で一致し、次の点で相違する。
相違点1
本願発明1では、脚周り部は円弧状に凹欠するのに対して、刊行物1記載の発明では、脚周り部は凹状の弧状部(23a)と凸状の弧状部(23b)とからなる点。
相違点2
本願発明1は、脚周り部を囲むための第3及び第4弾性部材を含み、第3及び第4弾性部材が股下区域の両側部において物品の縦方向に直状に延び伸縮可能に位置して第1及び第2弾性部材の両側部と交差しているのに対し、刊行物1記載の発明は、第3及び第4弾性部材を含まない点。
相違点3
本願発明1では、前記交差によって前記股下区域の両側部に生じた前記第1及び第2弾性部材の前記両側部と前記第3及び第4弾性部材との交点の間における前記第1及び第2弾性部材の前記中央部が切断されているのに対して、刊行物1記載の発明では、そのような構成を備えていない点。

4 相違点の検討
そこで、上記各相違点について検討する。
(1)相違点1について
使い捨ておむつのような使い捨て着用物品において、脚周り部を円弧状に凹欠することは、本願の出願前に周知の技術的事項(例えば、刊行物1の第4図、特開平4-354948号公報参照。)であり、刊行物1記載の発明において、本願発明1のように脚周り部を円弧状に凹欠することは、当業者が設計上適宜なし得た事項にすぎない。
(2)相違点2について
刊行物2及び刊行物3には、上記発明が記載されている。
ここで、刊行物2記載の発明の「使い捨ておむつ」は本願発明1の「使い捨て着用物品」に相当し、以下同様に、「吸収体」は「吸液性コア」に、「レッグ開口部」は「脚周り部」に、「弾性部材11b」は「第1弾性部材」及び「第2弾性部材」に、「弾性部材11a」は「第3弾性部材」及び「第4弾性部材」に相当する。また、刊行物3記載の発明の「使い捨て吸収性パンツ」は本願発明1の「使い捨て着用物品」に相当し、以下同様に、「吸収性コア」は「吸液性コア」に、「レッグホール」は「脚周り部」に、「第1部材」は「第1弾性部材」及び「第2弾性部材」に、「第2部材」は「第3弾性部材」及び「第4弾性部材」に相当するので、刊行物2及び刊行物3には、トップシートとバックシートと、両シート間に配置される吸液性コアと、両シートの前後区域間に位置する股下区域の両側に円弧状に形成された脚周り部と、脚周り部の周縁部全周に亘って設けられた弾性部材を有する使い捨ておむつにおいて、脚周り部のほぼ前半分の縁近傍に沿って第1弾性部材が伸縮可能に設けられ、脚周り部のほぼ後半分の縁近傍に沿って第2弾性部材が伸縮可能に設けられ、第3及び第4弾性部材が脚周り部の縁近傍に沿って縦方向に、又は縦方向に直状に延び伸縮可能に設けられ、第1及び第2弾性部材と交差又は接続している、これら複数本の弾性部材が脚周り部の周縁部全周に亘って、脚周り部を囲むように連続して設けられた使い捨ておむつが記載されているといえる。
そして、刊行物2及び刊行物3には、複数本の弾性部材が脚周り部の周縁部全周に亘って、脚周り部を囲むように連続して設けられることにより、おむつと着用者との間に隙間が形成されることなく、排泄物の漏れを確実に防止すること(上記記載d参照。)、使い捨て吸収性パンツのレッグホールを脚回りに完全に密着させ、排泄物の漏れを防止すること(上記記載j参照。)が記載されているから、刊行物1記載の発明において、脚周り部からの排泄物の漏れを確実に防止できるように、刊行物2及び刊行物3に記載されたような第3及び第4の弾性部材を採用し、相違点2に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(3)相違点3について
相違点3における「交差によって前記股下区域の両側部に生じた前記第1及び第2弾性部材の前記両側部と前記第3及び第4弾性部材との交点の間における前記第1及び第2弾性部材の前記中央部が切断されている」との構成は、刊行物1記載の発明において上記「相違点2について」で述べた第3及び第4の弾性部材を採用したことにより当然にもたらされる事項にすぎない。

しかも、本願発明1が奏する効果も、刊行物1ないし刊行物3記載の発明及び周知の技術的事項から当業者が予測し得たものであって、格別顕著なものとはいえない。
したがって、本願発明1は、刊行物1ないし刊行物3記載の発明及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-07-09 
結審通知日 2007-07-10 
審決日 2007-07-23 
出願番号 特願2001-271002(P2001-271002)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A41B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今村 亘  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 関口 勇
中西 一友
発明の名称 使い捨て着用物品  
代理人 白浜 吉治  

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