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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A62B |
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管理番号 | 1305417 |
審判番号 | 不服2013-23482 |
総通号数 | 191 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-11-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-11-13 |
確定日 | 2015-09-29 |
事件の表示 | 特願2011- 11377「紫照明付き安全マスク」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 7月26日出願公開、特開2012-139478〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成23年1月4日の出願であって、平成25年5月23日付けで拒絶理由通知がされ、平成25年7月16日に意見書が提出されたが、平成25年10月9日付けで拒絶査定がされ、平成25年11月13日に拒絶査定に対する審判請求がされ、平成25年12月6日に請求の理由を補正する手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明は、出願当初の明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認めるところ、その請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。) は以下のとおりである。 「【請求項1】 マスクと照明装置を別個に容易に着脱できる構造とし、紫色の照明が発生させる小型の電球やLED等の照明を設置し、紫色が点灯するように電源を有した装置をマスク表面にドッキングさせる。マスク表面は紫色の照明で紫の可視光線と不可視光線の紫外線の波長が照射される、その波長の特性を応用して、マスク表面のウイルスを殺菌する。マスク裏側は紫外線の影響及び皮膚への弊害を考慮して、紫外線が中和する色彩、又は波長が届かない布やガーゼ等の素材で覆う構造とする。ウイルスは紫外線に対しては何の抵抗力は持ちえないので、紫外線を照射されると簡単に殺菌される。マスクと照明装置は単体で容易に着脱できる構造からなっており、マスクが汚れたら分離して洗濯が出来るので常に清潔で新鮮なマスクを使用できることを特徴とした「紫照明付き安全マスク」をここに提供する。」 第3 引用文献に記載された発明 (1)本願の出願前に頒布された刊行物であって、原査定の拒絶の理由に引用された特開2009-213853号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに次の記載がある。 ア.「【特許請求の範囲】 【請求項1】 殺菌作用のある、紫の可視光線と不可視光線の近紫外線の働きにより、常に清潔で健康的な空気を供給することを特徴とした「紫の可視光線と不可視光線の近紫外線を透過する安全マスク」。」(【特許請求の範囲】) イ.「【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明はウイルス等による風邪や他の病気を予防するために使用するマスクに関するものであり以下にわたって説明する。まず自然界においては明るいところであれば7色の光と、赤の外側には不可視光線の赤外線並びに紫外線が存在している。赤の外側は赤外線であり赤外線は波長が長く、人体に透過させれば波長が浸透して血流の流れを活発にして、あらゆる病気の治療並びに予防に用いられている。もう一方の反対側の紫の外側に紫外線が存在しており、その紫外線は強力な殺菌作用がある。紫色又は紫を透かして見えるように透明にして光を透過させれば、そこから出てくる光線は紫の可視光線並びに不可視光線の近紫外線となる。紫外線は強力な殺菌作用がある利点はあるが、長時間浴びると殺菌する性質があるから害になるといわれている、そこで本発明者はその紫外線の強力な殺菌作用に着目をした、すなわち紫の可視光線と不可視光線の近紫外線を透過するマスクで呼吸気系の鼻や口を覆うものを1次側(外側)とすれば、内側に(2次側)は図(4)の取替え布は紫外線の波長が直接肌に届かないように、やや厚みのある布、あるいは紫外線が中和する色彩の布を用えれば、(4)の衛生ガーゼ布の表面は常に殺菌されているから清潔で健康的な空気を常時鼻から呼吸することになり、ウイルスによる風邪や他の原因不明の病気を予防並びに飛散することを防ぐことを特徴とした「紫の可視光線と不可視光線の近紫外線を透過する安全マスク」であります。」(【発明の詳細な説明】) (2)ここで、上記(1)ア.及びイ.並びに図面から、次のことが分かる。 カ.上記ア.及びイ.並びに図1及び図2の記載から、マスクの表面に紫の可視光線と不可視光線の紫外線が照射されていることは明らか(特に図2)であるので、引用文献に記載された安全マスクは、マスク表面は紫の可視光線と不可視光線の紫外線が照射される、殺菌作用のある、紫の可視光線と不可視光線の近紫外線の働きにより、マスク表面のウイルスを殺菌することが分かる。 キ.上記ア.及びイ.並びに図1及び図2の記載から、引用文献に記載された安全マスクは、マスクの内側は紫外線の波長が直接肌に届かないように、紫外線が中和する色彩、あるいはやや厚みのある布(衛生ガーゼ布)を用いており、紫外線は強力な殺菌作用があるので、ウイルスによる風邪や他の原因不明の病気を予防することが分かる。 (3)上記(1)及び(2)より、引用文献には、次の発明が記載されている。 「マスク表面は紫の可視光線と不可視光線の紫外線が照射される、殺菌作用のある、紫の可視光線と不可視光線の近紫外線の働きにより、マスク表面のウイルスを殺菌し、マスクの内側は紫外線の波長が直接肌に届かないように、紫外線が中和する色彩、あるいはやや厚みのある布(衛生ガーゼ布)を用いており、紫外線は強力な殺菌作用があるので、ウイルスによる風邪や他の原因不明の病気を予防する「紫の可視光線と不可視光線の近紫外線を透過する安全マスク」。」(以下、「引用文献記載の発明」という。) 第4 対比 本願発明と引用文献記載の発明を対比する。 引用文献記載の発明における「マスク表面」は、その構成、機能及び技術的意義からみて、本願発明における「マスク表面」に相当し、以下同様に、「紫の可視光線と不可視光線の紫外線が照射される、殺菌作用のある、紫の可視光線と不可視光線の近紫外線の働きにより、マスク表面のウイルスを殺菌し」は「紫の可視光線と不可視光線の紫外線の波長が照射される、その波長の特性を応用して、マスク表面のウイルスを殺菌する」に、「マスクの内側」は「マスク裏側」に、「紫外線の波長が直接肌に届かないように」は「紫外線の影響及び皮膚への弊害を考慮して」に、「紫外線が中和する色彩、あるいはやや厚みのある布(衛生ガーゼ布)を用いており」は「紫外線が中和する色彩、又は波長が届かない布やガーゼ等の素材で覆う構造とする」に、「紫外線は強力な殺菌作用があるので、ウイルスによる風邪や他の原因不明の病気を予防する」は「ウイルスは紫外線に対しては何の抵抗力は持ちえないので、紫外線を照射されると簡単に殺菌される」にそれぞれ相当する。 また、引用文献記載の発明における「紫の可視光線と不可視光線の近紫外線を透過する安全マスク」は、本願発明における「紫照明付き安全マスク」に、「安全マスク」という限りにおいて相当する。 1 一致点について したがって、両者は、 「マスク表面は紫の可視光線と不可視光線の紫外線の波長が照射される、その波長の特性を応用して、マスク表面のウイルスを殺菌する。マスク裏側は紫外線の影響及び皮膚への弊害を考慮して、紫外線が中和する色彩、又は波長が届かない布やガーゼ等の素材で覆う構造とする。ウイルスは紫外線に対しては何の抵抗力は持ちえないので、紫外線を照射されると簡単に殺菌される。「安全マスク」をここに提供する。」である点で一致し、以下の点で相違する。 2 相違点について (1)「安全マスク」に関して、本願発明においては、「マスクと照明装置を別個に容易に着脱できる構造とし、紫色の照明が発生させる小型の電球やLED等の照明を設置し、紫色が点灯するように電源を有した装置をマスク表面にドッキングさせる」「紫照明付き安全マスク」であるのに対し、引用文献記載の発明においては、そのような照明装置を有しない「紫の可視光線と不可視光線の近紫外線を透過する安全マスク」である点(以下、「相違点1」という。)。 (2)「安全マスク」に関して、本願発明においては、「マスクと照明装置は単体で容易に着脱できる構造からなっており、マスクが汚れたら分離して洗濯が出来るので常に清潔で新鮮なマスクを使用できる」「紫照明付き安全マスク」であるのに対し、引用文献記載の発明においては、そのような照明装置を有しない「紫の可視光線と不可視光線の近紫外線を透過する安全マスク」である点(以下、「相違点2」という。)。 第5 相違点の検討 そこで、上記相違点1及び2について、以下に検討する。 1 相違点1について 室内など可視光線や紫外線がほとんど存在しない場所でも殺菌効果を発生させるために、マスクと照明装置を別個に着脱できる構造とし、可視光又は紫外線LEDの照明を設置し、可視光又は紫外線LEDが点灯するように電源を有した装置をマスクにドッキングさせることは周知(特開2008-110184号公報、特開平11-332962号公報、特開2010-269280号公報等参照。以下、「周知技術」という。)である。ここで、マスクのどの部分に照明装置をドッキングさせるかは、殺菌効果やマスクの形状、構造等によって決めることであるので、当業者が適宜なしうる程度の設計事項である。なお、マスクの表面にドッキングさせることは、前記特開2010-269280号公報の段落【0032】ないし【0034】等に記載されている。 さらに、照明装置において、紫色の可視光線や紫外線により殺菌することができることは技術常識(特開2006-34340号公報の段落【0015】、特開平10-296246号公報の段落【0004】等参照。以下、「技術常識」という。)である。 してみると、「マスク表面は紫の可視光線と不可視光線の紫外線の波長が照射される、その波長の特性を応用して、マスク表面のウイルスを殺菌する」という引用文献記載の発明において、日没や消灯時間においても殺菌効果を発生させようとすることは当業者の当然の発意であるので、上記周知技術を適用し、その際に上記技術常識を参酌しつつ、上記相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 2 相違点2について 上記周知技術で示したように、マスクと照明装置を単体で容易に着脱できる構造とすることは周知であり、また、マスクを洗濯して清潔にすることは通常行われているので、マスクと照明装置を分離した際にマスクを洗濯して常に清潔で新鮮なマスクとして使用することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 3 本願発明の効果について そして、本願発明を全体として検討しても、引用文献記載の発明、並びに周知技術及び技術常識から予測される以上の格別の効果を奏するとも認めることができない。 4 したがって、本願発明は、引用文献記載の発明、並びに周知技術及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献記載の発明、並びに周知技術及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-08-05 |
結審通知日 | 2014-08-12 |
審決日 | 2014-08-26 |
出願番号 | 特願2011-11377(P2011-11377) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A62B)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 将一 |
特許庁審判長 |
中村 達之 |
特許庁審判官 |
林 茂樹 藤原 直欣 |
発明の名称 | 紫照明付き安全マスク |