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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A61L |
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管理番号 | 1074810 |
異議申立番号 | 異議2002-70552 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-07-02 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-02-28 |
確定日 | 2003-01-06 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3206064号「カテーテル」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3206064号の請求項1に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本件特許第3206064号の請求項1に係る発明は、平成3年12月20日に特許出願(特願平3-355068号)され、平成13年7月6日に特許権の設定登録がされた。その後、特許異議申立人・白沢仁、同・岡田雅彦により、特許異議の申し立てがなされた。平成14年5月7日付け(発送日:平成14年5月17日)で特許取消理由が通知され、その指定期間内である平成14年7月16日付けで訂正請求がなされた。これを踏まえ、当審は、平成14年8月1日付け(発送日:平成14年8月13日)で特許権者あて審尋を行ったが、これに対する応答はなかった。 2.訂正請求について (1)訂正の内容 (イ)訂正事項イ 特許請求の範囲の 「【請求項1】 医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタンおよびシリコンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種の弾性材料で形成された破断伸びが700~800%のフィルムからなることを特徴とするカテーテル。」 を 「【請求項1】 医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、またはポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物からなる弾性材料の有機溶剤溶液に型を浸漬して成膜するディッピング成形法により成形された破断伸びが700~800%のフィルムからなり、偏り発生率が10%以下、かつ、バルーン破損率が10%以下であることを特徴とするカテーテル。」 と訂正する。 (ロ)訂正事項ロ 段落番号【0016】の 「かくして、本発明によれば、医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタンおよびシリコンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種の弾性材料で形成された破断伸びが700~800%のフィルムからなることを特徴とするカテーテルが提供される。」 を 「かくして、本発明によれば、医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、またはポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物からなる弾性材料の有機溶剤溶液に型を浸漬して成膜するディッピング成形法により成形された破断伸びが700~800%のフィルムからなり、偏り発生率が10%以下、かつ、バルーン破損率が10%以下であることを特徴とするカテーテルが提供される。」 と訂正する。 (ハ)訂正事項ハ 段落番号【0017】の 「また、ポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンドのように、ポリウレタンと異種ポリマーとのブレンド物であってもよい。」 を 「また、ポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物であってもよい。」 と訂正する。 (ニ)訂正事項ニ 段落番号【0018】の「弾性材料を用いてバルーンを製造するには、各種製膜法が採用可能であるが、一般にディッピング成形法が好ましい。」 を 「弾性材料を用いてバルーンを製造するには、ディッピング成形法が採用される。」 と訂正する。 (ホ)訂正事項ホ 段落番号【0021】の 「偏り発生率が10以下」 を 「偏り発生率が10%以下」 と訂正する。 (ヘ)訂正事項ヘ 段落番号【0022】の 「850%以下」 を 「800%以下」 と訂正する。 (ト)訂正事項ト 段落番号【0024】の 「判断伸び」 を 「破断伸び」 と訂正する。 (2)訂正の可否について (イ)訂正事項イ 訂正事項イは、請求項1のブレンド物からなる弾性材料に関し、天然ゴム、ポリウレタンおよびシリコンゴムからなる組合せからなる任意のブレンド物であったものをポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物に限定し、また、弾性材料の特性に関し、「偏り発生率が10%以下、かつ、バルーン破損率が10%以下」に規定するものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 請求項1の訂正は、段落番号【0017】、【0018】、【0021】、【実施例】、【表1】の記載からみて、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内での訂正である。 (ロ)訂正事項ロ~訂正事項ハ 訂正事項ロ~訂正事項ハは、訂正事項イにより、特許請求の範囲を限定したことに伴い発明の詳細な説明の記載の整合を計るものであるので、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内での訂正である。 (ハ)訂正事項ニ 訂正事項ニは、弾性材料を用いてバルーンを製造する方法に関し、各種方法が採用でき、その中でも「ディッピング法」が好ましいとしていたものを、「ディッピング法」と規定するものであるので、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内での訂正である。 (ニ)訂正事項ホ 訂正事項ホは、「偏り発生率」の単位を%とするものであり、段落番号【0026】の記載から、偏り発生率は100個の試料を用いて測定されたものであることは明らかであるので、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内での訂正である。 (ホ)訂正事項ヘ 訂正事項ヘは、破断伸びの上限を800%とするものであり、特許請求の範囲の記載から破断伸びの上限は800%であることは明らかであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内での訂正である。 (ヘ)訂正事項ト 訂正事項トは、「判断」を「破断」に訂正するものであり、誤記の訂正を目的とする訂正であることは明らかであり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内での訂正である。 そして、上記訂正事項は、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。 (3)むすび したがって、本件訂正は、特許法第120条の4第2項並びに同条第3項で準用する同法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、訂正を認める。 3.特許異議申立についての判断 (1)本件の請求項に係る発明 上記2.に示したように、本件訂正は認められるから、訂正後の本件特許の請求項1に係る発明(以下、本件発明とする)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】 医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、またはポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物からなる弾性材料の有機溶剤溶液に型を浸漬して成膜するディッピング成形法により成形された破断伸びが700~800%のフィルムからなり、偏り発生率が10%以下、かつ、バルーン破損率が10%以下であることを特徴とするカテーテル。」 (2)刊行物に記載された発明 当審が通知した取消理由通知に引用した、本件特許の出願日の前に頒布された刊行物である刊行物A~Cには、以下の事項が記載されている。 (2)-1 刊行物A:米国特許第4303596号明細書(特許異議申立人・白石仁の提出した甲第1号証) (イ)「本発明の他の目的は、既存の用具よりも撥水性、表面の平滑性、潤滑性、寿命の優れた、新規なエラストマーから得られる内科及び外科用用具を提供することにある。」(第2欄第35行~第39行) (ロ)「本発明の他の目的は、エラストマーの重量基準で約10から50%のシリコーンコンパウンドを含有するシリコーンゴム含有エラストマーから、フオーリーカテーテルのような外科及び内科用用具を提供することにある。」(第2欄第56行~第61行) (ハ)「後述の4例において、ゴム100重量部に対してそれぞれ15、20、35、及び50重量部含むシリコーンは表1に示される通りにクレイと二酸化チタンとのマスターバッチを作製され、表2に示されるラテックスゴム処方に加えられる。その後、製品は従来のディッピング工程により作製され、加硫され、評価され、表3に示す結果が得られた。・・・本願開示のシリコーン含有エラストマー組成物は、ゴムラテックスから従来の方法で生産された内科及び外科用用具として許容可能な特性を有している。・・・本発明の組成物は、・・・膨張可能な風船(バルーン)を作製するための標準的なマルチディップ工程によって作製されるフオーリーカテーテルの製造に特に適している。・・・本発明のエラストマー組成物により作製されたフオーリーカテーテルは7週間患者の体内に留置され、患者に対する違和感、カテーテルの物理的機能不全、若しくは損傷は観察されなかった。・・・」(第4欄第23行~第5欄第46行) (ニ)そのようにしてなるバルーンの伸び(elongation)が、660~815の範囲にあること。(第5欄~第6欄、表III) (ホ)「次ぎの組成物から作製されることを特徴とする内科及び外科用用具。天然ゴムラテックスと、該ラテックスの重量基準で約20から約85重量部のマスターバッチから構成され、そのマスタバッチが、粘度平均分子量約7000、粘度約100cStであるジメチルポリシロキサンコンパウンドであって、・・・からなる組成物。」(請求項1) (2)-2 刊行物B:米国特許第4661095号明細書(特許異議申立人・白石仁の提出した甲第2号証) (イ)「バルーンカテーテルに適用される管状のバルーンを提供すると共に、管状バルーンが付設されたバルーンカテーテルを提供する。バルーンカテーテルは、患者に挿入するため、その先端断面は十分小さいものである。」(第1頁右欄第4行~第7行) (ロ)「・・・バルーンが膨張した時にカテーテルの遠位端を越えて拡張する。熱硬化ポリウレタンポリマーをバルーンに使用したことにより、・・・」(第2欄第30行~第37行) (ハ)「2ステップカテーテルのバルーンを図7に示す。バルーン17は最大内径37を持ち、2ステップカテーテルの遠位端36に対応し、最小内径38は、同カテーテルの本体35に対応する。最初の接着剤21はバルーンの最小内径の(遠位)端である。」(第5欄第1行~第6行) (ニ)「実施例I-III 熱可塑性ポリウレタン接着溶液は、以下の処方により調整された。・・・(組成省略)・・・その溶液は、テトラヒドロフランに4wt%のポリマー成分を溶解し調整した。 接着溶液が溝のなかで測定される間、図1に示す芯金をチャックに取り付け、200から300rpmにて回転する。この工程は乾燥した接着剤が溝を満たすまで継続された。それから、芯金は175℃で加熱され、表1に示すポリウレタンプレポリマーに3分間浸された。その加熱芯金に形成されたバルーン(ストック)膜は肉厚が約0.203mmであった。その後、バルーンは室温まで冷却された。 10%のポリウレタン接着剤溶液(上記処方参照)を調整し、0.0254mmの接着性ポリウレタン膜を作製するため、上記研磨されたガラス板の上で空気乾燥された。その接着剤は2mm幅、9mm長の短冊に切断し、芯金の目盛り線のところでバルーン(ストック)の周りに巻きつけられた。 芯金は回転治具に水平に取り付け、空気対流オーブンに150℃で30分間放置し、ポリウレタンプレポリマーを硬化した。ストックは、4個のバルーンに分割された。バルーンの物理的特性は表2に示す通りである。」(第5欄第9行~第46行) (ホ)そのようにしてなるバルーンの破断強度(Tensile Elongation)%が、670~770の範囲にあること。(第6欄、表II) (ヘ)発明者が米国オハイオ州在住であること。(第1頁、「発明者」の項) (2)-3 刊行物C:米国特許第4555242号明細書(特許異議申立人・白石仁の提出した甲第3号証) (イ)「患者の膀胱、若しくは人工膀胱から外科的に造設された瘻孔を通して排泄物を排出するための器具は、瘻孔を通して膀胱に挿入可能なチューブとチューブのほぼ全長に渡って覆う膨張可能なバルーンからなるものである。」(第1頁右欄第4行~第9行) (ロ)「・・・排液用器具10は図1、2、3に示されている。最も良く示された図2のように、器具10は生体適合性のある高分子から作製された柔軟なチューブ又は管12を備えている。・・・膨張可能なバルーン28は、拡張可能な材質の波打った形状の管状膜を、後者の内側と外側の末端近くでチューブに接着することにより、チューブ12の周りにその長さ方向の大部分に沿って形成される。その膜を接着する工程は、以下にある程度詳細に述べる。しかし、ここで、バルーン28の物理的特性について述べるのが適当である。特に、バルーン28は、シリコーン分散液若しくはジメチルシロキサンエラストマー分散液により作製されるのが好ましく、その物理的特性は、加硫後、以下のおよその範囲内になる。 引張強度(lbs/in2):1200-1500 伸び率(elongation Percent):600-900 引裂き(lbs/in):100-200 デューロメーター ショアA:30-80 このバルーン28の好適な弾性材料としては、市販品の登録商標SilasticQ7-2213医薬級(ダウコーニング社製)が使用できる。また、ポリビニルクロライドやポリウレタンのような弾性材料も使用できる。」(第3欄第41行~第4欄第5行) (ハ)発明者が米国カリフォルニア州在住であること。(第1頁、「発明者」の項) (3)対比・判断 (イ)上記(2)-2(イ)~(ホ)の記載を踏まえると、刊行物Bには、 医療用バルーンが付設されたカテーテルであって((2)-2(イ)、(ハ)参照)、 該バルーンは、ポリウレタンからなり((2)-2(ロ)、(ニ)参照) 該バルーンの破断強度(Tensile Elongation)%が、670~770の範囲にある((2)-2(ホ)参照) カテーテルに係る発明が記載されている。 (ロ)また、上記(2)-3(イ)~(ロ)の記載を踏まえると、刊行物Cには、 医療用バルーンが付設されたカテーテルであって((2)-3(イ)参照)、 該バルーンは、シリコーンゴムあるいはポリウレタンからなり((2)-3(ロ)参照) 該バルーンの伸び率(elongation Percent)が、600~900の範囲にある((2)-3(ロ)参照) カテーテルに係る発明が記載されている。 (ハ)本件発明と刊行物B、刊行物Cに記載の発明(以下、引用発明とする)とを比較すると、両者は、医療用バルーン付きカテーテルに関し、バルーンがポリウレタンあるいはシリコンゴムからなるものである点で一致し、(a)バルーンの成膜法に関し、本件発明がディッピング法に限定するのに対して、引用発明では成膜法に関する特段の限定が無い点;(b)バルーンの性状に関し、本件発明では、「破断伸びが700~800%」であること、バルーンの「偏り発生率」が10%以下、「バルーン破損率」が10%以下と規定するのに対して、引用発明では、破断強度(Tensile Elongation)%が670~770(刊行物B)あるいは伸び率(elongation Percent)が、600~900(刊行物C)であることを特定し、「偏り発生率」、「バルーン破損率」に関し、特段の規定が無い点で、一応相違する。 (ニ)以下、上記相違点を検討する。 (ホ)まず、(a)に関して、当該技術分野では、成膜のための手法として「ディッピング法」は周知慣用の方法であると認められる。したがって、本件発明で、成膜に際しては普通に採用される方法である「ディッピング法」を成膜法として限定したことにより、引用発明と比較して格別の差異をもたらすものとすることができない。 なお、この点に関しては、平成14年8月1日付の審尋2.(1)で、その旨を指摘したものであるが、これに対する特許権者からの応答は無かった。 (ヘ)つぎに、(b)について検討する。まず、刊行物Bの破断強度(Tensile Elongation)及び刊行物Cの伸び率(elongation Percent)は、本件発明の「破断伸び」に相当するものである点は明らかである。(そこで、以下では、「破断強度(Tensile Elongation)」、「伸び率(elongation Percent)」も、本件発明と同様に、「破断伸び」と表現することとする。) ここで、引用発明には破断伸びの測定方法についての記載はないが、刊行物B及び刊行物Cは米国在住の発明者によりなされた特許出願であること((2)-2(ヘ)、(2)-3(ハ)参照)を踏まえると、その測定方法は米国で広く採用されているASTM D412を使用したものと解するのが相当である。(例えば、特許異議申立人・白沢仁の提出した甲第4号証~甲第7号証(いずれも英語で表記されている)では、引用発明と同様の素材の「破断伸び」がASTM D412により測定されているが、このうち同甲第4号証は米国で印刷された刊行物であり、同甲第7号証の発明者が米国在住である。引用発明において、破断伸びは具体的数値をもって記載されているのであり、特殊な方法で測定したものであれば、当該方法について言及されていると考えるのが自然である。) 一方、本件発明においては、破断伸びは「JIS K-6301に準じて」測定されたもの(本件特許明細書段落番号【0023】参照)であるが、「ASTM D412」で採用されている試験方法と「JIS K6310」で採用されている試験方法とは、きわめて類似したものと認められるから、同じ試料を使用した場合に、「ASTM D412」による試験と「JIS K6310」による試験とは、概ね同様の数値をもたらすといえる。(この点に関し、「ASTM D412」で採用されている試験方法(特許異議申立人・白沢仁の提出した甲第9号証)と「JIS K6310」で採用されている試験方法(特許異議申立人・白沢仁の提出した甲第8号証)とを比較しても、試験片の厚さ、引っ張る速さの点で格別の差異があるものとも認められないし、また、試験片の形状の差異は「破断伸び」の結果に大きな差異をもたらさないこと(特許異議申立人・白沢仁の提出した甲第10号証)が知られている。) (ト)そうしてみると、本件発明での「破断伸び」の数値範囲と引用発明でのそれとは数値的に大きく重なるものであるから、両者は実質的に同じ「破断伸び」を有するものと認められる。 (チ)次に、「偏り発生率」、「バルーン破損率」に関し検討する。 本件発明において、「偏り発生率」は、「バルーン外径をカテーテル遠位端の中心線から長さa、bに分け、その比率」(本件特許明細書段落番号【0026】)として、また、「バルーン破損率」は、「試験用試料であるカテーテルチューブに装着されたバルーンに、規定量の3倍の空気を注入し、その時破損したバルーンの割合」(本件特許明細書段落番号【0027】)として、それぞれ規定されるものである。ここで、本件特許明細書段落番号【0019】には、「本発明のバルーンを形成する弾性材料フィルムは、破断伸びが800%以下であることが必要である。破断伸びが800%を越える場合には、作製されたバルーンの外径は一定量の送気により比較的大きくなるものの、形状に偏りが生じ易い。破断伸びの下限は、・・・バルーンが破損し難いこと等からみて、700%程度までとすることが必要である。」とされており、破断伸びを700~800%に特定することにより、必然的に、「偏り発生率が10%以下、かつ、バルーン破損率が10%以下」となるものと認められる。 (リ)そうしてみると、本件発明と引用発明とは実質的に同じ「破断伸び」を有するものである(上記(ト)参照)から、本件発明と引用発明とは、同じ程度の「偏り発生率」、「バルーン破損率」をも有するものとすべきものであって、上記(ハ)(b)の点により、本件発明と引例発明とが相違するとすることはできない。 なお、以上の点に関しても、平成14年8月1日付の審尋により、特許権者の意見を問うた(審尋2.(3)で「破断伸び」と「偏り発生率」、「バルーン破損率」との関係について;同3.(1)で、「JIS K-6301」と「ASTM D412」の関係について)が、特許権者からの応答は無かった。 (ヌ)してみれば、本件発明は、実質的に刊行物B及び刊行物Cに記載された発明ということになる。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件発明は、その出願日前に頒布された刊行物に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第1項第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 カテーテル (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、またはポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物からなる弾性材料の有機溶剤溶液に型を浸漬して成膜するディッピング成形法により成形された破断伸びが700~800%のフィルムからなり、偏り発生率が10%以下、かつ、バルーン破損率が10%以下であることを特徴とするカテーテル。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、カテーテルに関し、さらに詳しくは、バルーンの拡張時における形状に偏りがない医療用バルーン付きカテーテルに関する。 【0002】 【従来の技術】 カテーテル遠位端部(先端部)の近傍にバルーンが設けられている医療用バルーン付きカテーテルとしては、例えば、血管内留置用カテーテルや胆道結石・腎尿管結石除去用カテーテルなど各種のものが知られている。 【0003】 血管内留置用のカテーテルとしては、例えば、バルーン付きぺーシングカテーテルがある。心臓に不整脈、心不全等の障害が起こった場合、体外ぺースメーキングのための経静脈カテーテル電極が挿入され、緊急ぺーシングまたは一時的ぺーシングにより心臓の活動を正常に保たせる。この場合、通常はカテーテル法にしたがってバルーン付きぺーシングカテーテルを用い、経静脈的に心臓まで挿入してぺーシングを行う。 【0004】 すなわち、ぺーシングカテーテルの施術方法では、通常、シース・イントロデューサにより皮膚の切開部から末梢静脈、例えば大腿静脈や鎖骨下静脈などを刺針し、このイントロデューサを通してぺーシングカテーテルを体内に挿入する。次いで、バルーンを炭酸ガスまたは空気によりふくらませると、ぺーシングカテーテルを血管および心臓内の血流に乗せて、静脈、右心房および三尖弁を経由してその遠位端電極を目的部位である右心室心尖部まで挿入し、そこに留置することができる。ぺーシングカテーテルの遠位端電極は、ステンレス鋼、白金等の硬質金属によって作製されているため、挿入時に該遠位端電極による心臓および血管への傷害、あるいは無理に挿入しようとした場合の穿孔の危険性を防ぐため、バルーン拡張(膨張)時に遠位端部がバルーンにより覆われて突出することのないようにしたカテーテルも知られている。 【0005】 血管内留置用のカテーテルの他の例として、サーモダイリューションカテーテルがある。心臓の働きを示す指標となる心拍量の測定法には、酸素消費量と動脈血酸素較差から計算するFick法と、静脈の末梢で注入した指示薬が中枢の静脈でどれだけ薄まったかで測定する指示薬希釈法がある。サーモダイリューション法(熱希釈法)では、指示薬である冷水がどれだけ暖まるかを測定する。サーモダイリューションカテーテルを挿入する場合、該カテーテルを例えば左肘静脈から挿入して、鎖骨下静脈から上大静脈まで進め、ここで先端のバルーンをふくらませて、ゆっくりと進めるとバルーンが血流に乗って右心室、肺動脈へと容易に挿入される。バルーンの気体を抜くと肺動脈圧になるので、この部位にカテーテルを固定する。 【0006】 胆道結石・腎尿管結石除去用カテーテルの例としては、バルーン付のフォガティカテーテルが挙げられる。該カテーテルは、総胆管切開部より総肝管、さらには肝内胆管にまで挿入し、バルーンを蒸留水や食塩水などでふくらませて、カテーテルをゆっくり引き抜くことにより、総胆管結石や肝内結石、胆砂などを除去する。胆管内造影を行う場合には、バルーンを拡張させたまま、カテーテルの遠位端孔と連通した内腔を介して、造影剤の注入が行われる。このため、バルーンの外径は大きく、均一に拡張することが好ましい。 【0007】 これらのカテーテルに設けられているバルーンは、弾性材料で形成されたフィルム(膜)からなるものであり、圧感受性、機械的物性および抗血栓性に優れていることが望ましい。弾性材料の材質としては、例えば、シリコンゴム、ポリウレタン、天然ゴム等がある。これらの弾性材料を用いてバルーンを製造するには、通常、弾性材料の有機溶剤溶液に型を浸漬して製膜するディッピング法が採用されている。 【0008】 バルーンカテーテル(3)は、図3に示すように、通常、その先端である遠位端部(1)の近傍にバルーン(2)が取りつけられている。カテーテルの用途に応じて、遠位端部(1)には、尖端孔、電極またはサーミスターなどが設けられている。バルーン(2)を拡張させると、遠位端部(1)を覆ってその突出を防ぐようにしたものもある。 【0009】 ところが、従来のバルーンは、均一に拡張しない場合が多く、形状に偏りが生じ易い。具体的には、図2に示すように、遠位端部(1)に対して、拡張したバルーン(2)の中心位置がずれて偏心する。 【0010】 拡張したバルーン形状に偏りが生じると、例えば、血管内留置用カテーテルの場合には、バルーンが遠位端部を覆うことが困難となり、硬質金属製の遠位端電極によって心臓および血管内壁へ傷害を与えるおそれがある。また、遠位端部による心臓内壁への刺激により不整脈を発生させる危険性がある。胆道結石・腎尿管結石除去用カテーテルに関しては、バルーン形状に偏りが生じ不均一になると、結石等の除去を十分に行うことが困難となる。また、胆管内へ造影剤を注入する操作も難しくなる。 【0011】 しかしながら、従来、このようなバルーン形状の偏りについては十分な注意が払われておらず、それを防止するための効果的な方法も提案されていない。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、拡張時のバルーン形状に偏りがなく、機能性に優れた医療用バルーン付きカテーテルを提供することにある。 本発明者らは、カテーテルのバルーン形状の偏り発生の原因について研究を行った結果、従来のバルーン材料は、破断伸びが比較的大きく、それがバルーンをふくらませた場合にバルーン形状に偏りを与える原因であることを見出した。 【0013】 すなわち、本発明者らは、各種弾性材料を使用して、スリーブ径、肉厚、膨潤度、破断伸びなどの異なるバルーンを作成し、バルーン形状の偏りの原因について検討したところ、破断伸びの小さなフィルム(膜)で作製されたバルーンが拡張時に偏りのない形状を示すことを見いだした。 【0014】 従来、バルーンをふくらませ易くし、大きな形状に拡張させるために、比較的破断伸びの大きいフィルムでバルーンを形成していた。措置時には、一定量の送気によりバルーンをふくらませるが、その場合、十分にふくらませきらないで、いわば拡張途中の段階で使用するため、従来の破断伸びの大きいバルーンの場合には、均一に拡張せずに偏りが生じる。また、破断伸びの大きいほど、一定量の送気によってバルーン外径が大きくなり易い。これらが、拡張時にバルーン外径に偏りが生じる原因であると推定できる。 【0015】 これに対して、破断伸びの小さなフィルムを与える弾性材料でバルーンを作製し、拡張時のバルーン形状評価を行ったところ、破断伸びが700~800%のフィルムからなるバルーンが通常の使用条件下において、均一にふくらみ、バルーン形状の偏りが顕著に改善されることを見いだした。 本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。 【0016】 【課題を解決するための手段】 かくして、本発明によれば、医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、またはポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物からなる弾性材料の有機溶剤溶液に型を浸漬して成膜するディッピング成形法により成形された破断伸びが700~800%のフィルムからなり、偏り発生率が10%以下、かつ、バルーン破損率が10%以下であることを特徴とするカテーテルが提供される。 【0017】 以下、本発明について詳述する。 本発明のバルーン付きカテーテルにおいて、バルーンを形成する材料は、弾性体であって、かつ、圧感受性、機械的物性および抗血栓性に優れていることが好ましい。このような弾性材料としては、例えば、シリコンゴム、ポリウレタン、天然ゴム等、バルーン用材料として知られている各種弾性材料が好適に使用できる。ポリウレタンとしては、ポリウレタンのみならず、ポリウレタンウレア、ポリウレタン・シリコーンブロック共重合体、フッ素化ポリウレタン、フッ素化ポリウレタンウレアなどのポリウレタン系ポリマーを含む。また、ポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物であってもよい。 【0018】 弾性材料を用いてバルーンを製造するには、ディッピング成形法が採用される。ディッピング成形法では、弾性材料と必要に応じて各種添加剤を有機溶剤に溶解して溶液とし、この溶液に型を浸漬して製膜する。溶液中に型を浸漬させて型の表面に溶液を塗布し、溶剤を蒸発させて型表面に被膜を形成させる。浸漬と乾燥を繰り返すことにより所望厚みのフィルム(膜)を積層形成することができる。弾性材料の種類によっては、製膜後、加硫または架橋する。 【0019】 本発明のバルーンを形成する弾性材料フィルムは、破断伸びが800%以下であることが必要である。破断伸びが800%を越える場合には、作製されたバルーンの外径は一定量の送気により比較的大きくなるものの、形状に偏りが生じ易い。破断伸びの下限は、拡張時にバルーンがカテーテル遠位端部を覆うことが可能であること、拡張時に必要とされるバルーン形状の大きさを確保できること、およびバルーンが破損し難いこと等からみて、700%までとすることが必要である。したがって、本発明におけるバルーン材料の破断伸びの範囲は、700~800%である。 【0020】 本発明において、破断伸びの値は、JIS K-6301にしたがって、引張試験機(TOYO BALDWIN Co.LTD社製)を用い、クロスヘッド速度500mm/分、温度23℃、湿度65%の条件にて測定し、算出した値である。 【0021】 また、本発明のカテーテルにおけるバルーン材料は、後述する測定法により測定した偏り発生率が10%以下、バルーン破損率が10%以下であることが好ましい。 【0022】 弾性材料で形成されたフィルムの破断伸びを800%以下とするには、例えば、天然ゴムを使用する場合には、加硫剤や加硫促進剤の種類、添加量を変化させるなど配合処方を適宜選択する方法、ポリウレタンの場合には、構成成分や分子量を調整する方法などがあり、特に限定されない。 【0023】 【実施例】 以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。 なお、物性の測定方法は、以下のとおりである。 【0024】 <破断伸び> 引張試験機により求めた。測定条件は、JIS K-6301に準じて以下の方法で測定し、算出した。 引張試験機:TOYO BALDWIN Co.LTD社製 温度:23℃ 湿度:65% クロスヘッド速度:500mm/分 【0025】 <偏り発生率> カテーテルチューブに装着されたバルーンに、規定量の空気(0.8cc)を注入し、レーザー外径測定器(キーエンス社製、LS-3100)によりバルーン形状の測定を行った。測定されたバルーン外径の最大値を、バルーン外径とした。 【0026】 図1および図2に示すように、バルーン外径をカテーテル遠位端の中心線から長さa、bに分け、その比率を偏り度とし、カテーテル遠位端部の露出の有無および見栄えの点から、偏り度が1.8以上を偏り発生とした。そして、各試料における偏り発生の割合を、偏り発生率として表示した。試料は各100個とした。 【0027】 <バルーン破損率> 試験用試料であるカテーテルチューブに装着されたバルーンに、規定量の3倍の空気を注入し、その時破損したバルーンの割合を測定した。 この試験法を採用している理由は、バルーンを拡張させる際、バルーン部は体内に位置しているため、拡張の有無の確認が明確に行われない場合があり、既に拡張しているバルーンに再度炭酸ガスまたは空気を注入してしまう危険があるためである。規定量の2倍、好ましくは3倍の気体が注入されても破損し難いバルーンが望ましい。 【0028】 [実施例1~3、比較例1~2] 天然ゴムラテックスに、水酸化カリウム溶液、ラウリン酸カリウム溶液、加硫剤として硫黄分散体、酸化亜鉛分散体、および加硫促進剤としてジブチルジチオカルバミン酸亜鉛分散体を加えた配合処方で、加硫促進剤をテトラメチルチウラム・ジスルフィド、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、またはジフェニル・グアニジンなどに変えて、破断伸びを変量させたもの5種類を調製し、それぞれを弾性材料として用い、ディッピング成形法により製膜した後、加硫して厚さ0.2mmの天然ゴムバルーン材料(フィルム)を作製した。 【0029】 かくして得られた各バルーン材料について、破断伸びを測定した。 次に、外径が1.6mmのポリウレタン製カテーテルチューブの遠位端部に、各バルーン材料を長さ6.0mmにカットしたものを公知の方法にて装着し、バルーン部分およびぺーシングカテーテル先端部を作製した。作製試料数は各100個とし、偏り発生率およびバルーン破損率を測定した。結果を表1に示す。 【0030】 【表1】 【0031】 表1から明らかなように、破断伸びが大きい従来のバルーン材料を用いた場合(比較例1)には、偏り発生率が極めて高い。これに対して、バルーン材料の破断伸びが700~800%の場合(実施例1~3)には、拡張時のバルーン形状の偏りが顕著に減少することがわかる。また、バルーン破損率の観点から(比較例2)、破断伸びは700%以上であることが必要である。 【0032】 【発明の効果】 本発明によれば、バルーン形状の偏りが顕著に防止され、機能性に優れたバルーン付きカテーテルが提供される。本発明のカテーテルは、そのバルーン部分がその機能を問題なく発揮することができるため、各種のバルーンカテーテルとして好適である。 【図面の簡単な説明】 【図1】 拡張後の偏りの無いバルーン形状を示す正面図 【図2】 拡張後の偏りの有るバルーン形状を示す正面図 【図3】 バルーン付きカテーテルの模式図 【符号の説明】 1 カテーテル遠位端部 2 バルーン 3 バルーン付きカテーテル a カテーテル中心線からバルーン外径までの最長部分の長さ b カテーテル中心線からバルーン外径までの最短部分の長さ |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 ▲1▼訂正事項a 特許請求の範囲の請求項1に係る記載 「医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタンおよびシリコンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種の弾性材料で形成された破断伸びが700~800%のフィルムからなることを特徴とするカテーテル。」 を、 「医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、またはポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物からなる弾性材料の有機溶剤溶液に型を浸漬して成膜するディッピング成形法により成形された破断伸びが700~800%のフィルムからなり、偏り発生率が10%以下、かつ、バルーン破損率が10%以下であることを特徴とするカテーテル。」 と訂正する。 ▲2▼訂正事項b 段落番号【0016】の「かくして、本発明によれば、医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタンおよびシリコンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種の弾性材料で形成された破断伸びが700~800%のフィルムからなることを特徴とするカテーテルが提供される。」を、 「かくして、本発明によれば、医療用バルーン付きカテーテルにおいて、該バルーンが天然ゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、またはポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物からなる弾性材料の有機溶剤溶液に型を浸漬して成膜するディッピング成形法により成形された破断伸びが700~800%のフィルムからなり、偏り発生率が10%以下、かつ、バルーン破損率が10%以下であることを特徴とするカテーテルが提供される。」 と訂正する。 ▲3▼訂正事項c 段落番号【0017】の「また、ポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンドのように、ポリウレタンと異種ポリマーとのブレンド物であってもよい。」を、 「また、ポリウレタンとポリジメチルシロキサンとのブレンド物であってもよい。」 と訂正する。 ▲4▼訂正事項d 段落番号【0018】の「弾性材料を用いてバルーンを製造するには、各種製膜法が採用可能であるが、一般にディッピング成形法が好ましい。」を、 「弾性材料を用いてバルーンを製造するには、ディッピング成形法が採用される。」 と訂正する。 ▲5▼訂正事項e 段落番号【0021】の「偏り発生率が10以下」を、 「偏り発生率が10%以下」 と訂正する。 ▲6▼訂正事項f 段落番号【0022】の「850%以下」を、 「800%以下」 と訂正する。 ▲7▼訂正事項g 段落番号【0024】の「判断伸び」を、 「破断伸び」 と訂正する。 |
異議決定日 | 2002-11-14 |
出願番号 | 特願平3-355068 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
ZA
(A61L)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 高原 慎太郎 |
特許庁審判長 |
田中 倫子 |
特許庁審判官 |
守安 智 松浦 新司 |
登録日 | 2001-07-06 |
登録番号 | 特許第3206064号(P3206064) |
権利者 | 日本ゼオン株式会社 |
発明の名称 | カテーテル |
代理人 | 西川 繁明 |
代理人 | 西川 繁明 |