• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G03G
管理番号 1077776
審判番号 不服2000-7442  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-12-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-05-18 
確定日 2003-06-30 
事件の表示 平成 7年特許願第139284号「電子写真用被転写フィルム、カラートナー及びカラー画像形成方法」拒絶査定に対する審判事件〔平成 8年12月17日出願公開、特開平 8-334915、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1 本願発明
本願は、平成7年6月6日の出願であって、その請求項1~4に係る発明は、平成12年3月16日付け手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲、請求項1~4に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。

2 引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由の概要は、本願の請求項1~4に係る発明は、特開平5-113709号公報(引用例1)、特開平4-125567号公報(引用例2)、特開平3-48860号公報(引用例3)、特開平5-249791号公報(引用例4)特開昭63-92965号公報(引用例5)、特開平5-127413号公報(引用例6)、特表平5-504637号公報(引用例7)、特開平6-64314号公報(引用例8)、特開平1-267658号公報(引用例9)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、本願の請求項1~4に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用例1には、カラー画像転写体及びカラー画像形成方法に関する発明、引用例2には透光性転写媒体に関する発明が記載されている。各引用例の記載事項の摘示は省略する。
なお、以下、本願の請求項1に係る発明を「本願発明1」といい、請求項2以降の各発明を順次「本願発明2」、「本願発明3」、「本願発明4」のように言う。

3 当審の判断
(1)本願発明1について
本願発明1は、トナー像の凹凸を十分小さくし、投影画像の発色性を向上させ、同時に透明樹脂層のオフセット発生を防止できる電子写真用被転写フィルムを提供することを課題とし、その解決のために透明プラスチックフィルムの少なくとも一面にポリエステル樹脂の透明樹脂層を設けた電子写真用被転写フィルムにおいて、被転写フィルムの透明樹脂層の樹脂とトナーとの結着樹脂との間の、分子量分布のピ-クカウント値の差(A-B)を-30~+20の範囲に、透明樹脂層の厚さを1~8μmとし、かつ分子量開始カウント値の差(Cp-Ct)を-500~-200の範囲にし、更に被転写フィルムの透明樹脂層と定着されるトナーとの溶融トナー傾斜角を50°以下とする、という構成を採用したものである。
しかし、引用例1~9には、このような課題及びその解決のために採用された前記のような構成について記載がなく、示唆もない。
なお、引用例1は普通紙等の上に光沢を有するカラー画像を形成するための転写体について記載したものであるのに対し、引用例2は透光性転写媒体について記載したものであるから、これらに記載の技術を組み合わせるべき合理的な理由は認められず、またたとえ組み合わせたとしても上記した本願発明1の構成のものにはならない。
そして、本願発明1では、投影画像において濁りがなく、発色性に優れた画質を得ることができ、透明樹脂層のオフセット発生がなく、安定した加熱加圧定着を可能にするという効果が奏されるものである。
したがって、本願発明1は、引用例1~9に記載の発明に基づいて当業者が容易になし得たものであるとは認められない。

(2)本願発明2~本願発明4について
本願発明2、本願発明3及び本願発明4は、いずれも本願発明1の構成を全て備えるものであるから、上記(1)の「本願発明1について」の項で述べたのと同様な理由により、引用例1~9に記載の発明から当業者が容易になし得たものであるとすることはできない。

以上のとおりであり、本願の請求項1~4に係る発明は、引用例1~9に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2003-06-18 
出願番号 特願平7-139284
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G03G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 菅野 芳男  
特許庁審判長 嶋矢 督
特許庁審判官 植野 浩志
阿久津 弘
発明の名称 電子写真用被転写フィルム、カラートナー及びカラー画像形成方法  
代理人 金山 敏彦  
代理人 石田 純  
代理人 吉田 研二  
代理人 吉田 研二  
代理人 金山 敏彦  
代理人 石田 純  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ