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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 D21H 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 D21H 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 D21H 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 D21H |
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管理番号 | 1371664 |
異議申立番号 | 異議2019-700953 |
総通号数 | 256 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2021-04-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-11-27 |
確定日 | 2020-12-14 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6519760号発明「ガラス板用合紙」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6519760号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-13〕について訂正することを認める。 特許第6519760号の請求項〔1、3、4、7、10、11〕、〔12、13〕に係る特許を維持する。 特許第6519760号の請求項2、5、6、8、9に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6519760号の請求項1?13に係る特許についての出願は、平成27年9月11日(優先権主張 平成26年9月11日)に出願した特願2015-179978号の一部を平成29年8月24日に新たな特許出願としたものであって、令和元年5月10日に特許権の設定登録がされ、令和元年5月29日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立て以降の経緯は、次のとおりである。 令和元年11月27日:特許異議申立人伊藤裕美(以下「申立人」という。)による特許異議の申立て 令和2年2月6日付け:取消理由通知 令和2年4月9日:特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和2年6月8日:申立人による意見書の提出 令和2年7月28日付け:取消理由通知(決定の予告) 令和2年9月29日:特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和2年9月29日に訂正請求書が提出されたことにより、特許法第120条の5第5項の規定により、申立人に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、当該期間内に意見書の提出はなかった。 また、令和2年4月9日の訂正請求書による訂正の請求は、令和2年9月29日に訂正請求書が提出されたことにより、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 第2 訂正の請求についての判断 1 訂正の内容 令和2年9月29日提出の訂正請求書による訂正の請求は、「特許第6519760号の特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?13について訂正することを求める。」というものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。 (訂正事項1) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に 「セルロース繊維を原料とするガラス板用合紙であって、 前記ガラス板用合紙のJIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?6.0であるガラス板用合紙。」とあるのを、 「セルロース繊維を原料とする、TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙であって、 前記ガラス板用合紙のJIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?5.5であるTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙。」に訂正する。(請求項1を引用する請求項3、4、7、10、11についても同様に訂正する。) (訂正事項2) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (訂正事項3) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項3に 「請求項1又は2記載のガラス板用合紙。」とあるのを、 「請求項1記載のガラス板用合紙。」に訂正する。(請求項3を引用する請求項4、7、11についても同様に訂正する。) (訂正事項4) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項5を削除する。 (訂正事項5) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (訂正事項6) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項7に 「請求項1乃至6のいずれかに記載のガラス板用合紙。」とあるのを、 「請求項1、3及び4のいずれかに記載のガラス板用合紙。」に訂正する。(請求項7を引用する請求項11についても同様に訂正する。) (訂正事項7) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (訂正事項8) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項9を削除する。 (訂正事項9) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項10に 「請求項9記載のガラス板用合紙。」とあるのを、 「請求項1記載のガラス板用合紙。」に訂正する。 (訂正事項10) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項11に 「請求項1乃至10のいずれかに記載のガラス板用合紙及びガラス板からなる積層体。」とあるのを、 「請求項1、3、4、7及び10のいずれかに記載のガラス板用合紙及びTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板からなる積層体。」に訂正する。 (訂正事項11) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項12に 「セルロース繊維及び少なくとも硫酸アルミニウムを水に分散及び溶解して水性分散液を得る分散工程、 前記水性分散液を濾過及び/又は脱水して湿紙を得る抄紙工程、 前記湿紙を乾燥する乾燥工程 を含む、JIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?6.0であるガラス板用合紙の製造方法であって、 前記分散工程において水に溶解される硫酸アルミニウムの量をセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5?3.5重量部とする、ガラス板用合紙の製造方法。」とあるのを、 「セルロース繊維及び少なくとも硫酸アルミニウムを水に分散及び溶解して水性分散液を得る分散工程、 前記水性分散液を濾過及び/又は脱水して湿紙を得る抄紙工程、 前記湿紙を乾燥する乾燥工程 を含む、JIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?5.5であるTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙の製造方法であって、 前記分散工程において水に溶解される硫酸アルミニウムの量をセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5?3.5重量部とする、TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙の製造方法。」に訂正する。(請求項12を引用する請求項13についても同様に訂正する。) ここで、訂正前の請求項1?11は、請求項2?11が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接又は間接的に引用する関係にあり、訂正前の請求項12及び13は、請求項13が、訂正の請求の対象である請求項12の記載を直接に引用する関係にあるから、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項〔1?11〕、〔12、13〕について請求されている。 2 訂正の適否 (1)訂正事項1及び11について ア 訂正の目的 上記訂正事項1及び11は、請求項1及び12において、本件訂正前の「ガラス板用合紙」について、「TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用」に限定し、さらに「熱水抽出pH」について、「3.5?5.5」にその範囲を狭めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項1及び11は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項1及び11は、本件訂正前の【請求項2】、【請求項8】、【請求項9】及び本件特許明細書の【0036】等の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的 上記訂正事項2は、本件訂正前の請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的 上記訂正事項3は、上記訂正事項2により請求項2が削除されたことに伴い、本件訂正前の請求項3が「請求項1又は2」を引用するものから「請求項1」を引用するものに整合させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項3は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項3は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的 上記訂正事項4は、本件訂正前の請求項5を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項4は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項4は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的 上記訂正事項5は、本件訂正前の請求項6を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項5は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項5は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的 上記訂正事項6は、上記訂正事項2、4及び5により請求項2、5及び6が削除されたことに伴い、本件訂正前の請求項7が「請求項1乃至6」を引用するものから「請求項1、3及び4」を引用するものに整合させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項6は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項6は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (7)訂正事項7について ア 訂正の目的 上記訂正事項7は、本件訂正前の請求項8を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項7は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項7は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (8)訂正事項8について ア 訂正の目的 上記訂正事項8は、本件訂正前の請求項9を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項8は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項8は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (9)訂正事項9について ア 訂正の目的 上記訂正事項9は、上記訂正事項7及び8により請求項8及び9が削除されたことに伴い、本件訂正前の請求項10が「請求項9」を引用し、請求項9が請求項8を引用し、さらに請求項8が請求項1乃至7を引用するものから「請求項1」を引用するものに整合させるとともに引用する請求項を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び第3号に規定する明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項9は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項9は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (10)訂正事項10について ア 訂正の目的 上記訂正事項10は、上記訂正事項2、4、5、7及び8により請求項2、5、6、8及び9が削除されたことに伴い、本件訂正前の請求項11が「請求項1乃至10」を引用するものから「請求項1、3、4、7及び10」を引用するものに整合させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項10は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項10は、上記アのとおりであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (11)小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?11〕、〔12、13〕について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記のとおり本件訂正は認められたから、本件特許の請求項1、3、4、7、10?13に係る発明(以下「本件発明1、3、4、7、10?13」という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1、3、4、7、10?13に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 セルロース繊維を原料とする、TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙であって、 前記ガラス板用合紙のJIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?5.5であるTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙。 【請求項2】(削除) 【請求項3】 更に、硫酸アルミニウムを原料とする、請求項1記載のガラス板用合紙。 【請求項4】 前記硫酸アルミニウムの量がセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5?3.5重量部である、請求項3記載のガラス板用合紙。 【請求項5】(削除) 【請求項6】(削除) 【請求項7】 単層である、請求項1、3及び4のいずれかに記載のガラス板用合紙。 【請求項8】(削除) 【請求項9】(削除) 【請求項10】 前記ガラス板表面にカラーフィルターが形成される、請求項1記載のガラス板用合紙。 【請求項11】 請求項1、3、4、7及び10のいずれかに記載のガラス板用合紙及びTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板からなる積層体。 【請求項12】 セルロース繊維及び少なくとも硫酸アルミニウムを水に分散及び溶解して水性分散液を得る分散工程、 前記水性分散液を濾過及び/又は脱水して湿紙を得る抄紙工程、 前記湿紙を乾燥する乾燥工程 を含む、JIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?5.5であるTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙の製造方法であって、 前記分散工程において水に溶解される硫酸アルミニウムの量をセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5?3.5重量部とする、TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙の製造方法。 【請求項13】 前記水性分散液のpHを3.5?5.8とする、請求項12記載の製造方法。」 第4 当審の判断 1 取消理由の概要 令和2年4月9日の訂正請求書による訂正に対して通知した令和2年7月28日付け取消理由通知(決定の予告)の概要は、以下のとおりである。 (1)(新規性)請求項1?4、7?9、11に係る発明は、本件特許出願前日本国内または外国において頒布された下記の甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であって、請求項1?4、7?11に係る特許は、特許法第29条第1項第3号に該当するから、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (2)(進歩性)請求項1?4、7?13に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1?4、7?13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (3)(明確性要件)(実施可能要件)本件発明5中の「固体のアルミニウム系無機物質を含まない」は、その文言から、ガラス用合紙に固体のアルミニウム系無機物質を含まないことを意味すると理解されるが、本件特許明細書には、硫酸アルミニウムを添加してpHを調製する事が記載されており、【0028】には、合紙中のアルミニウム系無機物が減少することは記載されているが、含まないことまでは、記載されていない。 また、【0050】には、「実施例2?4のガラス板用合紙を用いたガラス板の表面にはアルミニウム系無機物が全く検出されなかった。」と記載されている。 そうすると、当該記載は、何に「固体のアルミニウム系無機物質を含まない」ことを特定しているのか明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。 また、当該記載が、ガラス用合紙に固体のアルミニウム系無機物質を含まないことを意味するとすると、本件特許明細書には、どのようにして実施するのか当業者が実施できる程度に記載されてないから、特許法第36条第4項第1号の規定に違反してされたものである。 請求項5を引用する請求項6も同様である。 記 <刊行物> 甲第1号証:実願昭61-66360号(実開昭62-179957号)のマイクロフィルム 甲第2号証:特開昭60-166246号公報 甲第3号証:特開2009-184704号公報 甲第4号証:大江礼三郎翻訳監修、紙およびパルプ製紙の化学と技術 第3巻、有限会社 中外産業調査会、昭和58年4月25日、p.458?459 甲第5号証:紙パルプ技術便覧、紙パルプ技術協会、1992年1月30日 5版発行、p.446?447 甲第6号証:”紙、板紙及びパルプ-水抽出液pHの試験方法 P8133”、JISハンドブック 32 紙・パルプ、財団法人日本規格協会、2012年1月23日、p.348?349 甲第7号証:JAPAN.TAPPI紙パルプ試験方法 No.6-75 紙及び板紙の表面pH試験方法、1990年12月 甲第8号証:J.TAPPI紙パルプ試験方法 No.49-86 紙の表面pH測定方法、昭和62年4月 甲第9号証:泥谷直大、”紙パルプ製造の基礎知識(37)ウエットエンドケミストリーと中性抄紙(1)”、紙パルプ技術タイムス、1993年7月1日、第36巻、第8号、p.23?32 令和2年6月8日の意見書に添付した証拠 甲第10号証:特開2003-41498号公報 甲第11号証:”硫酸アルミニウム ー硫酸バンドー”、大明化学工業株式会社、2019年6月 甲第12号証:白田 誠人、”紙の劣化問題の現状と劣化機構”、紙パ技協誌、1984年1月、第38巻、第1号、p.48?57 甲第13号証:JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.49-1:2000 紙-表面pH測定方法-第1部:ガラス電極法、2000年 甲第14号証:JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.49-2:2000 紙-表面pH測定方法-第2部:指示薬法、2000年 甲第15号証:JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.49-3:2000 紙-表面pH測定方法-第3部:表面はく離法、2000年 (以下単に「甲1」等という。) 2 令和2年7月28日付け取消理由(決定の予告)についての判断 (1)甲1を主引用発明とした場合の本件発明1の新規性・進歩性について ア 甲1の記載 甲1には、以下の記載がある。 ・「2.実用新案登録請求の範囲 ガラス板間に挟み込む合紙において、この合紙は脱インクパルプを主原料として硫酸アルミニウムの添加割合を減じて抄造され、合紙のPHが6?7であることを特徴とするガラス用合紙。」(1頁5?8行) ・「(産業上の利用分野) 本考案は積み重ねて保管、荷役、搬送されるガラス板間に挟み込まれる合紙に関する。 (従来の技術) 多数のガラス板を積層して保管、荷役或いは搬送する場合、ガラス表面が空気中の水分と接触すると所謂焼けを生じ、またガラス板同士が接触したり、衝撃を受けると破損するので、従来からガラス板間に合紙を挟み込むようにしている。 斯る合紙は新聞古紙等からインク、インク基剤を除去した原料を主として、長網方式、短網方式或はツインワイヤー方式によって抄造しているが、その工程で硫酸アルミニウム(硫バン)を添加(原料1000kgに対し65kg程度)する。この方法によるガラス用合紙はPHが4.5?5.5であり且つ一面が滑面となるものが主体であり、概して密度が高く樹脂分も0.5?1.2重量%程度含有している。」(1頁10行?2頁7行) 甲1の「従来の技術」(1?2頁)に注目すると、甲1には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 「ガラス板間に挟み込む合紙において、この合紙は脱インクパルプを主原料として、硫酸アルミニウムを添加して抄造された、pH4.5?5.5であるガラス用合紙。」 イ 対比 本件発明1と甲1発明とを対比すると、 (ア)甲1発明の「脱インクパルプ」は、本件発明1の「セルロース繊維」に相当する。 (イ)甲1発明の「脱インクパルプを主原料と」する「ガラス板間に挟み込む合紙」と、本件発明1の「セルロース繊維を原料とする、TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙」とは、「セルロース繊維を原料とするガラス板用合紙」の限りで一致する。 (ウ)甲1発明の「pH4.5?5.5である」ことと、本件発明1の「前記ガラス板用合紙のJIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?5.5である」こととは、「前記ガラス板用合紙のpHが3.5?5.5である」ことの限りで一致する。 そうすると、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致し、相違する。 <一致点> 「セルロース繊維を原料とするガラス板用合紙であって、 前記ガラス板用合紙のpHが3.5?5.5であるガラス板用合紙。」 <相違点1> ガラス板用合紙において、本件発明1は、「TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用」であるのに対して、甲1発明は、そのように特定されていない点。 <相違点2> ガラス板用合紙がpH3.5?5.5について、本件発明1は、「JIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?5.5」であるのに対して、甲1発明のpH4.5?5.5は、熱水注出pHであるか不明である点。 ウ 判断 まず、相違点2について検討する。 <相違点2について> 紙のpHは、JIS P-8133(甲6)を参照すると、熱水又は冷水で抽出した水抽出液pHであり、甲4(458頁右欄下から11行?末行)に記載されているように、熱水抽出により抽出された抽出液の方が広く採用されている。 また、特許件者が令和2年9月29日の意見書に添付して提出された乙7の2(稲葉政満、‘素材としての紙の問題について-おもに化学的側面から-’、計測と制御、1989年8月、Vol.28、No.8、p.656?661)には、「紙のpHは、一定量の紙を水に懸濁させたときの水抽出液のpHのことである。最近は、紙上に水を数滴滴下した後、その上に平板ガラス電極あるいはpH試験紙(試薬が水に不溶のタイプがよい)を当てて測定することが多い。」(656頁左欄10?11行)と記載されている。 そうすると、紙のpHとして、熱水抽出pH、水抽出pH及び表面のpHは、ともに広く利用されている測定方法であったといえるから、甲1発明のpHが、熱水抽出法により得た抽出液をJIS P-8133により測定したものであるとまではいえない。そして、熱水抽出pH、水抽出pH及び表面のpHは、その測定方法が異なるから、甲4(458頁右欄末行?459頁左欄9行)にも記載されているように、当然にその数値も異なり、上記相違点1は、実質的な相違点である。 また、ガラス板用合紙において、その熱水抽出pHを3.5?5.5とする証拠はないから、甲1発明において、上記相違点2とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 <本件発明1の奏する効果について> 本件発明1は、熱水抽出pHを3.5?5.5「となるようにガラス板用合紙を抄紙した場合、白水中のアルミニウムは酸性領域でアルミニウムイオンとして存在するので、析出せず合紙中の固形異物にはなり難い。」(【0028】)という格別な効果を奏する。 エ 小括 したがって、本件発明1は、甲1発明であるとはいえない。また、本件発明1は、甲1発明及び従来周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 (2)甲2を主引用発明とした場合の本件発明1の新規性、進歩性について ア 甲2の記載 甲2には、以下の記載がある。 ・「本発明は、積層ガラス板等のガラスの輸送、保管時に隣接ガラス間に挾込み使用される合紙で、その目的は、ガラス表面への紙肌付着防止に効果のあるガラス用合紙を提供しようとする点に目的を有する。」(1頁左欄8?12行) ・「 」(2頁左上欄) 甲2の2頁左上欄中の表に注目すると、当該表の「pH」は、「紙の種類」の欄の、例えば、「本発明の合紙」のpHであることは明らかであるから、甲2には、以下の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されている。 「隣接するガラス間に挾込む合紙であって、アルミニウム化合物含有量を0.07?0.94重量%、pH4.8?6.0であるガラス用合紙。」 イ 対比 本件発明1と甲2発明とを対比すると、 甲2発明の「隣接するガラス間に挾込む合紙」は、通常セルロース繊維を原料とするものであるから、甲2発明の当該記載と、本件発明1の「セルロース繊維を原料とするTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙」とは、「セルロース繊維を原料とするガラス板用合紙」である限りで一致する。 そうすると、本件発明1と甲2発明とは、以下の点で一致し、相違する。 <一致点> 「セルロース繊維を原料とするガラス板用合紙。」 <相違点3> ガラス板用合紙において、本件発明1は、「TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用」であるのに対して、甲2発明は、そのように特定されていない点。 <相違点4> 本件発明1は、「前記ガラス板用合紙のJIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?5.5である」のに対して、甲2発明は、pH4.8?6.0であって、熱水抽出のpHであるか不明である点。 ウ 判断 まず、相違点4について検討する。 <相違点4について> 紙のpHとして、熱水抽出pH、水抽出pH及び表面のpHは、ともに広く利用されている測定方法であったといえるから、甲2発明のpHが、熱水抽出法により得た抽出液をJIS P-8133により測定したもの、すなわち熱水注出pHであるとまではいえない。そして、熱水抽出pH、水抽出pH及び表面のpHは、その測定方法が異なるから、甲4(458頁右欄末行?459頁左欄9行)にも記載されているように、当然にその数値も異なり、上記相違点4は、実質的な相違点である。 また、ガラス用合紙において、熱水抽出pHを3.5?5.5とする証拠はないから、甲2発明において、上記相違点4とすることは、当業者が容易に為し得たことであるとはいえない。 <本件発明1の奏する効果について> 本件発明1は、熱水抽出pHを3.5?5.5「となるようにガラス板用合紙を抄紙した場合、白水中のアルミニウムは酸性領域でアルミニウムイオンとして存在するので、析出せず合紙中の固形異物にはなり難い。」(【0028】)という格別な効果を奏する。 エ 小括 したがって、本件発明1は、甲2発明であるとはいえない。また、本件発明1は、甲2発明及び周知・慣用の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 (3)本件発明3、4、7、10及び11の新規性・進歩性について 本件発明3、4、7、10及び11と、甲1発明又は甲2発明とを対比すると、少なくとも上記<相違点1>?<相違点4>で相違する。 そして、上記<相違点2について>、<相違点4について>のとおりであるから、本件発明3、4、7、10及び11は、甲1発明又は甲2発明であるとはいえない。また、甲1発明又は甲2発明、及び従来周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 (4)本件発明12及び13の新規性・進歩性について 甲1及び甲2には、それぞれ甲1発明及び甲2発明に係る合紙の製造方法が記載されている。 そして、本件発明12及び13と甲1発明又は甲2発明に係る合紙の製造方法とを対比すると、少なくとも上記<相違点1>?<相違点4>で相違する そして、上記<相違点2について>、<相違点4について>のとおりであるから、本件発明12及び13は、甲1発明又は甲2発明に係る合紙の製造方法、及び従来周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 (5)明確性要件、実施可能要件について 本件訂正により、請求項5及び6は削除された。 したがって、本件特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第2項の規定を満たすものとなった。 また、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されている。 3 令和2年7月28日付け取消理由(決定の予告)に採用しなかった異議申立理由について 申立人は、本件特許発明は、本件発明が想定していないアルミニウム系無機物を含有しない系まで包含するものであり、本件特許発明の趣旨を超える範囲まで一般化し、拡張するものであるから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない旨主張する。 しかし、本件特許明細書の【0001】?【0007】によると、液晶パネルディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ等のフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、運搬する流通過程において、硝子板を包装する合紙、及び、ガラス板の間に挟み込む合紙によってフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板表面の汚染を完全に防げるわけではなく、場合によっては、何らかの原因によるガラス板表面の汚染のため、ガラス板の欠陥率が上昇することがあるのが実状であるところ、本件特許発明が解決しようとする課題は、高い清浄度及び傷品位が要求されるフラットパネル・ディスプレイ用の基板材料として用いられるガラス板向けの、当該ガラスの表面の汚染を格段に防止可能な合紙を提供することである。 そして、【0025】によると、本件特許発明のガラス板用合紙は、特にアルミニウム系無機物を低減することで、ガラス板表面の微細な損傷を低減又は防止するものであって、具体的には、アルミニウムは酸性領域ではAl^(3+)で存在するが、中性領域では水酸化アルミニウムとなって固形物として析出しやすい(【0026】)から、熱水抽出pHを3.5?5.5となるようにガラス板用合紙を抄紙した場合、白水中のアルミニウムは酸性領域でアルミニウムイオンとして存在し、析出せず合紙中の固形異物にはなり難い(【0028】)ことで上記課題を解決するものと理解される。 そうすると、通常、ガラス板用合紙の抄紙には、アルミニウム系無機物を添加する(【0027】)が、そもそも、アルミニウム系無機物を含有しないガラス板用合紙は、アルミニウム系無機物によるガラス板表面の微細な損傷は起きないから、上記課題を解決するものと理解される。 したがって、本件特許発明は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。 第5 むすび 以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び申立人の主張する特許異議申立理由によっては、本件発明1、3、4、7、10?13に係る特許を取り消すことはできない。 また、請求項2、5、6、8及び9に係る特許は、本件訂正により、削除されたため、本件特許の請求項2、5、6、8及び9に対して、申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 セルロース繊維を原料とする、TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙であって、 前記ガラス板用合紙のJIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?5.5であるTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙。 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 更に、硫酸アルミニウムを原料とする、請求項1記載のガラス板用合紙。 【請求項4】 前記硫酸アルミニウムの量がセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5?3.5重量部である、請求項3記載のガラス板用合紙。 【請求項5】 (削除) 【請求項6】 (削除) 【請求項7】 単層である、請求項1、3及び4のいずれかに記載のガラス板用合紙。 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 (削除) 【請求項10】 前記ガラス板表面にカラーフィルターが形成される、請求項1記載のガラス板用合紙。 【請求項11】 請求項1、3、4、7及び10のいずれかに記載のガラス板用合紙及びTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板からなる積層体。 【請求項12】 セルロース繊維及び少なくとも硫酸アルミニウムを水に分散及び溶解して水性分散液を得る分散工程、 前記水性分散液を濾過及び/又は脱水して湿紙を得る抄紙工程、 前記湿紙を乾燥する乾燥工程 を含む、JIS P-8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5?5.5であるTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙の製造方法であって、 前記分散工程において水に溶解される硫酸アルミニウムの量をセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5?3.5重量部とする、TFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板用合紙の製造方法。 【請求項13】 前記水性分散液のpHを3.5?5.8とする、請求項12記載の製造方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2020-12-04 |
出願番号 | 特願2017-161396(P2017-161396) |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YAA
(D21H)
P 1 651・ 121- YAA (D21H) P 1 651・ 537- YAA (D21H) P 1 651・ 536- YAA (D21H) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 河島 拓未 |
特許庁審判長 |
久保 克彦 |
特許庁審判官 |
村山 達也 佐々木 正章 |
登録日 | 2019-05-10 |
登録番号 | 特許第6519760号(P6519760) |
権利者 | 特種東海製紙株式会社 |
発明の名称 | ガラス板用合紙 |
代理人 | 実広 信哉 |
代理人 | 実広 信哉 |