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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1412977 |
総通号数 | 32 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2024-08-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-06-09 |
確定日 | 2024-08-13 |
事件の表示 | 特願2021-110169「仮想コンピュータキーボード」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年10月21日出願公開、特開2021-168168、請求項の数(20)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯等 1 出願分割の経緯の概略 本願は、令和3年7月1日にされた特許法44条1項の規定による特許出願であって、2015年(平成27年)1月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2014年1月23日 米国、2015年1月15日 米国)を国際出願日とする特願2016-548096号を最先の出願とする、いわゆる第4世代の分割出願であるところ、出願の分割の経緯は、次のとおりである。なお、括弧内は当該出願の提出日を示す。 最先の出願:特願2016-548096号(平成27年 1月23日) 第1世代 :特願2016-158867号(平成28年 8月12日) 第2世代 :特願2018-116341号(平成30年 6月19日) 第3世代 :特願2020- 71844号(令和 2年 4月13日) 本 願 :特願2021-110169号(令和 3年 7月 1日) 2 手続の経緯の概略 本願の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和3年 7月 5日 :手続補正書の提出 令和4年 6月28日付け:拒絶理由通知 令和4年12月 9日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 1月20日付け:拒絶査定(原査定) 令和5年 6月 9日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出 令和6年 4月 1日付け:拒絶理由通知(当審拒絶理由) 令和6年 6月26日 :意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和5年1月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 1.(進歩性)この出願の請求項1ないし16、19および20に係る発明は、下記の引用文献AないしCに記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 引用文献A:米国特許出願公開第2013/0321340号明細書 引用文献B:特開2011-018085号公報 引用文献C:特開2001-344092号公報 第3 当審拒絶理由の概要 令令和6年4月1日付けで当審が通知した拒絶理由の概要は、次のとおりのものである。 1.(進歩性)この出願の請求項1ないし16、19および20に係る発明は、下記の引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.米国特許出願公開第2013/0321340号明細書 (現査定の引用文献A) 2.米国特許出願公開第2008/0242343号明細書 3.米国特許出願公開第2011/0187646号明細書 4.佐藤由紀子、「Google、AndroidのMenuボタンに“告別”」、 ITmedia NEWS、ITmedia, Inc.、日本、2012年01月27日公開、 URL:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1201/27/news059.html 第4 本願発明 本願請求項1に係る発明ないし請求項20に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」ないし「本願発明20」という。)は、令和6年6月26日提出の手続補正書によって補正(以下、「本件補正」という。)された特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。(下線部は、補正箇所を示す。) 「【請求項1】 方法であって、 1つ以上のプロセッサと、メモリと、プライマリディスプレイを含む第1の筐体と、(i)物理キーボードと(ii)前記プライマリディスプレイとは別個であるタッチ感知セカンダリディスプレイとを少なくとも部分的に格納する第2の筐体であって、前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含む前記第2の筐体と、を含むコンピューティングシステムにおいて、 前記プライマリディスプレイにおいて、フォーカスが当たっているアプリケーションユーザインタフェースを表示することと、 前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、通話が進行している間に、前記通話を終了するためのアフォーダンスを含む通話ユーザインタフェースと前記通話を終了するための前記アフォーダンスとは別個である選択可能なシステムレベルアフォーダンスとを表示することと、 前記通話を終了するための前記アフォーダンスにおいて入力を受け付けることと、 前記入力を受け付けたことに応じて、同時に、 前記通話を終了することと、 前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する1つ以上のアフォーダンスを表示するとともに前記選択可能なシステムレベルアフォーダンスの表示を維持することと、を含む、方法。 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記通話は音声通話である、方法。 【請求項3】 請求項2に記載の方法であって、前記通話はボイス・オーバー・インターネットプロトコルを介して行われる、方法。 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する前記1つ以上のアフォーダンスは、前記アプリケーションユーザインタフェースを制御するためのコントロールである、方法。 【請求項5】 請求項1に記載の方法であって、前記入力を受け付けたことに応じて、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおける前記通話を終了するための前記アフォーダンスを表示することを停止する、方法。 【請求項6】 請求項5に記載の方法であって、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する前記1つ以上のアフォーダンスを表示することは、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおける前記通話を終了するための前記アフォーダンスを、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおける、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する前記1つ以上のアフォーダンスに置き換えることを含む、方法。 【請求項7】 請求項5に記載の方法であって、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する前記1つ以上のアフォーダンスが、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおける、前記通話を終了するための前記アフォーダンスが以前に表示されていた位置に表示される、方法。 【請求項8】 請求項1に記載の方法であって、前記アプリケーションユーザインタフェースは、前記コンピューティングシステムにインストールされたアプリケーションに関連付けられている、方法。 【請求項9】 請求項1に記載の方法であって、前記通話に応答する入力を受け付ける前に、前記通話に応答するためのアフォーダンスと前記通話を拒否するためのアフォーダンスとを表示することを含む、方法。 【請求項10】 請求項9に記載の方法であって、前記通話に応答するためのアフォーダンスと前記通話を拒否するためのアフォーダンスとは、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて表示される、方法。 【請求項11】 請求項1に記載の方法であって、前記通話に応答する入力を受け付ける前に、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、前記通話に関連付けられた、連絡先の名前を表示することを含む、方法。 【請求項12】 請求項1に記載の方法であって、前記通話が進行している間に、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、前記通話に関連付けられた、連絡先の名前を表示する、方法。 【請求項13】 請求項1に記載の方法であって、前記通話が進行している間に、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、前記通話の継続時間を表示することを含む、方法。 【請求項14】 請求項1に記載の方法であって、1つ以上の追加の選択可能なシステムレベルアフォーダンスを、前記通話ユーザインタフェースと同時に表示することを含む、方法。 【請求項15】 請求項14に記載の方法であって、 前記1つ以上の追加の選択可能なシステムレベルアフォーダンスのうちの1つ又は前記選択可能なシステムレベルアフォーダンスにおいて入力を受け付けることと、 前記選択可能なシステムレベルアフォーダンスにおいて前記入力を受け付けたことに応じて、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、追加の選択可能なシステムレベルアフォーダンスを表示することと、を含む、方法。 【請求項16】 請求項1に記載の方法であって、前記通話が進行している間に、前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、前記アプリケーションに対応する前記1つ以上のアフォーダンスの表示を停止することを含む、方法。 【請求項17】 請求項1に記載の方法であって、前記通話が時間閾値を満たしたとの判定に従って、前記通話ユーザインタフェースと、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する前記1つ以上のアフォーダンスとを同時に表示する、方法。 【請求項18】 請求項17に記載の方法であって、前記通話ユーザインタフェースは、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する前記1つ以上のアフォーダンスと同時に表示される場合、縮小されたサイズで表示される、方法。 【請求項19】 コンピュータシステムであって、 1つ以上のプロセッサと、 メモリと、 プライマリディスプレイを含む第1の筐体と、 (i)物理キーボードと(ii)前記プライマリディスプレイとは別個であるタッチ感知セカンダリディスプレイとを少なくとも部分的に格納する第2の筐体であって、前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含む前記第2の筐体と、 1つ以上のプログラムと、を含み、前記1つ以上のプログラムは、前記メモリ内に記憶され、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成されており、前記1つ以上のプログラムは、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法を実行する又は実行させるための命令を含む、コンピューティングシステム。 【請求項20】 プライマリディスプレイを含む第1の筐体と、(i)物理キーボードと(ii)前記プライマリディスプレイとは別個であるタッチ感知セカンダリディスプレイを少なくとも部分的に格納する第2の筐体であって、前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含む前記第2の筐体と、を含むコンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって実行する1つ以上のアプリケーションを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、実行されると、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令も含む、コンピュータプログラム。」 第5 引用文献 1 引用文献1(引用文献A) (1)引用文献1の記載 当審拒絶理由の引用文献1(米国特許出願公開第2013/0321340号明細書、原査定の引用文献A)には、以下の記載がある(下線は、当審が付加した。以下同様。)。 ア 図1 イ 「[0079] Referring to FIG. 1, the portable device 100 includes at least one of touch screen displays 190aand 190band a touch screen controller 195. Also, the portable device 100 includes a controller 110, the cellular communication module 120, the sub communication module 130, a multimedia module 140, a camera module 150, a Global Positioning System (GPS) module 155, an input/output module 160, a sensor module 170, a storage unit 175, and a power supplier 180. The sub communication module 130 includes at least one of a wireless LAN module 131 and a near field communication module 132, and the multimedia module 140 includes at least one of a broadcasting communication module 141, an audio reproduction module 142, and a video reproduction module 143. The camera module 150 includes at least one of a first camera 151 and a second camera 152, and the input/output module 160 includes at least one of a button set 161, a microphone 162, a speaker 163, a vibration motor 164, the connector 165, and a keypad 166. [0080] The controller 110 may include a CPU 111, a Read-Only Memory (ROM) 112 for storing a control program for controlling the portable device 100, and a Random Access Memory (RAM) 113 for storing a signal or data input from an outside of the portable device 100 or used as a storage area for an operation performed in the portable device 100. The CPU 111 may include at least one of a single core processor, a dual core processor, a triple core, processor and a quad core processor. The CPU 111, the ROM 112, and the RAM 113 may be mutually connected through an internal bus.」 (当審訳: [0079] 図1を参照すると、携帯機器100は、少なくとも1つのタッチスクリーンディスプレイ190a及び190bとタッチスクリーンコントローラ195とを含む。また、携帯機器100は、制御部110、セルラー通信モジュール120、サブ通信モジュール130、マルチメディアモジュール140、カメラモジュール150、GPS(Global Positioning System)モジュール155、入出力モジュール160、センサーモジュール170、記憶部175、及び電源供給部180を含む。サブ通信モジュール130は、無線LANモジュール131及び近距離通信モジュール132のうちの少なくとも1つを含み、マルチメディアモジュール140は、放送通信モジュール141、オーディオ再生モジュール142、及び動映像再生モジュール143のうちの少なくとも1つを含む。カメラモジュール150は、第1のカメラ151及び第2のカメラ152のうちの少なくとも1つを含み、入出力モジュール160は、ボタンセット(button set)161、マイク162、スピーカー163、振動モーター164、コネクター165、及びキーパッド166のうちの少なくとも1つを含む。 [0080] 制御部110は、CPU111と、携帯機器100の制御のための制御プログラムが記憶された読出し専用メモリ(Read-Only Memory:ROM)112と、携帯機器100の外部から入力される信号又はデータを記憶するか、あるいは携帯機器100で実行される作業のための記憶領域として使用されるランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)113とを含む。CPU111は、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、トリプルコアプロセッサ、及びクアドコアプロセッサのうちの少なくとも1つを含んでもよい。CPU111、ROM112、及びRAM113は、内部バス(bus)を通して相互に接続される。) ウ 図2 エ 「[0107] Referring to FIG. 2, the portable device 100 includes a first panel 2 and a second panel 4, and the first panel 2 and the second panel 4 are connected by a hinge 6 to be relatively movable. One surface of the first panel 2 has a first touch screen 12, and at least one physical button 5 may be disposed in a lower end of the first touch screen 12. One surface of the second panel 4 has a second touch screen 14 disposed in parallel with the first touch screen 12, and at least one physical button 5′ may be disposed in a lower end of the second touch screen 14. The physical buttons 5 and 5′ include at least one of a push button and a touch button. As one embodiment, the first touch screen 12 arranged on the first panel 2 having a speaker 20 and a microphone 22 operates as a main screen, and the second touch screen 14 arranged on the second panel 4 operates as a sub screen. As one embodiment, the first panel 2 includes a front camera 24, and the second panel 4 includes a rear camera 26. As another example, as the front camera 24 is disposed in the same surface as that of the second screen 14, in a state where the first panel 2 and the second panel 4 are unfolded, the front camera 24 may work as a front camera, and in a state where the first panel 2 and the second panel 4 are folded, the front camera 24 may work as a rear camera. 」 (当審訳: [0107] 図2を参照すると、携帯機器100は、第1のパネル2及び第2のパネル4を含み、第1のパネル2及び第2のパネル4は、ヒンジ6により接続されることにより相対的に移動可能である。第1のパネル2の1つの表面は、第1のタッチスクリーン12を有し、第1のタッチスクリーン12の下端には、少なくとも1つの物理的なボタン5が配置されることができる。第2のパネル4の1つの表面は、第1のタッチスクリーン12と並べて配置される第2のタッチスクリーン14とを有し、第2のタッチスクリーン14の下端には、少なくとも1つの物理的なボタン5’が配置されることができる。物理的なボタン5及び5’は、プッシュボタン及びタッチボタンのうちの少なくとも1つを含む。一実施形態において、スピーカー20及びマイク22を備える第1のパネル2に配置される第1のタッチスクリーン12は、メインスクリーンとして動作し、そうでない第2のパネル4に配置される第2のタッチスクリーン14は、サブスクリーンとして動作する。一実施形態において、第1のパネル2は前方カメラ24を含み、第2のパネル4は後方カメラ26を含む。他の実施形態において、前方カメラ24は、第2のパネル4の第2のタッチスクリーン14と同一の面に配置されることにより、第1のパネル2及び第2のパネル4が広げられた状態では前方カメラとして動作し、第1のパネル2及び第2のパネル4が折り畳まれた状態では後方カメラとして動作することができる。) オ 「[0471] FIGS. 23N to 23P illustrate another scenario for responding to an incoming call in the call application according to one or more exemplary embodiments.」 (当審訳: [0471] 図23N乃至図23Pは、本発明の一実施形態による通話アプリケーションで着呼に応答するための他のシナリオを示す図である。) カ 図23N キ 「[0472] Referring to FIG. 23N, the first and second touch screens 12 and 14 display first and second task screens 1326a and 1326b of the first application. The first application may be any of the home screen, the application menu, the basic application, and the application installed by the user. In the shown example, the first application is a photo gallery application providing two task screens having different depths, the first task screen 1326a of the first touch screen 12 includes one page of a plurality of thumbnail images, and the second task screen 1326b of the second touch screen 14 displays a picture image of one thumbnail image selected from the thumbnail images with a larger size, that is, a full size. [0473] When an incoming call is generated while the first and second touch screens 12 and 14 displays the task screens 1326a and 1326b of the first application, the portable device proceeds to FIG. 23O.」 (当審訳: [0472] 図23Nを参照すると、第1のタッチスクリーン12及び第2のタッチスクリーン14は、第1のアプリケーションの第1のタスクスクリーン1326a及び第2のタスクスクリーン1326bを表示する。第1のアプリケーションは、ホームスクリーン、アプリケーションメニュー、基本アプリケーション、及びユーザにより設置されたアプリケーションのうちのいずれであってもよい。図示する例において、第1のアプリケーションは、異なる深さを有する2つのタスクスクリーンを提供するフォトギャラリーアプリケーションであり、第1のタッチスクリーン12の第1のタスクスクリーン1326aは、複数のサムネイルイメージの1ページを含み、第2のタッチスクリーン14の第2のタスクスクリーン1326bは、サムネイルイメージから選択された1つのサムネイルイメージのピクチャーイメージをより大きいサイズ、すなわち、フルサイズで表示する。 [0473] 第1のタッチスクリーン12及び第2のタッチスクリーン14が第1のアプリケーションのタスクスクリーン1326a及び1326bを表示する間に着呼が発生する場合に、携帯機器は、図23Oに進む。) ク 図23O ケ 「[0474] Referring to FIG. 23O, the portable device starts the call application in response to the generation of the incoming call, and replaces the first task screen 1326a of the first application with an incoming call screen 1328 provided by the call application and displays the replaced incoming call screen 1328 in the first touch screen 12. The incoming call screen 1328 includes a call participant identification area 1328a, an incoming key area 1328b, and a rejection message key 1328c. The call participant identification area 1328a includes at least one of a picture image, a call participant name, and a phone number. The incoming key area 1328b may include an incoming key and a rejection key. The rejection message key 1328c is used to automatically send a rejection message by the message application. [0475] The second touch screen 14 is deactivated while the incoming call screen 1328 is displayed in the first touch screen 12, and a guide message screen 1330 of advising the user to fold the portable device for the call is displayed. [0476] When a predetermined touch gesture 1320c on the incoming key within the incoming key area 1328b, for example, a tap gesture or a touch drag (slide) starting at the incoming key and moving in a predetermined direction is detected, the portable device proceeds to FIG. 23P.」 (当審訳: [0474] 図23Oを参照すると、携帯機器は、着呼の発生に応答して通話アプリケーションを開始し、第1のアプリケーションの第1のタスクスクリーン1326aを通話アプリケーションにより提供される着呼スクリーン1328に置き換えて第1のタッチスクリーン12に表示する。着呼スクリーン1328は、通話者識別領域1328aと、着信キー領域1328bと、拒絶メッセージキー1328cとを含む。通話者識別領域1328aは、ピクチャーイメージ、通話者名前、及び電話番号のうちの少なくとも1つを含む。着信キー領域1328bは、着信キー及び拒絶キーを含むことができる。拒絶メッセージキー1328cは、メッセージアプリケーションにより拒絶メッセージを自動で送信するために使用される。 [0475] 着呼スクリーン1328が第1のタッチスクリーン12に表示されている間に、第2のタッチスクリーン14は非活性化され、通話のために携帯機器を折り畳むことをユーザに勧告する案内メッセージスクリーン1330を表示する。 [0476] 着信キー領域1328b内の着信キー上で予め定められるタッチジェスチャー1320c、例えば、タップジェスチャー又は着信キーで開始し、予め定められる方向に移動するタッチドラッグ(スライド)が感知される場合に、携帯機器は、図23Pに進む。) コ 図23P サ 「[0477] Referring to FIG. 23P, the portable device connects a call with a counterpart call participant, and replaces the incoming call screen 1328 with the mid-call screen 1332 and displays the replaced mid-call screen 1332 in the first touch screen 12 in response to the detection of the touch gesture 1320c. The mid-call screen 1332 includes a call participant identification area 1332a, a call duration time 1332b, and a function key area 1332c. The call participant identification area 1332aincludes at least one of a picture image, a counterpart call participant name, and a phone number. The function key area 1332cincludes at least one of a phone number addition key, a dial pad call key, a call end key, a speaker mode switching key, a mute key, and a headset connection key. [0478] As a selectable embodiment, when a touch gesture 1320cis detected from the incoming key in the state where the first and second panels 2 and 4 including the first and second touch screens 12 and 14 are unfolded, the call application starts a call connection in the public call mode and the second touch screen 14 is activated again. [0479] When the call ends in the mid-call screen 1332, for example, when a tap gesture 1320d is detected from the call end key within the function key area 1332c, the portable device returns to FIG. 23N to replace the mid-call screen 1324 of the first touch screen 12 with the previous information, that is, the first task screen 1326a of the first application and display the replaced first task screen 1326a.」 (当審訳: [0477] 図23Pを参照すると、携帯機器は、タッチジェスチャー1320cの感知に応答して、相手通話者と通話を接続し、着呼スクリーン1328を通話中のスクリーン1332に置き換えて第1のタッチスクリーン12に表示する。通話中のスクリーン1332は、通話者識別領域1332aと、通話持続時間1332bと、機能キー領域1332cとを含む。通話者識別領域1332aは、ピクチャーイメージ、相手通話者名前、及び電話番号のうちの少なくとも1つを含む。機能キー領域1332cは、電話番号追加キー、ダイヤルパッド呼び出しキー、通話終了キー、スピーカーモード置き換えキー、音消去キー、及びヘッドセット接続キーのうちの少なくとも1つを含む。 [0478] 選択可能な実施形態において、タッチジェスチャー1320cが第1のタッチスクリーン12及び第2のタッチスクリーン14を含む第1のパネル2及び第2のパネル4が広げられている状態で着信キーから感知された場合に、通話アプリケーションは、公開通話モードで通話接続を開始し、第2のタッチスクリーン14は、さらに活性化される。 [0479] 通話が通話中のスクリーン1332で終了する場合に、例えば、機能キー領域1332c内の通話終了キーをタップするジェスチャー1320dが感知される場合に、携帯機器は、図23Nに戻って、第1のタッチスクリーン12の通話中のスクリーン1324を前の情報、すなわち、第1のアプリケーションの第1のタスクスクリーン1326aに置き換えて表示する。) (2)引用発明 上記(1)より、特に、引用文献1の、特に下線を付加した記載に着目すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「携帯機器100は、制御部110等を含んでおり、 制御部110は、CPU111と、携帯機器100の制御のための制御プログラムが記憶された読出し専用メモリ(Read-Only Memory:ROM)112と、携帯機器100の外部から入力される信号又はデータを記憶するか、あるいは携帯機器100で実行される作業のための記憶領域として使用されるランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)113とを含んでおり、 携帯機器100は、第1のパネル2及び第2のパネル4を含み、第1のパネル2及び第2のパネル4は、ヒンジ6により接続されることにより相対的に移動可能であり、 第1のパネル2の1つの表面は、第1のタッチスクリーン12を有し、第1のタッチスクリーン12の下端には、物理的なボタン5が配置されることができ、 第2のパネル4の1つの表面は、第1のタッチスクリーン12と並べて配置される第2のタッチスクリーン14を有している携帯機器100において、 通話アプリケーションで着呼に応答するためのシナリオであって、 第1のアプリケーションは、異なる深さを有する2つのタスクスクリーンを提供するフォトギャラリーアプリケーションであり、第1のタッチスクリーン12の第1のタスクスクリーン1326aは、複数のサムネイルイメージの1ページを含み、第2のタッチスクリーン14の第2のタスクスクリーン1326bは、サムネイルイメージから選択された1つのサムネイルイメージのピクチャーイメージをより大きいサイズ、すなわち、フルサイズで表示しており、 第1のタッチスクリーン12及び第2のタッチスクリーン14が第1のアプリケーションのタスクスクリーン1326a及び1326bを表示する間に着呼が発生する場合に、携帯機器は、着呼の発生に応答して通話アプリケーションを開始し、第1のアプリケーションの第1のタスクスクリーン1326aを通話アプリケーションにより提供される着呼スクリーン1328に置き換えて第1のタッチスクリーン12に表示しており、 携帯機器は、タッチジェスチャー1320cの感知に応答して、相手通話者と通話を接続し、着呼スクリーン1328を通話中のスクリーン1332に置き換えて第1のタッチスクリーン12に表示し、 通話が通話中のスクリーン1332で終了する場合に、機能キー領域1332c内の通話終了キーをタップするジェスチャー1320dが感知される場合に、携帯機器は、第1のタッチスクリーン12の通話中のスクリーン1324を前の情報、すなわち、第1のアプリケーションの第1のタスクスクリーン1326aに置き換えて表示する シナリオ。」 2 引用文献2~4、B、C (1)引用文献2の記載 当審拒絶理由の引用文献2(米国特許出願公開第2008/0242343号明細書)には、以下の記載がある。 ア 図2A (2)引用文献3の記載 当審拒絶理由の引用文献3(米国特許出願公開第2011/0187646号明細書)には、以下の記載がある。 ア 図1 イ 図4 ウ 図5 (3)引用文献4の記載 当審拒絶理由の引用文献4(佐藤由紀子、「Google、AndroidのMenuボタンに“告別”」、ITmedia NEWS、ITmedia, Inc.、日本、2012年01月27日公開)には、以下の記載がある。 (4)引用文献Bの記載 現査定の引用文献B(特開2011-018085号公報)には、以下の記載がある。 ア 図27 イ 図28 ウ 「【0309】 図27及び図28において、ノートPCは、中央演算処理装置やハードディスクドライブなどを内蔵した第1の筐体1と、メインディスプレイ4を備えた第2の筐体2とを備えている。第1の筐体1と第2の筐体2とは、互いにヒンジ部3によって矢印Zまたはその逆方向に回動可能に支持されている。また、第1の筐体1の上面1aには、キーボード6、ポインティングデバイス7、電源スイッチ8などの各種操作手段が配されている。また、第1の筐体1の上面1aには、各種情報を表示可能なサブディスプレイ5が配されている。サブディスプレイ5は、タッチパネル式モニタで構成され、本実施の形態ではタッチパネル式液晶モニタで構成されている。」 エ 「【0317】 メインディスプレイ4は、表示制御部41と表示パネル42とを備えている。 【0318】 表示制御部41は、CPU11及びRAM12で処理されて生成された画像データを表示パネル42に表示可能な画像信号に変換し、変換した画像信号に基づく画像を表示パネル42に表示するよう制御する。 【0319】 表示パネル42は、例えば10~14インチ程度の液晶ディスプレイパネルで構成され、一般的にユーザーがノートPCを用いて作業をする際に、その作業に関わる情報を表示する領域である。 【0320】 サブディスプレイ5は、表示制御部51,表示パネル52,操作検出部54,およびタッチパネル55を備えている。 【0321】 表示制御部51は、CPU11及びRAM12で処理されて生成された画像データを表示パネル52に表示可能な画像信号に変換し、変換した画像信号に基づく画像を表示パネル52に表示するよう制御する。 【0322】 表示パネル52は、例えば縦寸法20mm、横寸法200mm程度の横長の液晶ディスプレイパネルで構成されている。表示パネル52は、ユーザーがノートPCを用いて作業をする際に、その作業に関わる情報を表示することができる。 【0323】 タッチパネル55は、表示パネル52の表示面上に配され、表示パネル52の表示面に対向する面の裏面(以下、操作面と称する)を指などで押圧操作することで、任意の操作を行うことができるように構成されている。具体的には、タッチパネル55は、操作面側に格子状に配列されたマトリクススイッチを備え、操作面における任意の位置を指やスタイラスペンなどで押圧することで、その位置のマトリクススイッチがオフからオンに切り替わるように構成されている(マトリクススイッチは、操作面が押圧されていない時は常時オフ状態)。オンに切り替わったマトリクススイッチの位置情報(座標)を取り出すことで、タッチパネル55における任意の位置が押圧操作されたことを検出することができる。なお、タッチパネル55としては、抵抗膜方式、静電容量方式、表面弾性波方式などがあるが、いずれを搭載してもよい。また、タッチパネル55は、表示パネル52に表示される画像を外部(タッチパネル55の操作面側)から目視可能なように、少なくとも表示パネル52の有効表示エリアを覆う部分は透明に構成されている。 【0324】 操作検出部54は、タッチパネル55におけるマトリクススイッチのオン/オフ状態に基づき、押圧操作された位置の情報(座標)を生成する。また、操作検出部54は、生成した位置情報をCPU11に送る。なお、タッチパネル55及び操作検出部54は、本発明の領域選択手段の一例である。 【0325】 以下、情報処理装置の基本動作について説明する。」 オ 図29 カ 「【0326】 図29に示すように、ユーザーにより電源スイッチ8が操作されると、電源制御部18はバッテリー19から電力を引き込み、ノートPC内の各部へ供給する。次に、CPU11は、ROM13からBIOS情報を読み出し、次にHDD14に格納されているOSのファイルを読み出して、起動処理を行う。起動処理を行っている間、表示制御部41は、表示パネル42に起動画面を表示するよう制御する。ノートPCの起動処理が完了した状態では、表示パネル42には、各種アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンなどが表示されている。また、表示パネル52には、後述するツールバーが表示されている。 【0327】 ノートPCの起動後、ユーザーによりキーボード6が操作されると、CPU11は、キーボード6に配された複数のキーのうち操作されたキーを検出し、操作されたキーに対応した文字をメインディスプレイ4の表示パネル42に表示するよう表示制御部41に命令を送る。表示制御部41は、CPU11からの命令に基づき、表示パネル42に文字を表示する。また、ユーザーによりポインティングデバイス7が操作されると、ポインティングデバイス7は、操作面におけるユーザーにより押圧操作された位置の情報を出力する。CPU11は、ポインティングデバイス7から出力される位置情報に基づき、表示パネル42に表示されているカーソルを移動する命令を表示制御部41に送る。表示制御部41は、CPU11からの命令に基づき、表示パネル42に表示されているカーソルを任意の位置に移動させるよう制御する。」 (5)引用文献Cの記載 現査定の引用文献C(特開2001-344092号公報)には、以下の記載がある。 ア 図9 イ 「【0046】[第3の実施例] 図9は、本発明の第3の実施例である情報処理装置の機器全体を示す斜視図である。ここではパーソナルコンピュータを実施形態の一例として説明する。尚、第3の実施例における情報処理装置の基本構成及び基本動作は図1乃至図3で示した第1の実施例における情報処理装置と同じであるため、説明は省略する。 【0047】パソコン91は第1表示手段1と第2表示手段2の二つの表示手段を搭載している。またポインティングデバイスとしてマウス74と第2表示手段2上にタッチパネル75を持ち、それぞれマウス74は第1表示手段1上のポインタを、タッチパネル75は第2表示手段2上のポインタを操作する。二つのポインタはそれぞれの操作に対して独立に動作できる。よっておのおのの表示手段での状態などに依存せずにそれぞれの操作ができる。 【0048】尚、タッチパネル75におけるポインタの移動はタッチパネル75に指を触れた状態でスライドさせることで指の移動量に連動してポインタも移動することで行い、アイコンの操作は同一位置を所定時間以内に2回連続でタッチすることなどで行うことができる。例えば動画再生を行うアプリケーションソフトによって第1表示手段1上のポインタが操作できなくなった場合でも、例えば電子メールの着信確認を行うアプリケーションソフトの付加情報や操作用アイコンを第2表示手段2に表示し、タッチパネル75で操作することで動画再生を行いながら電子メールの着信確認ができる。 【0049】図10は、本発明の第3の実施例における情報処理装置の動作を示すフローチャートである。前記図9におけるポインタ選択時の動作を表し、前記図3のステップS15を詳細に説明するものである。 【0050】ユーザーがマウス74あるいはタッチパネル75のポインティングデバイスによってポインタの選択を行った場合(ステップS131)、第2表示手段2上のポインタでの選択つまりタッチパネル75による選択であるかどうかチェックする(ステップS132)。タッチパネル75による選択でなければマウス74による第1表示手段1への操作であるとして処理を行い(ステップS137)入力待ちへ移行する(ステップS136)。タッチパネル75による選択であれば第2表示手段2への操作であるとしさらに第2表示手段2のアイコンの選択であるかのチェックを行う(ステップS133)。アイコンの選択であればアイコン実行時の処理としてアイコンが対応する第1表示手段1上のアイコンへの操作として扱う(ステップS134)。その後、表示内容の更新を行い(ステップS135)、入力待ちに戻る(ステップS136)。アイコンの選択でなければ本実施例では何も行わず入力待ち(ステップS136)へと戻る。 【0051】本実施例において、第2表示手段2のポインティングデバイスとしてタッチパネル75を用いて説明したが、タッチパネルのような表示手段上にポインタを表示する必要のないものをポインティングデバイスとして採用した場合は、ポインタを表示しなくてもよい。」 第6 対比・判断 1 本願発明1 (1)対比 本願発明1と、引用発明とを対比する。 ア 引用発明は、「携帯機器100は、制御部110等を含んでおり、制御部110は、CPU111と、携帯機器100の制御のための制御プログラムが記憶された読出し専用メモリ(Read-Only Memory:ROM)112と、携帯機器100の外部から入力される信号又はデータを記憶するか、あるいは携帯機器100で実行される作業のための記憶領域として使用されるランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)113とを含んでおり、携帯機器100は、第1のパネル2及び第2のパネル4を含み、第1のパネル2及び第2のパネル4は、ヒンジ6により接続されることにより相対的に移動可能であり、第1のパネル2の1つの表面は、第1のタッチスクリーン12を有し、第1のタッチスクリーン12の下端には、物理的なボタン5が配置されており、第2のパネル4の1つの表面は、第1のタッチスクリーン12と並べて配置される第2のタッチスクリーン14とを有している携帯機器100において、通話アプリケーションで着呼に応答するためのシナリオであ」るとされている。 ここで、引用発明の「通話アプリケーションで着呼に応答するためのシナリオ」は、「携帯機器100」の「制御部110」が「携帯機器100の制御のための制御プログラム」に従って実行される方法であるといえるから、引用発明の「通話アプリケーションで着呼に応答するためのシナリオ」は、本願発明1の「方法」に対応するといえる。 また、引用発明の「携帯機器100」の「制御部110」が備える「CPU111」は、本願発明1の「1つ以上のプロセッサ」に相当し、引用発明の「携帯機器100」の「制御部110」が備える「読出し専用メモリ(Read-Only Memory:ROM)112」と「ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)113」とは、本願発明1の「メモリ」に相当するといえる。 さらに、引用発明の「第2のタッチスクリーン14」を「表面」に「有している」「第2のパネル4」は、本願発明1の「プライマリディスプレイを含む第1の筐体」に相当し、引用発明の「第1のタッチスクリーン12」を「表面」に「有している」「第1のパネル2」は、本願発明1の「前記プライマリディスプレイとは別個であるタッチ感知セカンダリディスプレイとを少なくとも部分的に格納する第2の筐体」に対応しているといえる。 そして、引用発明の「携帯機器100」は、「制御部110等を含んで」各種制御を行っているから、引用発明の「携帯機器100」も、本願発明1と同様に、「コンピューティングシステム」であるといえる。 したがって、本願発明1と、引用発明とは、「1つ以上のプロセッサと、メモリと、プライマリディスプレイを含む第1の筐体と、」「(ii)前記プライマリディスプレイとは別個であるタッチ感知セカンダリディスプレイとを少なくとも部分的に格納する第2の筐体と、を含むコンピューティングシステムにお」ける「方法」である点で共通しているといえる。 しかし、本願発明1の「第2の筐体」が「(i)物理キーボード」を格納しており、かつ、「前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含」むのに対して、引用発明の「第1のパネル2」(「第2の筐体」に対応)は、物理キーボードを格納していない点で相違している。 イ 引用発明において、「第1のアプリケーションは、異なる深さを有する2つのタスクスクリーンを提供するフォトギャラリーアプリケーションであり、第1のタッチスクリーン12の第1のタスクスクリーン1326aは、複数のサムネイルイメージの1ページを含み、第2のタッチスクリーン14の第2のタスクスクリーン1326bは、サムネイルイメージから選択された1つのサムネイルイメージのピクチャーイメージをより大きいサイズ、すなわち、フルサイズで表示して」いるとされている。 ここで、引用発明において、「第2のタッチスクリーン14の第2のタスクスクリーン1326b」が「サムネイルイメージから選択された1つのサムネイルイメージのピクチャーイメージをより大きいサイズ、すなわち、フルサイズで表示して」いることは、本願発明1の「前記プライマリディスプレイにおいて、フォーカスが当たっているアプリケーションユーザインタフェースを表示すること」に相当するといえる。 したがって、本願発明1と、引用発明とは、「前記プライマリディスプレイにおいて、フォーカスが当たっているアプリケーションユーザインタフェースを表示すること」を「含む」点で共通しているといえる。 ウ 引用発明において、「携帯機器は、タッチジェスチャー1320cの感知に応答して、相手通話者と通話を接続し、着呼スクリーン1328を通話中のスクリーン1332に置き換えて第1のタッチスクリーン12に表示し、」とされており、また、引用発明は、「機能キー領域1332c内」に「通話終了キー」(上記第5の1(1)ケの図23Pの「Call end」キー)が表示されており、当該「通話終了キーをタップするジェスチャー1320dが感知される場合に、」「通話が」「終了する」といえる。 ここで、引用発明の「機能キー領域1332c内」に表示されている「通話終了キー」(上記第5の1(1)ケの図23Pの「Call end」キー)は、本願発明1の「前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、通話が進行している間に、前記通話を終了するためのアフォーダンス」に相当し、引用発明の「機能キー領域1332c」は、本願発明1の「前記通話を終了するためのアフォーダンスを含む通話ユーザインタフェース」に相当するといえる。 また、引用発明において、「通話終了キーをタップするジェスチャー1320dが感知される」ことは、本願発明1の「前記通話を終了するための前記アフォーダンスにおいて入力を受け付けること」に相当するといえる。 さらに、引用発明において、「通話終了キーをタップするジェスチャー1320d」が感知される場合に、」「通話が」「終了する」から、引用発明も、本願発明1と同様に、「前記入力を受け付けたことに応じて、同時に、前記通話を終了」しているといえる。 したがって、本願発明1と、引用発明とは、「前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、通話が進行している間に、前記通話を終了するためのアフォーダンスを含む通話ユーザインタフェース」「を表示することと、前記通話を終了するための前記アフォーダンスにおいて入力を受け付けることと、前記入力を受け付けたことに応じて、同時に、前記通話を終了すること」を「含む」点で共通しているといえる。 しかし、本願発明1では、タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、「前記通話を終了するための前記アフォーダンスとは別個である選択可能なシステムレベルアフォーダンス」も含んでいるのに対して、引用発明では、そのようなアフォーダンスを含んでいない点で相違している。 エ 引用発明において、「通話が通話中のスクリーン1332で終了する場合に、機能キー領域1332c内の通話終了キーをタップするジェスチャー1320dが感知される場合に、携帯機器は、第1のタッチスクリーン12の通話中のスクリーン1324を前の情報、すなわち、第1のアプリケーションの第1のタスクスクリーン1326aに置き換えて表示する」とされている。 ここで、引用発明において、「第1のタッチスクリーン12の通話中のスクリーン1324を前の情報、すなわち、第1のアプリケーションの第1のタスクスクリーン1326aに置き換えて表示する」ことは、本願発明1の「前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する1つ以上のアフォーダンスを表示する」ことに対応するといえる。 したがって、本願発明1と、引用発明とは、「通話を終了」した後に、「前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する1つ以上のアフォーダンスを表示する」ことを「含む」点で共通しているといえる。 しかし、上記ウで述べたように、引用発明では、システムレベルアフォーダンスを含んでいないから、本願発明1では、タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、「前記通話を終了するための前記アフォーダンスとは別個である選択可能なシステムレベルアフォーダンス」も含んでおり、通話終了後にも、「前記システムレベルアフォーダンスの表示を維持」しているのに対して、引用発明では、そのようなアフォーダンスを含んでいない点で相違している。 (2)一致点 本願発明1と、引用発明とは、以下の点で一致する。 「方法であって、 1つ以上のプロセッサと、メモリと、プライマリディスプレイを含む第1の筐体と、(ii)前記プライマリディスプレイとは別個であるタッチ感知セカンダリディスプレイとを少なくとも部分的に格納する第2の筐体と、を含むコンピューティングシステムにおいて、 前記プライマリディスプレイにおいて、フォーカスが当たっているアプリケーションユーザインタフェースを表示することと、 前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、通話が進行している間に、前記通話を終了するためのアフォーダンスを含む通話ユーザインタフェースを表示することと、 前記通話を終了するための前記アフォーダンスにおいて入力を受け付けることと、 前記入力を受け付けたことに応じて、同時に、 前記通話を終了することと、 前記タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、前記アプリケーションユーザインタフェースに対応する1つ以上のアフォーダンスを表示することと、を含む、方法。」 (3)相違点 本願発明1と、引用発明とは、以下の点で相違する。 ア <相違点1> 本願発明1の「第2の筐体」が「(i)物理キーボード」を格納しており、かつ、「前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含む」のに対して、引用発明の「第1のパネル2」(「第2の筐体」に対応)は、物理キーボードを含んでいない点。 イ <相違点2> 本願発明1では、タッチ感知セカンダリディスプレイにおいて、「前記通話を終了するための前記アフォーダンスとは別個である選択可能なシステムレベルアフォーダンス」も含んでおり、通話終了後にも、「前記システムレベルアフォーダンスの表示を維持」しているのに対して、引用発明では、そのようなアフォーダンスを含んでいない点。 (4)相違点について 事案に鑑みて、先ず、<相違点1>について検討する。 本願発明1の<相違点1>に係る「前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含む」構成に関して、引用文献B、あるいは、引用文献Cには、ノートPC(パソコン)において、物理キーボードとタッチ感知ディスプレイとを第2の筐体の同じ面に含む構成が開示されている。 しかし、引用発明は、2画面のタッチ感知ディスプレイを備えた携帯機器であり、引用文献B、あるいは、引用文献Cに開示されたような、ノートPC(パソコン)とは、前提とする構成が相違しているといえる。 したがって、2画面のタッチ感知ディスプレイを備えた携帯機器である引用発明において、引用文献B、あるいは、引用文献Cに開示されたような、ノートPC(パソコン)における、物理キーボードとタッチ感知ディスプレイとを第2の筐体の同じ面に含む構成を採用する動機付けはないといえる。 よって、引用発明において、本願発明1の<相違点1>に係る「物理キーボードとタッチ感知ディスプレイとを第2の筐体の同じ面に含む」構成とすることは、引用発明、引用文献2ないし4、BおよびC記載の技術事項に基づいて、当業者が想到し得たものではない。 (5)小括 以上から、その他の<相違点2>について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明、引用文献2ないし4、BおよびC記載の技術事項に基づいて、当業者が想到し得たものではない。 2 本願発明2ないし18 本願発明2ないし18は、いずれも、本願発明1を減縮したものであり、本願発明1と同じ構成を備えているから、上記1で述べたとおり、本願発明1と同じ理由により、引用発明、引用文献2ないし4、BおよびC記載の技術事項に基づいて、当業者が想到し得たものではない。 3 本願発明19 本願発明19は、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法を実行する又は実行させるための命令を含む、コンピューティングシステムの発明であり、さらに、本願発明1と同様に「前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含む前記第2の筐体」の構成を備えているから、上記1で述べたとおりの、本願発明1と同じ理由により、引用発明、引用文献2ないし4、BおよびC記載の技術事項に基づいて、当業者が想到し得たものではない。 4 本願発明20 本願発明20は、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令も含む、コンピュータプログラムの発明であり、さらに、本願発明1と同様に「前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含む前記第2の筐体」の構成を備えているから、上記1で述べたとおりの、本願発明1と同じ理由により、引用発明、引用文献2ないし4、BおよびC記載の技術事項に基づいて、当業者が想到し得たものではない。 第7 原査定についての判断 本件補正後の請求項1は、「第2の筐体」について、「前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含む」との技術的限定が付加されており、上記第6で述べたように、本願発明1ないし20は、いずれも、引用文献A(引用文献1)、引用文献B、および、引用文献C記載の技術事項に基づいて、当業者が想到し得たものではないから、現査定の進歩性欠如の拒絶の理由は解消した。 第8 当審拒絶理由についての判断 本件補正後の請求項1は、「第2の筐体」について、「前記物理キーボードと前記タッチ感知セカンダリディスプレイとを前記第2の筐体の同じ面に含む」との技術的限定が付加されており、上記第6で述べたように、本願発明1ないし20は、いずれも、引用文献1ないし4記載の技術事項に基づいて、当業者が想到し得たものではないから、当審拒絶理由通知の進歩性欠如の拒絶の理由は解消した。 第9 むすび 以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。 他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2024-07-29 |
出願番号 | P2021-110169 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
山澤 宏 |
特許庁審判官 |
野崎 大進 富澤 哲生 |
発明の名称 | 仮想コンピュータキーボード |
代理人 | 弁理士法人大塚国際特許事務所 |