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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G03B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G03B
管理番号 1073382
異議申立番号 異議2000-71993  
総通号数 40 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-03-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-05-11 
確定日 2003-02-24 
異議申立件数
事件の表示 特許第2977532号「自動写真撮影装置」の請求項1ないし32に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2977532号の請求項1ないし32に係る特許を維持する。 
理由 (I)手続の経緯
本件特許第2977532号の特許請求の範囲の各請求項に係る発明は、平成2年2月27日に特許出願(パリ条約による優先権主張1989年2月28日、イギリス)された特願平2-503952号の一部を平成10年6月16日に新たに特許出願したものであり、平成11年9月10日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、工藤 一郎(以下、「申立人1」という。)、福田 和英(以下、「申立人2」という。)、船井電機 株式会社(以下、「申立人3」という。)および村松 恒幸(以下、「申立人4」という。)より、夫々特許異議申立てがなされ、平成12年11月8日に訂正請求がなされ、さらに平成13年3月5日に当該訂正請求書に係る手続補正書が提出され、平成13年6月5日に取消決定され、平成13年10月26日に当該取消決定の取消を求める訴えが東京高等裁判所に提起された。
その後、平成14年9月13日に本件特許について訂正の審判が請求され、平成14年10月25日に訂正を認める審決がなされ、当該審決が確定し、平成14年12月11日に東京高等裁判所において、前記取消決定を取り消す旨の判決があったものである。
(II)本件特許発明
本件特許発明、すなわち本件の各請求項に係る発明は、平成14年9月13日に本件特許について訂正の審判が請求され、その後確定した訂正特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載されたとおりの、以下のものである。
なお、本件特許についての前記訂正の審判において、訂正を認める旨の審決が前述のとおり確定したので、平成12年11月8日付けの訂正請求書は取り下げられたものとみなす。
「【請求項1】撮影帯域内の被写体に含まれる使用者の操作に基づいて動作する自動写真撮影装置であって、前記撮影帯域内の被写体を撮影し、記憶可能な電子情報の形態の画像出力を発生する電子画像作成カメラと、前記カメラにより得られる映像を含む電子情報の画像を表示するディスプレイ装置と、プリント作成信号により作動され、前記電子情報の画像のプリントを作製するプリンターと、前記電子情報を記憶し処理する制御手段とを備え、前記カメラで撮影された被写体の映像を前記ディスプレイ装置によって使用者が見ることができるようになっており、前記カメラで撮影された被写体の映像をプリント作成のために使用する前に使用者が該映像を容認または拒絶することを可能ならしめる使用者制御装置がさらに設けら
れ、前記制御手段は、使用者による前記使用者制御装置の操作に基づいて、使用者が該映像を拒絶した場合には、その映像ではなく他の映像を撮影するように指示し、使用者が容認した前記映像にかかる電子情報を記憶し、処理するようになっており、前記プリンターが前記記憶され、処理された電子情報に対応するプリントを作成するようになったことを特徴とする自動写真撮影装置。
【請求項2】さらに、前記カメラおよびディスプレイ装置を収容するハウジングを備えており、該ハウジングは前記プリンターをさらに収納するとともに、プリントをハウジング外に排出する排出口を有することを特徴とする請求項1に記載の自動写真撮影装置。
【請求項3】前記プリンターが前記ハウジングから離れて設けられており、前記電子情報をハウジング内の制御装置からプリンターに伝送するための手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動写真撮影装置。
【請求項4】前記ハウジングが直立ボックス構造を有し、これが写真撮影を行い得るように形成された前方壁の背後に前記カメラを収納していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つのの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項5】前記カメラが位置調整可能になされていることを特徴とする請求範囲1から4のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項6】前記カメラの位置調整が可動鏡により行われることを特徴とする請求項5に記載の自動写真撮影装置。
【請求項7】前記カメラが上方に向けられており、カメラ上方で軸支された前記可動鏡が角度を変え得るように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の自動写真撮影装置。
【請求項8】前記ハウジングがコンソールないしブースの形態をなし、これに近接する床部分に前記撮影帯域が設けられ、起立人物である被写体の写真を撮影するようになったことを特徴とする請求項1から7のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項9】前記撮影帯域に存する被写体の全身を撮影するようになったことを特徴とする請求項1から8のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項10】前記カメラが走査ビデオカメラであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項11】前記プリンターがカラードッドを基板からプリント材料上に転写する加熱ポイントを使用する、染料熱転写式のものであることを特徴とする1から10のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項12】前記プリンターがディジタルデータ制御カラープリンタ-であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項13】前記プリンターがインクジェットプリンターであることを特徴とする請求項1から12のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項14】前記使用者制御装置が、さらに、前記カメラで撮影された被写体の映像をプリント作成する前に使用者が該映像を拡大、縮小および/または歪めることができるようになっていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項15】前記カメラで得られる被写体の映像を鏡像により使用者が見ることができるようになっていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項16】前記カメラで得られる被写体の映像を電子的に反転させた画像を使用者が見ることができるようになっていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項17】使用者が前記使用者制御装置に対して所定の操作を行った後に前記電子情報が所定時間経過後に前記制御手段に記憶されるようになっていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項18】使用者による前記使用者制御装置に対する所定の操作によりカウントダウン動作が行われた後、前記制御手段により前記電子画像の記憶が自動的に行われるようになっていることを特徴とする請求項17に記載の自動写真撮影装置。
【請求項19】1種類あるいは複数種類の電子的に記憶された補助的画像が準備されており、前記プリント作成用電子情報が、この補助的画像上に撮影された電子情報を重ね合わせた複合写真に対応することを特徴とする請求項1から18のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項20】前記カメラにより撮影された被写体の映像と装飾とを重ね合わせた複合電子画像をディスプレイ装置に表示し、前記使用者制御装置を介しての使用者の選択に基づいて前記複合電子画像をプリントするようになったことを特徴とする請求項1から19のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項21】前記ディスプレイ装置上に表示された複数の前記補助画像から前記カメラによって撮影された被写体の映像を重ね合わせるための補助的画像を使用者が選択できるようになっていることを特徴とする請求項19または20のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項22】一連の異なる補助的画像を提供するために交換可能の記憶装置が設けられていることを特徴とする請求項19ないし21に記載の自動写真撮影装置。
【請求項23】一連の異なる補助的画像が遠隔のデータ記憶源から提供されるようになっていることを特徴とする請求項19ないし22のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項24】前記カメラによって撮影された被写体の映像が選択された前記補助的画像に重ね合わせて前記ディスプレイ装置上に表示されるようになされており、前記映像の補助的画像に対する位置および/あるいは大きさを使用者が調整できるようになされていることを特徴とする請求項19ないし23のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項25】前記撮影帯域に、あらかじめ定められたクローマ特性を有する背景境界面を設け、クローマキイフィルタを設けることにより被写体がカメラにより撮影される前記映像中において背景境界面から分離されることを特徴とする請求項19ないし24のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項26】硬貨、硬貨類似代用品、紙幣またはクレジットカードにより起動可能とされていることを特徴とする請求項1ないし25のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項27】さらなる硬貨、硬貨類似代用品、紙幣またはクレジットカードに基づく操作により追加のプリントを作成するようになったことを特徴とする請求項26に記載の自動写真撮影装置。
【請求項28】前記使用者制御装置が使用者によって操作されるコンソールを備えており、使用者が起立状態で該コンソ-ルを操作することによって制御手段が動作することを特徴とする請求項1ないし27のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項29】前記コンソールが使用者によって操作されるタッチパネルを備えていることを特徴とする請求項28に記載の自動写真撮影装置。
【請求項30】前記コンソールが使用者によって操作されるスイッチボタンを備えていることを特徴とする請求項29に記載の自動写真撮影装置。
【請求項31】さらに、前記カメラによって得られる映像を表示する第2のディスプレイ装置を備えたことを特徴とする請求項1ないし30のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。
【請求項32】さらに、前記プリント作成用電子情報をプリントする第2のプリンタ-を備えたことを特徴とする請求項1ないし31のいずれか1つの請求項に記載の自動写真撮影装置。」
なお、【請求項17】における「請求項1ないし17のいずれか1つ」は、「請求項1ないし16のいずれか1つ」の誤記であると認められるから、上記のように認定した。」(以下、請求項順に「訂正発明1」~「訂正発明32」という。)
(III)異議申立の概要
上記各申立人は、証拠として以下の刊行物を提示し、本件の請求項1~請求項32の各項に係る発明が、特許法第29条第1項第3号および同法同条第2項の規定により、特許を受けることができない旨主張し、特許を取り消すべきものである旨主張している。
刊行物1:実願昭59-124522号<実開昭61-40069号>のマイクロフイルム(申立人1の甲第1号証、申立人2の甲第1号証、申立人4の甲第2号証)
刊行物2:実願昭56-145927号<実開昭58-50571号>のマイクロフイルム(申立人1の甲第2号証、申立人4の甲第1号証)
刊行物3:特開昭62-149287号公報(申立人1の甲第3号証)
刊行物4:米国特許第4804983号明細書および図面(申立人1の甲第4号証、申立人2の甲第3号証)
刊行物5:実願昭58-45820号<実開昭59-153533号>のマイクロフイルム(申立人1の甲第5号証)
刊行物6:実願昭62-33386号<実開昭63-140515号>のマイクロフイルム(申立人1の甲第6号証)
刊行物7:特開昭62-269579号公報(申立人1の甲第7号証)
刊行物8:特開昭61-177872号公報(申立人1の甲第8号証)
刊行物9:実願昭59-67849号<実開昭60-181739号>のマイクロフイルム(申立人1の甲第9号証)
刊行物10:特開昭63-76581号公報(申立人1の甲第10号証)
刊行物11:特開昭63-290753号公報(申立人1の甲第11号証)
刊行物12:特開昭63-262717号公報(申立人1の甲第12号証)
刊行物13:特開昭57-145491号公報(申立人1の甲第13号証)
刊行物14:特開昭57-44374号公報(申立人1の甲第14号証)
刊行物15:特開昭62-258561号公報(申立人1の甲第15号証)
刊行物16:特開昭58-171178号公報(申立人1の甲第16号証)
刊行物17:特開昭62-84680号公報(申立人1の甲第17号証)
刊行物18:米国特許第4688105号明細書および図面(申立人2の甲第2号証)
刊行物19:特開昭62-293886号公報(申立人3の甲第1号証)
刊行物20:米国特許第3398664号明細書および図面(申立人3の甲第2号証)
刊行物21:特開昭60-16770号公報(申立人3の甲第3号証)
(IV)刊行物の記載
刊行物1(実願昭59-124522号<実開昭61-40069号>のマイクロフイルム)
a、本考案は、例えば顧客の顔等を、ビデオカメラを介して画像記憶し、この画像の輪部及び/又はグラデーシヨン(階調)を色々に変化させることにより、例えば似顔絵風の画像に編集合成し、更に必要に応じて、この編集合成されに画像に、力セツトテープあるいはフロツピデイスク等から入力された情報、例えば住所氏名等を追加合成して、これを例えば葉書等に自動印刷し販売するようにした、自動印刷販売機に関する。(第1頁第16行~第2頁第4行)
b、第1図及び第2図において、1は映像情報を入力するためのITVカメラ乃至はビデオカメラ(以下、ビデオカメラで代表する。)、2はビデオカメラ1を介して入力された、例えは顧客の顔等の映像情報をモニタするためのブラウン管(以下、モ二タ用CRTという。)で、このモニタ用CRT2には、印刷されるべき映像情報も表示される。(第5頁第14行~第6頁第1行)
c、前記ビデオカメラ1及びモニタ用CRT2は、映像信号処理部5を介して、映像内容の再編集機構部6に接続され、更に、この機構部6を介してマイクロコンピユータ(以下、CPUという。)7に連繋している。(第6頁第6~10行)
d、8は印刷料金を投入する貨幣投入口で、この投入口8は、硬貨又は紙幣が投入できるように構成されていて、CPU7に連繋された支払い機構部9に連結されている。印刷料金の支払いは、貨幣投入口8を介して現金支払いの他、キヤツシユレスによる所謂キヤツシユカード等の磁気カードでの支払いも可能である。10はその磁気カードの投入口で、この磁気カード投入口10はCPU7に連繋された支払い機構部11に連結されている。(第6頁第12~20行)
e、このビデオテープ、フロツピデイスクあるいはカセツトテープ等の外部記憶媒体(第7頁第11~13行)
f、19はCPU7に連繋された印刷機構部で、この印刷機構部19を介して、前記メモリ18に格納された各画像が印刷される。20はその印刷用紙を繰り出す給紙機構部で、この給紙機構部20は外部給紙口21と連結されていて、所定サイズの印刷用紙の他、フリーサイズの印刷用紙をも繰り出すことが可能になつている。22は印刷物等の放出口で、この放出口22は、CPU7に連繋された放出機構部23が連結されていて、印刷物の他、この印刷料金として支払った金額の領収書が放出される。(第7頁第19行~第8頁第9行)
g、先ず、貨幣投入口8あるいは磁気カード投入口10を介して、現金あるいは磁気カード(キヤツシユカード)で所定の最低印刷料金が支払われることにより、当該販売機は動作を開始する。そこでビデオカメラ1により、例えば顧客の顔等を撮影し、これをモニタ用CRT2に映し出し、静止画として記憶する。次いで顧客は、この静止画(ビデオカメラ1の映像)を、キーボード4の操作により、例えば輪郭をぼかしたり、あるいは最暗部(黒)からハーフ・トーン、更には最明部(白)に至るまでのクラデーシヨンを何段階にも変化させて、複数の分解画像に形成する(ST1)。この複数の分解画像は、編集用CRT3の同一両面上に夫々分割表示される(ST2)。この分割表示された複数画面の中から、印刷用原画として利用すべく任意の表示画面を選択すると(ST3)、この表示画面の映像は例えば画像(1)としてメモリ18に格納される(ST4)。そこで、この画像(1)を印刷するか否かの判断がされる(ST5)。印刷することなく、更にこの画像(1)に次の映像処理を施すことを希望する場合には、この処理に必要な所定の追加料金を支払う(ST6)。(第8頁第18行~第9頁第19行)
h、この再編集済み映像を例えば画像(2)としてメモリ18に記億する(ST10)。そこで、この画像(2)と前記画像(1)とを、必要に応じ拡大、縮小あるいは適当に移動させる等の処理を加えて、印刷用原画として編集合成する(ST11)。そして、この編集合成された映像を例えば画像(3)としてメモリ7に記憶する(ST12)。ここにおいて、この画像(3)を印刷するか否かの判断がなされる(ST13)。(第10頁第7~15行)
i、そして、ビデオテープ、フロツピデイスクあるいはカセツトテープ等のうちの所望の外部記憶媒体をそれと対応する所定の挿入口14,15,16にセツトする(ST15)。すると、このセツトされた外部記憶媒体の内容は編集用CRT3上に表示される(ST16)。そこでキーボード4を介して、表示された外部記憶媒体の内容を、例えば拡大、縮小あるいは配列換え等適宜の改変を行うことによつて再編集を行い(ST17)、この再編集された映像を例えば画像(4)としてメモリ18に記憶する(ST18)。そして、この画像(4)と前記画像(3)とを、必要に応じ拡大、縮小等の改変処理を施して印刷用原画として編集合成し(ST19)、この編集合成された映像を例えば画像(5)としてメモリ18に記憶する(ST20)。次いで、この画像(5)にカラー指定を行うか否かの判断がなされる(ST21)。尚、前記ST5の処理において画像(1)を、又前記ST13の処理において画像(3)を、追加処理することなく、そのまま夫々印刷することを希望した場合にも、このST21の判断処理がなされる。(第10頁第18行~第11頁第19行)
j、そして、この画像(6)が印刷機構部19を介して、給紙機構部20からの所望の印刷用紙例えばA4判、B5判等の用紙、あるいは名刺、葉書又は年賀葉書等に印刷される(ST24)。この場合、更に追加して印刷を行うか否かが判断される(ST25)。そして、追加印刷を希望する場合には、所定の追加印刷料金を支払い(ST26)、キーボード4を介して所望の追加印刷枚数をセツトする(ST27)。と同時に、必要に応じてそのセツト枚数に応じた所定の印刷用紙をセツトすれば、追加印刷が行われる(ST28)。(第12頁第3~14行)
k、これらはキーボードの他に、例えばマウスやタツチスイツチ等によつても再編集することができる。(第14頁第14~16行)
上記a及びgの記載から見て、刊行物1には、「撮影帯域内の被写体に含まれる顧客の操作に基づいて動作する自動印刷販売機」が開示されている。
上記bの記載から見て、刊行物1には、「前記撮影帯域内の被写体を撮影し、記憶可能な電子情報の形態の画像出力を発生するビデオカメラ1」が開示されている。
上記bの記載から見て、刊行物1には、「前記ビデオカメラ1により得られる映像を含む電子情報の画像を表示するモニタ用CRT2」が開示されている。
上記f及びjの記載から見て、刊行物1には、「プリント作成信号により作動され、前記電子情報の画像のプリントを作製する印刷機構部19」が開示されている。
上記c、f、g及びhの記載から見て、刊行物1には、「前記電子情報を記憶し処理するメモリ18及びCPU7」が開示されている。
上記bの記載から見て、刊行物1には、「前記ビデオカメラ1で撮影された被写体の映像を前記モニタ用CRT2によって顧客が見ることができるようになっており」が開示されている。
上記hの記載から見て、刊行物1には、「前記メモリ18及びCPU7は、顧客による前記キーボード4の操作に基づいて、顧客が容認した前記映像にかかる電子情報を記憶し、処理するようになっており」が開示されている。
上記h及びjの記載から見て、刊行物1には、「前記印刷機構部19が前記記憶され、処理された電子情報に対応するプリントを作成するようになったことを特徴とする自動印刷販売機」が開示されている。
してみると、刊行物1には、「撮影帯域内の被写体に含まれる顧客の操作に基づいて動作する自動印刷販売機であって、前記撮影帯域内の被写体を撮影し、記憶可能な電子情報の形態の画像出力を発生するビデオカメラ1と、前記ビデオカメラ1により得られる映像を含む電子情報の画像を表示するモニタ用CRT2と、プリント作成信号により作動され、前記電子情報の画像のプリントを作製する印刷機構部19と、前記電子情報を記憶し処理するメモリ18及びCPU7とを備え、前記ビデオカメラ1で撮影された被写体の映像を前記モニタ用CRT2によって顧客が見ることができるようになっており、ビデオカメラ1により撮影し、静止画として記憶した映像から、複数の分解画像を形成し、その中から、任意に選択した表示画面の映像、すなわち、画像(1)を印刷するか否かの判断がされ(ST5)、前記メモリ18及びCPU7は、顧客による前記キーボード4の操作に基づいて、顧客が容認した前記映像にかかる電子情報を記憶し、処理するようになっており、前記印刷機構部19が前記記憶され、処理された電子情報に対応するプリントを作成するようになったことを特徴とする自動印刷販売機」が開示されている。
刊行物2(実願昭56-145927号<実開昭58-50571号>のマイクロフイルム)
・「背景として予め静止面が記録されたリ一ドオンリ・メモリの中から所望の静止面を選択してこれを映像信号に変換する背景選択再生手段と、対象物をテレビカメラにより撮影して所定方式の映像信号に変換する撮像手段と、上記背景選択再生手段及び上記撮像手段からの両映像信号を加えて合成映像信号を作成するクロマキー編集機と、上記合成映像信号より合成画像を表示するモニタテレビ受像機とを有する写真合成装置。」(第1頁第4~12行)
・本考案は、クロマキー編集機を利用して電気的に合成写真を簡単に作ることを目的とし、背景として予め静止画が記録されたリードオンリ・メモリの中から所望の静止画を選択してこれを映像信号に変換する背景選択再生手段と、対象物をテレビカメラにより撮影して所定方式の映像信号に変換する撮像手段と、これらの背景選択再生手段の映像信号と撮像手段の映像信号とを加えて合成映像信号を作成するクロマキー編集機と、この合成映像信号より合成画像を表示するモニタテレビ受像機とを有することが特徴である。(第1頁第17行~第2頁第7行)
・「使用者が写真と番号をみてセレクタ(2)のこれに対応する番号のボタンを押すと、選択回路が所望の静止画を選択するように構成する。」(第3頁第9~11行)
・「1つのリ-ドオンリ・メモリに複数の静止画を記録し」(第3頁第18~19行)
・「(4)は、使用者(14)を撮影するためのテレビカメラで、その撮像出力が所定方式(例えばNTSC方式)の映像信号でない場合は、プロセツサ(3)によって所定方式の映像信号に変換する。すなわち、テレビカメラ(4)とプロセツサ(3)とは撮像手段を構成する。(5)は、背景選択再生手段(1,2)からの映像信号と撮像手段(3,4)からの映像信号とを加えて合成映像信号を作成するクロマキー編集機である。」(第4頁第1~9行)
・「(6)は、クロマキー編集機(5)が作成した合成映像信号によつて背景と使用者との合成画像を表示するモニタテレビ受像機である。」(第5頁第2~4行)
・「(7)は、投入された通貨を検出して本自動撮影機を起動させる通貨検出スイツチである。(8)は、クロマキー編集機(5)により合成された映像信号を目的に応じて小型磁気デイスク(12)等に記録するための静止画像記録装置である。(9)は、合成画像をカラー写真(13)にするカラープリンタである。(10)は、使用者(14)が例えば「OK」のような所定の音声を出したとき、この声をマイクロホン(11)を介して受信し所定の音声かどうかを識別し静止画像記録装置(8)やカラープリンタ(9)を始動させるスタート信号を発生する音声識別スイッチである。次に、上記自動写真撮影機の使用の1例を述べる。使用者(14)は、まず通貨を通貨検出スイッチ(7)の投入口に入れ、背景となるべき静止画をセレクタ(2)によつて選択し、青色のスクリーン(15)を背にしてテレビカメラ(4)の前に立つ。自動写真撮影機は動作を開始し、使用者(14)がモニタテレビ受像機(6)の合成画面をみなから丁度よい時に「OK」と声を出すと、カラープリンタ(9)が動作を開始し、所望の合成写真が作り出されると同時に自動写真撮影機は動作を停止する。」(第5頁第11行~第6頁第11行)
刊行物3(特開昭62-149287号公報)
・「上記のように構成された映像伝送装置においては、まずカラーテレビカメラ1により投影された会議室の映像2と、背景映像出力手段3が収納する背景映像4の映像信号が、クロマキー装置5に入力される。この入力によってクロマキー装置5は、会議室の映像2から分離手段5aによつて被写体映像2aと現実の背景映像2bを分離して切り抜き信号を作成し、背景映像4を切り抜き、被写体映像2aを背景映像4にはめ込む。そののち、クロマキー装置5は、背景映像4に被写体映像2aをはめ込んだ映像信号をテレビ会議装置6へ出力する。出力された映像信号は、テレビ会議装置6、7、通信回線8を経由し、相手局のディスプレー9に入力され、テレビ会議にふさわしい背景映像4に被写体2aがはめ込まれた画像が相手局のディスプレー9に表示される。」(第2頁左下欄第1~16行)
刊行物4(米国特許第4804983号明細書および図面)
・「カメラとビデオモニタを備えた自己写真撮影室において、カメラ92を移動制御しうるようにした装置」(第4欄第5~15行、第1図、第6図)
刊行物5(実願昭58-45820号<実開昭59-153533号>のマイクロフイルム)
・「なお微調整を要する場合又は必要に応じて反射ミラー3を回動し、反射角度を変えることができる。また反射ミラー3が回動可能に形成されていない場合には、ピン13を縮小して長穴12からはずし、軸11aを中心に筐体7の前面を上下に動かして微調整を行なうことができる。なお、顔の位置が低い場合には、上記と逆の操作をすればよい。」(第5頁第19行~第6頁第6行)
刊行物6(実願昭62-33386号<実開昭63-140515号>のマイクロフイルム)
・「そこで図2のように本案の表示器5をカメラ1に組み込み、自動撮影の際シャッターのきれる数秒前に音または光、あるいはその両方で合図を発するようにすれば、カメラ1に向かっている者4は緊張も少なくて済み、それに合わせてポーズがとれるので満足な写真が得られる。」(第2頁第1~6行)
刊行物7(特開昭62-269579号公報)
・「この出力端子(21)には、モニタ受像機(22)が接続され、そのCRTの管面上に、ヘッド(16)によって記録紙に印写すべき映像を事前に確認することができる。しかして、このモニタ受像機(22)の画面を見ながら、増幅回路(2)の利得及びクランプ回路(4)のクランクレベルの可変により、デジタル映像信号のコントラスト及び輝度を最適状態に調整した後、所望画面でスイッチSWをオンにすれば、その画面に時間的に近い静止画が最適状態で記録紙に印写される。尚、D/A変換回路(19)に供給するデジタル映像信号は、A/D変換回路(5)の後段であれば他の個所でも良く、例えばフレームメモリ(7)から読み出されたデジタル映像信号が可能である。この場合は、記録紙に印写する静止画そのものをモニタ受像機(22)に映出することができる。尚、この場合は、印写指令のスイッチSWの他に、モニタ指令のスイッチを設け、これを操作してその静止画の状態を確認し、それで良ければ印写指令のスイッチSWを操作して、その静止画を記録紙に印写すれば良い。又、A/D変換回路(5)の出力と、フレームメモリ(7)の出力とを切換えてD/A変換回路(19)に供給するようにしても良い。又、この実施例では、記録紙にモノクローム映像を印写するようにした場合であるが、カラー映像を印写するようにしても良い。又、この実施例では、ヘッド(16)としてサーマルヘッドを用いた場合について述べたが、インクジェットヘッド、レーザヘッド、静電ヘッド等他のヘッドでも良い。」(第3頁左下欄第6行~右下欄第15行)
刊行物8(特開昭61-177872号公報)
・「この場合、撮影レンズ7による撮影光束がミラー51、53、54によつて3回反射されて固体撮像素子76の撮像面に結像するため、その画像は被写体に対して左右逆像となり、モニタテレビ30の画面8aに映し出される画像も左右逆像になる。したがって、被写体である人物は、その撮影画面を鏡を見るようにセルフモニタできる。」(第4頁左上欄第1~8行)
・「被写体となる人物103が、椅子102に腰かけると、その写真撮影画面と同じ画面がモニタテレビ10によつて左右逆像で映し出され、バララツクスなくセルフモニタできる。」(第4頁右下欄第12~15行)
刊行物9(実願昭59-67849号<実開昭60-181739号>のマイクロフイルム)
・「タイマー(21)は、タイマーセットスイッチ(20)の作動後、スタートボタン(14)を押すことにより作動し、一定時間、例えば10秒経過後に、前述のインスタントカメラ(4)に内蔵されたシャッタースイッチ(10)に導線(22)(第1図参照)をもって並列的に接続されたタイマーシャッタースイッチ(23)を作動させるようになっている。」(第5頁第4~10行)
刊行物10(特開昭63-76581号公報)
・「フレームの選択は、カタログ等の描画してあるフレーム、あるいは実物等によって選択でき、これらは、あらかじめコンピユーターにフレームデータとして登録してあるので、その型式等の数値をキーボード等の入力操作によりデータを読み出すことができ、さらに人物とフレームとの合成画像の作成処理が行われ、表示画像に送り出され合成画像が表示される。そこで、好みのフレームが決定するまで、フレームデータの入力操作が継続される好みのフレームの選択が行われる。」(第6頁左下欄第10~20行)
刊行物11(特開昭63-290753号公報)・「以上の動作において、主要部の働きを第2図を用いて説明する。第2図は力ードなどに貼り付けるシールなどのプリント例であり、例えばテレホンカード用の印画例である。プリント画中の画枠はカードの大きさを示すためにプリントされている。まず第2図(a)はカメラ撮り時の被写体(人物)が静止して位置がほぼ固定の場合である。この状態ではパソコン7からの合成文字あるいは画枠をメモリ手段l0の前段に設けられたアナログ合成手段4及びディジタル合成手段9で合成した後、メモリ手段10に保持する。この場合文字、画枠は固定なので、被写体の位置、カメラアングルで画枠・文字に対する被写体位置合わせをする。次に被写体の位置合わせが困離な力メラ撮りや、VTRなどの再生出力に文字を合成する場合には、第2図(b)のように画枠の位置は必らずしも一定でないため、まず所望画像をメモリ手段10に保持した後画枠・文字を適切な位置に移動して合成する。これにはパソコン7へ供給する調節複合同期信号の位相を、同期信号発生手段6により調節して、第2図(b)に示すように適切な位置に合わせた後プリントする。この場合メモリ手段10の出力に、パソコン7からの合成信号C、Eを合成する。さらに第2図(a)(b)のような横長の画枠が合わない場合にもメモリした画像に文字・画枠を合成してプリントする上記装置では、第2図(c)(d)のように縦枠に置き換えて合成画像を確認した後プリントすることができる。」(第3頁左下欄第10行~右下欄第17行)
・「まずカメラ、VTRなどの映像信号から、プリントしたい所望画像をメモリ手段10にメモリする。その後、合成信号C~Eにより、パソコン7からの文字・画枠を合成する。文字・画枠位置をモニタ15で確認し、OKならばプリントする。NGならば同期信号発生手段6の調節手段104により、文字・画枠位置を調節し、プリントする。」(第4頁左上欄第11~18行)
刊行物12(特開昭63-262717号公報)・「本発明のプリントサーバ1は、プリンタ装置利用状況監視手段14により自装置配下のプリンタ装置のビジィを認識すると、プリントサーバ間インタフェース処理手段15によって、他のプリントサーバとの通信を行い、他のプリントサーバ配下のプリンタ装置が使用可能であれば、これへ印刷処理を依頼することが可能となる。また、他のプリントサーバからの印刷処理要求を受け付けて、自装置配下のプリンタ装置により印刷させることができる。」(第2頁右下欄第2~11行)
刊行物13(特開昭57-145491号公報)・「これを説明すると、カラーテレビジョンカメラ1はブルー(青色)のバック紙(または布)2の前に立った人物3を撮影する。また、衣服画像ファイル4には、バックがブルーの衣服画像5が複数枚ファイルされている。なお、この衣服画像には人物の手足も同時に撮影されている。衣服合成回路6はカラーテレビジョンカメラ1によって撮影された人物3の首から上の部分と、衣服画像ファイル4の中から選択された1枚の衣服画像5とをワイプ等の手法にて合成しており、衣服合成回路6からはブルーのバックに人物3があたかも衣服画像5の衣服を着たような画像信号が出力される。この信号は背景合成回路7へ入力され、背景合成回路7は衣服合成回路6の出力信号のブルーバックの部分に、背景ファイル8に記録された風景画像をクロマキー等の手法にて合成して、合成画像をテレビジョン受像機9に供給している。」(第1頁右欄第3~19行)
刊行物14(特開昭57-44374号公報)
・「撮影者に記録した画像の良否が直ちに判断できるようにするとともに、撮影画像の判断の結果により簡単な操作で撮影し直しができるようにした電子写真カメラを提供する」(第2頁左上欄第13~17行)
・「〔撮り直し時〕撮影に失敗して再生モニタの確認後、撮り直しを行いたい場合は、レリーズボタン19を開放し、消去ボタン20を押圧する。」(第6頁右下欄第10~13行)
・「〔撮り直し時〕レリーズボタン19の1段目の押圧操作で、モニタ装置3に静止画像が表示されるが、この時点では未だデイスク5には記録が行われていない。従って、撮影者は上記静止画像を確認し、撮り直しを行いたいときは、レリーズボタン19を離すだけで、再度、撮り直しを行うことができる。」(第10頁左上欄第19行~右上欄第5行)
刊行物15(特開昭62-258561号公報)・「本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、電子スチルカメラ内部で撮影する画像をデジタル信号に変換し、ファインダを見ることにより撮影前に記録されるべきデジタル画像を確認することができる電子スチルカメラを提供することを目的とする。」(第2頁左下欄第3~8行)
刊行物16(特開昭58-171178号公報)・「被写体像を記録した画像を、これと一体もしくは別体として形成されたディスプレイ部により瞬時に見ることができると共に、更に拡大部において、全体の画像中、希望する部分のみ拡大し、希望画像を得ることができ、取捨選択ののち、これを写真機内の記憶部、或いは別のメモリに記憶させておき、写真機と一体もしくは別体として形成されたプリント部でプリントするなり、ディスプレイするなりできる利点を有する。」(第3頁左下欄第1~10行)
刊行物17(特開昭62-84680号公報)
・「本発明の目的は、上記問題点を解決するために映像メモリに記憶されたディジタル階調濃度信号をテレビ画面もしくは異なるモニタ画面上に再現し、プリントアウトしたい映像かどうかを判断できる手段を有することにある。」(第2頁右上欄第3~7行)
刊行物18(米国特許第4688105号明細書および図面)
・「本発明は、自動的にオーディオ/ビデオを記録し、また、自動販売するシステムからなる。一形態において、本発明は、ユーザ用の前部区画と、カメラおよび記録機材とを収容する後部区画の、二つの区画のブースを含むことができる。しかし前記記録部材は、カメラと離すことができる。ユーザ(または複数のユーザ)は、貨幣、代用貨幣、クレジットカードまたは他の何らかの方法により操作を開始するためのものを挿入し、予め設定された時間の終了までにユーザが本人の映像と音声とを含むように自動販売されるビデオカセットあるいは他の記録される媒体で、カメラの前に位置して、会話したり歌ったり他のパフォーマンスをしたりする。本発明のさらなる形態において、本明細書に記載されているように、ユーザは、他の多くの選択が与えられる。これらの主なものは、多少のあるいは多くのオーディオ/ビデオ背景シーケンス中から、レーザビデオディスクまたは他のビデオ再生媒体から、ユーザの映像が電子的に絡み合わされあるいは調整するものにわたり、あるいは他の背景映像などから、これらを任意の回数で複合されたものである。この複合された映像は、次いでビデオテープあるいは他の任意の販売可能な顧客の使用可能な媒体に記録される。・・・このユーザの映像のスクリーン上のサイズは、ユーザの自由裁量によってあるいは前もってプログラムされた操作の下で、カメラのレンズの焦点を操作するための開示された手段によりなり、これは、前もって撮影された背景のシーケンス中に、出来事およびシーンにあわせることができる。同様に、好ましくは、ユニット内のビデオスイッチングマトリクスを操作するために含まれている手段、これはマイクロコンピュータからの信号によってクロマキーあるいは他のビデオ構成デバイスを有効に操作する手段により、ユーザの映像は、任意のシーン中にあり、他のシーンにはないように表現できる。」(第1欄第45行~第2欄第29行)
・「図1は、好ましい本発明のシステムが含まれているビデオ記録ブースを示し、この中で、プライバシーおよびある程度の音響的な隔離がなされている。・・・ブース1は、ドアを開放可能な側壁11、対面の側壁10、吊り下がったアコーディオンあるいは他の型のドア6、天井9、前壁79、床4および図6に示すサービスにアクセスするドア3のある後部壁52と、からなる。・・・ブース1の内側は、メインパネル2により、二つに区画されている。・・・」(第3欄)
・「画像の調整でクロマキーを用いることが好ましく、クロマキーは、あたかもユーザが”画像の中”にいるように、すなわち、背景の場所にいるように、背景のソースから、1つの映像内にユーザの映像を置く現実感のある方法をあたえる」旨(第4欄第58~63行)
・「図5は、後部区画3内のビデオカメラ49システムの形態を示す側面図である。前部区画7からの映像は、主パネル2内のモニター窓15(矢印53参照)で受けられ、また、“1方向”あるいはハーフミラー38を介して受けられる。ハーフミラーという語句は、一側面においてはより大きいあるいはより少ない透明性を有するある任意の材料を表し、また別の側面ではより大きいあるいはより小さい反射性のある任意の材料を表す。ブースモニター37は、前部区画7内のユーザはカメラレンズ50に直接的に視覚できるようにミラー38で反射され(矢印54参照)、完全に調整された映像がモニター窓15を介して視覚しながら記録される。・・・サーボカメラレンズ50は、サーボコントロールユニットすなわちショットボックス51と連結され、これは、コントロールパネル12から、あるいはVDP42と関連しエンコードされたビデオディスクからの命令(ライン136)毎にマイクロコンピュータ45によりトリガーされた電圧レベルにより、レンズの焦点距離が操作される(図10参照)。」(第6欄第40行~同第7欄第3行)
刊行物19(特開昭62-293886号公報)・「撮像手段は、例えば差出人自身、風景等を同時または逐次撮像してそれらの画像データをメモリに与える。このメモリに格納された画像データはデータ処理装置に与えられた位置データ入力手段からの指示入力に基き処理が施された上で再びメモリ格納される。この処理後のデータはデータ変換装置を介して昇華転写プリンタに与えられ、葉書用紙に印刷される。」(第2頁右上欄第5~12行)
・「まずステップS101において、撮像手段101により撮像する。撮像は絵葉書に印刷すべき差出人の容姿とか風景を撮像してもよいし、顔写真とか似顔絵、さらにスケッチ画のような画像化されたものを撮像してもよい。これらの対象物に応じてTVカメラとかラインセンサ等を使い分ける。撮像手段101により取り込まれた各データはデータ処理装置104を介してメモリ105に格納される(S102)。そしてこの格納されたデータを用いてディスプレイ102上に画像が表示される(S103)。この表示画像はまだ処理を経ていないものであるから、そのまま絵葉書に印刷するのには適さないものであるのが通例であるが、そのまま絵葉書に印刷し得る場合もある。そこでディスプレイ102上の表示画像をオペレータが観察して追加処理の要否を判断する(S104)。そして必要ないときは例えばキーボード106により操作を行なえばデータ処理装置104は処理を終了し、次のデータ変換装置にデータを送り出す。」(第2頁右下欄第6行~第3頁左上欄第6行)
・「終了したらデータがメモリ105に格納され(S102)、かつディスプレイ102に表示されるからステップS104において追加処理の要否を確認する。この場合追加処理は既に終了しているからステップS112に移行し他の画像を処理するか否かを判断する他の画像としては例えば背景がある。そこで人物写真の背景とすべき風景等を撮像手段101により撮像してデータ処理装置104を介してメモリ105に格納する(S102)。この格納データの処理は前述の通りである。そして全ての処理が終了すると処理終了後の画像データがディスプレイ102上に表示され(S103)、これをオペレータが自視確認して他の処理を要しないときはステップS104、S112を介して処理動作終了となる。」(第3頁左下欄第13行~右下欄第8行)
刊行物20(米国特許第3398664号明細書および図面)
・自動写真装置において、カメラおよびディスプレイ装置を収容するハウジングを備え、該ハウジングはプリンターを収納するとともに、プリントをハウジング外に排出する排出口を有するものが開示されている。

刊行物21(特開昭60-16770号公報)
・画像合成の技術分野において、被写体を鏡像とすること及び被写体の映像を電子的に反転することが開示されている。
(V)対比・判断
訂正発明1
訂正発明1と刊行物1記載の発明とを比較すると、後者の「顧客」、「自動印刷販売機」、「ビデオカメラ1」、「モニタ用CRT2」、「印刷機構部19」、「メモリ18及びCPU7」、「キーボード4」は、夫々前者の「使用者」、「自動写真撮影装置」、「電子画像作成カメラ」、「ディスプレイ装置」、「プリンター」、「制御手段」、「使用者制御装置」に相当するから、両者は、撮影帯域内の被写体に含まれる使用者の操作に基づいて動作する自動写真撮影装置であって、前記撮影帯域内の被写体を撮影し、記憶可能な電子情報の形態の画像出力を発生する電子画像作成カメラと、前記カメラにより得られる映像を含む電子情報の画像を表示するディスプレイ装置と、プリント作成信号により作動され、前記電子情報の画像のプリントを作製するプリンターと、前記電子情報を記憶し処理する制御手段とを備え、前記カメラで撮影された被写体の映像を前記ディスプレイ装置によって使用者が見ることができるようになっており、前記制御手段は、使用者による前記使用者制御装置の操作に基づいて、使用者が該映像を拒絶した場合には、その映像ではなく他の映像を撮影するように指示し、使用者が容認した前記映像にかかる電子情報を記憶し、処理するようになっており、前記プリンターが前記記憶され、処理された電子情報に対応するプリントを作成するようになったことを特徴とする自動写真撮影装置で一致し、
A前者は、前記カメラで撮影された被写体の映像をプリント作成のために使用する前に使用者が該映像を容認または拒絶することを可能ならしめる使用者制御装置がさらに設けられるのに対して、後者は、ビデオカメラ1により撮影し、静止画として記憶した映像から、複数の分解画像を形成し、その中から、任意に選択した表示画面の映像、すなわち、画像(1)を印刷するか否かの判断がされる(ST5)点、
B前者は、前記制御装置が、使用者が該映像を拒絶した場合には、その映像ではなく他の映像を撮影するように指示するのに対して、後者は、そのような記載が無い点で相違する。
そこで、相違点Aについて検討すると、後者の「ビデオカメラ1により撮影し、静止画として記憶した映像」は、前者の「前記カメラで撮影された被写体の映像」に相当し、後者の「画像(1)を印刷するか否かの判断がされる(ST5)」は、前者の「プリント作成のために使用する前に使用者が該映像を容認または拒絶することを可能ならしめる」に相当し、判断されるためには、当然、キーボード4が使用されるから、実質的相違点は、静止画として記憶した映像を得てから印刷するまでに、複数の分解画像を形成したり、その中から任意に選択するなどの、なんらかの処理が入るか否かに有る。
しかしながら、一般に、なんらかの処理が入るのは、静止画として記憶した映像が、印刷するに足りない状態であるからであり、印刷するに足る状態であれば、なんらの処理も入れる必要は無いのは当然の帰結である(例えば、上記刊行物7第3頁右下欄第2~7行には、「尚、この場合は、印写指令のスイッチSWの他に、モニタ指令のスイッチを設け、これを操作してその静止画の状態を確認し、それで良ければ印写指令のスイッチSWを操作して、その静止画を記録紙に印写すれば良い。」との記載があり、上記刊行物11第4頁左上欄第11~18行には、「まずカメラ、VTRなどの映像信号から、プリントしたい所望画像をメモリ手段10にメモリする。その後、合成信号C~Eにより、パソコン7からの文字・画枠位置をモニタ15で確認し、OKならばプリントする。NGならば同期信号発生手段6の調節手段104により、文字・画枠位置を調節し、プリントする。」との記載があり、上記引用例19第2頁右下欄第13行~第3頁左上欄第6行には、第2図と共に「撮像手段101により取り込まれた各データはデータ処理装置104を介してメモリ105に格納される(S102)。そしてこの格納されたデータを用いてディスプレイ102上に画像が表示される(S103)。この表示画像はまだ処理を経ていないものであるから、そのまま絵葉書に印刷するのには適さないものであるのが通例であるが、そのまま絵葉書に印刷し得る場合もある。そこでディスプレイ102上の表示画像をオペレータが観察して追加処理の要否を判断する(S104)。そして必要ないときは例えばキーボード106により操作を行なえばデータ処理装置104は処理を終了し、次のデータ変換装置にデータを送り出す。」との記載がある。)から、相違点Aは、当業者なら容易に推考し得る程度の事項であると認められる。
次に、相違点Bについて検討すると、刊行物19の第2図にデータ処理装置を中心とした動作内容を示すフローチャートが開示され、S104のNOが、訂正発明1の「映像の容認」に相当し、S112でYESの場合にS101で撮り直しを行えば、訂正発明1の「映像の拒絶」に相当するかのように見える。
しかしながら、刊行物19においては、撮像手段101の操作を使用者が行うか否か明白ではなく、また、S101で撮像されたデータはS102で直ちに格納され、消去されることはない。
してみれば、刊行物19に相違点Bが開示されているとは言えない。
また、刊行物2~18及び20、21のいずれにも相違点Bの記載ないし示唆が無い。
訂正発明1は、この構成を有することによって明細書記載の作用効果を奏するものであるから、各刊行物に記載された発明であるとは言えず、また、当業者といえども、各刊行物に基づいて容易に発明することができたとは言えない。
訂正発明2~32
訂正発明2~32は、訂正発明1の構成を前提とし、さらに新たな構成を付加したものである。
よって、訂正発明2~32と各刊行物記載の発明とを比較すると、前記相違点Bが存在するから、訂正発明1の相違点Bについての判断の理由により、訂正発明2~32は、各刊行物に記載された発明であるとは言えず、また、各刊行物に記載された発明に基づき当業者が容易に発明できたものと認めることはできない。
(VI)むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠方法によっては、本件の請求項1~32に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件の請求項1~32に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2001-06-05 
出願番号 特願平10-168097
審決分類 P 1 651・ 121- Y (G03B)
P 1 651・ 113- Y (G03B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 柏崎 康司木村 敏康  
特許庁審判長 高橋 美実
特許庁審判官 國島 明弘
柏崎 正男
登録日 1999-09-10 
登録番号 特許第2977532号(P2977532)
権利者 フォトスター、リミテッド
発明の名称 自動写真撮影装置  
代理人 今城 俊夫  
代理人 大塚 文昭  
代理人 宍戸 嘉一  
代理人 中村 稔  
代理人 竹内 英人  
代理人 板谷 康夫  
代理人 村社 厚夫  
代理人 小川 信夫  
代理人 西島 孝喜  

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