• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C25B
管理番号 1089939
異議申立番号 異議2003-71112  
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-11-16 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-04-30 
確定日 2003-12-08 
異議申立件数
事件の表示 特許第3340385号「オゾン発生用の電解槽及びこれを用いた水処理装置」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3340385号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 I.本件発明
特許第3340385号(平成10年5月6日出願、平成14年8月16日登録)の請求項1、2に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】 円盤状の陽極板で形成した陽極と円盤状の陰極板で形成した陰極との間に固体高分子電解質膜を介在させて水を電気分解することによってオゾンを発生させる単位電解槽が両端の側板によって複数台結合された複極式の電解槽において、
前記陽極板又は前記陰極板の外面のうちの前記陰極板の外面と前記両端の側板のうちの前記陽極板の外面に接触する方の前記側板の面とに水冷却を可能にする冷却部を設け、前記円盤状の外径側に設けた環状部分の内側に一定の幅だけ前記陰極板の外面及び前記側板の面から凹んだ円盤形状の空間部分として前記冷却部を形成し、前記環状部分に明けられた冷却水の入口通路及び出口通路であって前記空間部分の中心から互いにほぼ対称方向に放射状に形成された入口通路及び出口通路と、前記空間部分に前記幅の全体にわたって設けられ前記入口通路及び前記出口通路と対向する部分が開いていて前記環状部分の内側端から間隔を明けて配設され冷却水の流れを案内する案内部材と、を設けたことを特徴とする電解槽。
【請求項2】 オゾン発生装置で得られたオゾンと被処理水とを接触させて濾過装置で濾過する水処理装置において、
前記濾過装置で濾過した水を前記冷却部に導く冷却水供給系と、前記冷却部から出た水を前記濾過装置に戻す冷却水戻し系と、前記オゾン発生装置から発生したオゾンを吸入して供給する水エゼクタと、該水エゼクタに駆動水を供給するポンプとを有し、
前記オゾン発生装置は、円盤状の陽極板で形成した陽極と円盤状の陰極板で形成した陰極との間に固体高分子電解質膜を介在させて水を電気分解することによってオゾンを発生させる単位電解槽が両端の側板によって複数台結合された複極式の電解槽であって、前記陽極板又は前記陰極板の外面のうちの前記陰極板の外面と前記両端の側板のうちの前記陽極板の外面に接触する方の前記側板の面とに水冷却を可能にする冷却部を設け、前記円盤状の外径側に設けた環状部分の内側に一定の幅だけ前記陰極板の外面及び前記側板の面から凹んだ円盤形状の空間部分として前記冷却部を形成し、前記環状部分に明けられた冷却水の入口通路及び出口通路であって前記空間部分の中心から互いにほぼ対称方向に放射状に形成された入口通路及び出口通路と、前記空間部分に前記幅の全体にわたって設けられ前記入口通路及び前記出口通路と対向する部分が開いていて前記環状部分の内側端から間隔を明けて配設され冷却水の流れを案内する案内部材と、を設けた電解槽を有し、
前記冷却水供給系は前記濾過装置からバイパスさせた濾過循環水が供給される前記ポンプ及び該ポンプの吐出側から分岐して前記冷却部に到る供給側分岐系を含むように構成され、
前記冷却水戻し系は前記ポンプ及び前記冷却部から前記ポンプの吸入側に到る戻し側分岐系を含むように構成されていることを特徴とする水処理装置。」

II.特許異議の申立て
1.申立ての理由
特許異議申立人は、本件請求項1に係る発明は、甲第1号証~甲第4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、本件請求項2に係る発明は、甲第1号証~甲第5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1、2に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであると主張している。

2.証拠の記載内容
甲第1号証~甲第5号証には、次の事項が記載されている。
(1)甲第1号証:特開平9-13187号公報
(1a)「液体を電解する電解セルと、前記電解セルの一端面側に設けられ、当該電解セルへ送給する前記液体を流通させる液体流通スリット及び当該電解セルの一端面側から発生したガスを回収して送り出すガス流通スリットを備えた第一マニホールドと、
前記電解セルの他端面側に設けられ、当該電解セルの他端面側から発生したガスを回収して送り出す第二マニホールドとを備えてなることを特徴とする電解槽。」(請求項1)
(1b)「本発明は、液体を電解して発生したガスを回収する電解槽に関し、特に、水を電解して酸素やオゾン、水素などを得る場合に有効なものである。」(段落【0001】)
(1c)「図7に示すように、イオン交換膜31の一端面側には、陽極32が設けられており、・・・
図7に示すように、イオン交換膜31の他端面側には、陰極33が設けられており、・・・」(段落【0020】~【0021】)
(1d)「図1,3に示すように、陽極側マニホールド10の背面には、絶縁性を有する冷却液を流通させる冷却液流通路17が形成されている。陽極側マニホールド10の前記分配溝12側と前記収集溝15側とには、当該マニホールド10の正面と背面とを貫通する冷却液流通孔18a、18bがそれぞれ形成されており、これら冷却液流通孔18a、18bは、上記冷却液流通路17と連通している。」(段落【0024】)
(1e)「図4~6に示すように、陰極側マニホールド20の背面には、冷却液を流通させる冷却液流通路27が形成されている。陰極側マニホールド20の前記スリット24の一端側と他端側とには、当該マニホールド20の正面と背面とを貫通する冷却液流通孔28a,28bがそれぞれ形成されており、これら冷却液流通孔28a,28bは、上記冷却液流通路27と連通している。・・・」(段落【0026】)
(1f)図1~3には、陽極側マニホールド10の外面に、環状部分の内側に一定の幅だけ陽極側マニホールド10の外面から凹んだ空間部分として冷却液流通路17が設けられていること、環状部分に二つの冷却液流通孔18a、18bが設けられていることが示されており、図1、3には、前記二つの冷却液流通孔18a、18bと冷却液流通路17とをそれぞれ連通する二つの通路が空間部分の中心から互いにほぼ対称方向に放射状に形成されていることが示されている。
(1g)図4~6には、陰極側マニホールド20の外面に、環状部分の内側に一定の幅だけ陰極側マニホールド20の外面から凹んだ空間部分として冷却液流通路27が設けられていること、環状部分に二つの冷却液流通孔28a、28bが設けられていることが示されており、図4、5には、前記二つの冷却液流通孔28a、28bと冷却液流通路27とをそれぞれ連通する二つの通路が空間部分の中心から互いにほぼ対称方向に放射状に形成されていることが示されている。
(1h)「次に、このような電解槽を複数連結した複極式電解槽の一例を図8を用いて説明する。なお、図8は、その概略構成図である。
図8に示すように、電解槽1は、複数配列されて電気的に接続されている。配列方向両端側の電解槽1には、電源8が電気的に接続されている。隣接する電解槽1は、その一方側の陽極側マニホールド10の前記冷却液流通路17と他方側の陰極側マニホールド20の前記冷却液流通路27とが接続され、陰極側マニホールド20の前記ガスケット溝29に設けられたフッ素樹脂からなるガスケット2でシールされている。これら電解槽1の各マニホールド10,20に形成された前記各孔は、それぞれ対応して接続されている。」(段落【0033】~【0034】)
(1i)「配列方向両端側の電解槽1の外側には、フッ素樹脂からなるエンドプレート3a,3bがそれぞれ設けられている。これらエンドプレート3a,3bには、各マニホールド10,20の前記各孔と外部とを連通させるそれぞれの連通孔がそれぞれ対応して形成されている。・・・
また、陽極側マニホールド10の前記原料水流通スリット11と連通するエンドプレート3bの連通孔には、原料水送給ポンプ6が連結されている。各マニホールド10,20の前記冷却液流通路17,27と連通するエンドプレート3aの連通孔には、冷却液送給ポンプ7aが連結され、上記流通路17,27と連通するエンドプレート3bの連通孔には、ラジエータ7bが連結されており、上記冷却液送給ポンプ7aとラジエータ7bとは連結されている。つまり、上記ポンプ7aで上記流通路17,27に送給された冷却液は、各電解槽1を冷却し、ラジエータ7bに送り込まれて冷却された後、上記ポンプ7aで再び送給されるのである。・・・」(段落【0035】~【0036】)
以上の記載を総合すると、甲第1号証には、
「陽極側マニホールドと陰極側マニホールドとの間に配置された陽極と陰極との間にイオン交換膜を介在させて、水を電解することによってオゾンを発生させる単位電解槽が、両端のエンドプレートによって複数台結合された複極式の電解槽において、前記陽極側マニホールド及び陰極側マニホールドの外面に水冷却を可能にする冷却液流通路を設け、前記陽極側マニホールド及び陰極側マニホールドの外縁側に設けた環状部分の内側に一定の幅だけ前記陽極側マニホールド及び陰極側マニホールドの外面から凹んだ空間部分として前記冷却液流通路を形成し、前記環状部分に設けられた二つの冷却液流通孔と前記冷却液流通路とをそれぞれ連通する二つの通路であって前記空間部分の中心から互いにほぼ対称方向に放射状に形成された二つの通路を設けた電解槽」(以下、「甲第1号証記載発明」という。)が記載されていることとなる。

(2)甲第2号証:実願平5-18469号(実開平6-72695号)のCD-ROM
(2a)「・・・【図3】電子冷却器を備えたオゾンガス発生装置の斜視図である。」(図面の簡単な説明)
(2b)図3には、円盤状のオゾンガス発生装置が示されている。

(3)甲第3号証:特開平9-266007号公報
(3a)「酸化剤が供給される酸化剤極と、水素ガスが供給される燃料極と、前記酸化剤極と前記燃料極とに挟持され、水素ガスと酸化剤との化学反応により電気を発生する電解質膜とから構成される単セルが該単セルを冷却する冷却部と交互に積層された積層体と、前記積層体に設けられた穿設部に挿入され、該積層体の積層方向に対して該積層体を支持し、燃料あるいは酸化剤が該積層体に供給され回収される流通部を持つ支持手段とから構成されることを特徴とする燃料電池。」(請求項1)
(3b)「以下、従来の燃料電池の構成について、図面を参照して説明する。図4は、積層体を分解した斜視図で、図5は、燃料電池の斜視図である。例えば白金からなる燃料極101と白金からなる酸化剤極102とが高分子電解質膜103を狭持し、燃料電池の起電部分104を構成する。燃料極101には、燃料配流板105が、また酸化剤極102には、酸化剤配流板106が接着される。燃料配流板105が燃料極101と接する面には、燃料流路となる溝107が、酸化剤配流板106が酸化剤極102と接する面には、酸化剤流路となる溝108が設けられる。燃料配流板105と酸化剤配流板106とは、集電体である。また、高分子電解質膜103と酸化剤配流板106との間には、酸化剤極102の形状に切り欠いた穴が形成されるシートパッキング109が狭着される。燃料配流板105には、冷却板110が接着される。冷却板110は、加湿水透過板111と冷却水配流板112とが張り合わせて構成される。冷却水配流板112の加湿水透過板111側の面には冷却水が流通可能な溝113が設けられる。」(段落【0005】)
(3c)「積層体1の冷却部15には、冷却水が循環する溝16が設けられ、冷却部15の外周には冷却部枠17がある。冷却部枠17には溝16に冷却水を供給する供給部18と、冷却水を回収する回収部19とを兼ね備えた冷却水流路管7が設けられる。」(段落【0033】)

(4)甲第4号証:特開平4-289664号公報
「この発明は燃料電池、オゾン発生装置、水電解装置などに利用される固体電解質の電極構造に関するものである。」(段落【0001】)

(5)甲第5号証:特開平5-50077号公報
(5a)「プール水等を浄化処理するために使用するオゾン浄化装置において、オゾナイザの冷却に冷却水として当該処理水の一部を利用することを特徴とするオゾン浄化装置。」(請求項1)
(5b)「・・・プール1の取水口1aと当該プール1の循環水流入口1bを結ぶ循環路管R1に上流からヘヤキャッチャ2、圧送ポンプ3、ろ過器4、ボイラ7を配置し・・・
また、図2に別の適用例を示す。図2は分岐循環路管R2をろ過器4の出口付近で分岐させ、分岐点とボイラの間に戻し、オゾナイザ8の冷却は循環路管R1の圧送ポンプ3の吐出し口付近から冷却水供給管R4でプール水を一部オゾナイザへ誘導して行い、冷却水排水管R5で分岐循環路管R2の反応槽6の出口付近から冷却水をプール水の循環系へ戻すようにしてある。・・・」(段落【0008】~【0009】)

3.当審の判断
(1)本件請求項1に係る発明について
本件請求項1に係る発明と甲第1号証記載発明とを対比する。
甲第1号証記載の発明における「陽極側マニホールド」、「陰極側マニホールド」、「イオン交換膜」、「エンドプレート」、「冷却液流通路」、「二つの冷却液流通孔」と「二つの通路」は、それぞれ、本件請求項1に係る発明の「陽極板」、「陰極板」、「固体高分子電解質膜」、「側板」、「冷却部」、「入口通路及び出口通路」に相当するから、
両者は、「陽極板で形成した陽極と陰極板で形成した陰極との間に固体高分子電解質膜を介在させて水を電気分解することによってオゾンを発生させる単位電解槽が両端の側板によって複数台結合された複極式の電解槽において、極板の外面に水冷却を可能にする冷却部を設け、前記極板の外縁側の環状部分の内側に一定の幅だけ前記極板の外面から凹んだ空間部分として前記冷却部を形成し、前記環状部分に明けられた冷却水の入口通路及び出口通路であって前記空間部分の中心から互いにほぼ対称方向に放射状に形成された入口通路及び出口通路を設けた電解槽」である点で一致しているが、以下のa~dの点で相違している。
a:冷却部が、本件請求項1に係る発明は、陽極板と陰極板の外面のうちの陰極板の外面に設けるとともに、両端の側板のうちの陽極板の外面に接触する方の側板の面にも設け、陰極板の外面及び側板の面から凹んだ空間部分として冷却部を形成しているのに対して、甲第1号証記載発明は、側板の面には設けられておらず、陽極板の外面と陰極板の外面から凹んだ空間部分として冷却部を形成している点(以下、「相違点a」という。)。
b:陽極板、陰極板が、本件請求項1に係る発明は、円盤状であるのに対して、甲第1号証記載発明は、円盤状ではない点(以下、「相違点b」という。)。
c:空間部分が、本件請求項1に係る発明は、円盤形状であるのに対して、甲第1号証記載発明は、円盤形状ではない点(以下、「相違点c」という。)。
d:本件請求項1に係る発明は、空間部分に幅の全体にわたって設けられ入口通路及び出口通路と対向する部分が開いていて環状部分の内側端から間隔を明けて配設され冷却水の流れを案内する案内部材が設けられているのに対して、甲第1号証記載発明は、当該案内部材が設けられていない点(以下、「相違点d」という。)。

そこで、上記相違点aについて検討する。
甲第1号証には、本件請求項1に係る発明の側板に相当する両端のエンドプレートについて、エンドプレート3a,3bには、各マニホールド10,20の前記各孔と外部とを連通させるそれぞれの連通孔がそれぞれ対応して形成されていること、及び冷却液流通路17,27と連通するエンドプレート3aの連通孔には、冷却液送給ポンプ7aが連結され、上記流通路17,27と連通するエンドプレート3bの連通孔には、ラジエータ7bが連結されており、上記冷却液送給ポンプ7aとラジエータ7bとは連結されていること(上記摘記事項(1i))は記載されているが、そのエンドプレートに冷却部を設けることについては、何も記載されていない。
このことは、冷却部について、甲第1号証には、冷却部を陽極板の外面と陰極板の外面に設け、該両冷却部が一対となって一個の冷却部を形成することが記載されているだけであって、本件請求項1に係る発明のように、冷却部を陽極板の外面には設けることなく、陰極板の外面及び側板の面にのみ形成すると同時に、陰極板の外面から凹んだ空間部分と陽極板(側板)の外面とで、及び側板の面から凹んだ空間部分と陽極板の外面とで、即ち一方の凹んだ空間部分と他方の外面とで冷却部を形成することにより電解槽を冷却することを動機付けるものではない。
また、甲第2号証~甲第4号証にも、上記した本件発明1に係る発明の当該冷却部を形成することにより電解槽を冷却することについて示唆する記載は何もない。
そうすると、甲第1号証記載発明において、陽極板の外面の冷却部を設けることなく、一方側板の面に冷却部を形成すると同時に、陰極板の外面から凹んだ空間部分と陽極板(側板)の外面とで、及び側板の面から凹んだ空間部分と陽極板の外面とで、冷却部を形成することにより電解槽を冷却することことは、当業者が容易に想到し得ることではない。
そして、本件請求項1に係る発明は、冷却部を陰極板の外面及び側板の面に設けたことにより、明細書記載の「中間部分に加えて両端部分にも冷却室を設ければ、水冷却によって効率よく十分な冷却効果を上げることができる。」(段落【0014】)、「電解槽を構成する陽極板又は陰極板のうちの陰極板の外面及び両端の側板のうちの陽極板の外面に接触する方の側板の面に水冷却を可能にする冷却部を設けるので、この部分に必要な量の冷却水を流し、目的とする冷却作用をさせることができる。その結果、電解合成反応の起こっている所を確実に且つ効率よく冷却することができる。そして、電解合成反応における電流効率及び発生するオゾン濃度を最大にすることができる。」 (段落【0026】)という甲第1号証~甲第4号証の記載からは予測することのできない格別な効果を奏している。
したがって、上記相違点b~dについて検討するまでもなく、本件請求項1に係る発明は、甲第1号証~甲第4号証記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)本件請求項2に係る発明について
本件請求項2に係る発明は、本件請求項1に係る発明である「電解槽」を有するオゾン発生装置を構成要件とする「水処理装置」の発明である。
そして、甲第5号証には、電解槽の陽極板、陰極板及び側板の形状、構造に関する記載は何もないから、甲第5号証は上記相違点aを示唆する証拠とはなり得ず、よって、上記(1)で述べたと同じ理由により、本件請求項2に係る発明は、甲第1号証~甲第5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

III.むすび
以上のとおり、本件特許異議の申立ての理由及び証拠によっては本件請求項1、2に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、2に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2003-11-07 
出願番号 特願平10-140537
審決分類 P 1 651・ 121- Y (C25B)
最終処分 維持  
特許庁審判長 城所 宏
特許庁審判官 市川 裕司
三崎 仁
登録日 2002-08-16 
登録番号 特許第3340385号(P3340385)
権利者 株式会社ササクラ
発明の名称 オゾン発生用の電解槽及びこれを用いた水処理装置  
代理人 白井 博樹  
代理人 蛭川 昌信  
代理人 青木 健二  
代理人 内田 亘彦  
代理人 菅井 英雄  
代理人 阿部 龍吉  
代理人 米澤 明  
代理人 飯高 勉  
代理人 韮澤 弘  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ